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海洋灯(まりんらんぷ)歳時記

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季節のうつろいを感じながら、その時々に自分なりに思ったことを記録しています。
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#note短歌部

2024蛙始鳴(かわずはじめてなく)

苦労する その経験が 実となれば 海へ向かいて ダイブ厭わず 蛙始鳴(かわずはじめてなく) 蛙が鳴き始める頃。 水田の中をスイスイ泳ぎ、活発に活動を始めます。 「かわず」は蛙の歌語・雅語。

2024牡丹華(ぼたんはなさく)

いつまでも 人まかせには できもせず 自分の足で 一歩踏み出す 牡丹華(ぼたんはなさく) 牡丹が大きな花を咲かせる頃。 豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれています。

2024霜止出苗(しもやみてなえいずる)

今はただ 時の流れに 身をまかせ 焦る心も 波にまかせて 霜止出苗(しもやみてなえいずる) 霜が降りなくなり、苗代で稲の苗が生長する頃。 霜は作物の大敵とされています。

2024葭始生(あしはじめてしょうず)

シアワセは デンキが点いた ミズが出た よろこぶキミと 笑い合うこと 葭始生(あしはじめてしょうず) 水辺の葭が芽吹き始める頃。 葭は夏に背を伸ばし、秋に黄金色の穂をなびかせます。

2024虹始見(にじはじめてあらわる)

行き場なく 港ただよう 船たちを おもんばかって 春の陽やさし 虹始見(にじはじめてあらわる) 雨上がりに虹が見え始める頃。 淡く消えやすい春の虹も次第にくっきりしてきます。

2024鴻雁北(こうがんかえる)

誇らしく 咲こうとすれど 邪魔となる うすらトンカチ 春の雨音 鴻雁北(こうがんかえる) 雁が北へ帰っていく頃。 雁は夏場をシベリアで、冬は日本で過ごす渡り鳥です。

2024玄鳥至(つばめきたる)

気がつけば 地割れダメージ のこる土手 春が来ている つくしの背伸び 玄鳥至(つばめきたる) 燕が南の国から渡ってくる頃。 「玄鳥」(げんちょう)とは燕の異名です。 #私の作品紹介

2024雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

キミはもう 光ることさへ 忘れたか このままココで 朽ちてゆくのか 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) 春の訪れを告げる雷が鳴り始める頃。 「春雷」(しゅんらい)は「虫出しの雷」とも呼ばれています。

2024桜始開(さくらはじめてひらく)

どこまでが 復興なのか わからない まだ復旧 すら道半ば 桜始開(さくらはじめてひらく) 桜の花が咲き始める頃。 桜前線の北上を日本中が待ち望む、 お花見の季節の到来です。

2024雀始巣(すずめはじめてすくう)

センタクを するために来て 教えられ 命のソレと 人生のソレ 雀始巣(すずめはじめてすくう) 雀が巣を作り始める頃。 昼の時間が少しずつ伸び、多くの小鳥たちが繁殖期を迎えます。

2024菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

オワコンに したくはないが 何ごとも 無かったように 日は暮れていく 菜虫化蝶(なむしちょうとなる) 青虫が紋白蝶になる頃。「菜虫」は菜を食べる青虫のこと。 菜の花が咲いてまさに春本番。

2024桃始笑(ももはじめてさく)

焼 け だ さ れ 再 会 で き た 友 が 言 う 何 と か な る さ 微 笑 み な が ら 桃始笑(ももはじめてさく) 桃の花が咲き始める頃。花が咲くことを「笑う」と表現、「山笑う」は春の季語です。

2024 蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)

や る と き は や ら ん な ら ん と 覚 悟 決 め 一 歩 踏 み だ せ フ ネ ノ デ ン キ ヤ 蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく) 戸を啓いて顔を出すかのように、冬ごもりをしていた生きものが姿を表す頃。

2024草木萌動(そうもくめばえいずる)

い つ の 日 か 戻 る と 信 じ 一 歩 ず つ 歩 み を 止 め ず 灯 し つ づ け る 草木萌動(そうもくめばえいずる) 草木が芽吹き始める頃。 草の芽が萌え出すことを「草萌え」(くさもえ)と言います。