サンリオピューロランドの歴代パレードを見よう・番外編①~レジェンドオブシリウス編~
ピューロランドの歴代パレードを振り返る記事。今回はイルミナントから少し時間を遡り、レジェンドオブシリウスをピックアップ。
※ストーリー・演出などのネタバレを含みます
概要
正式タイトル:ハローキティ25周年★スペシャルパレード レジェンオブシリウス
公演期間:1999年6月~11月
公演時間は25分程度。
あらすじ・出演キャラクター
出演キャラクター。
キキ・ララまでのキャラクターは台詞あり、ハンギョドンから下のキャラクターは台詞なし。
サム初参加。
シリウスの伝説
パレード本編の話をする前に、元ネタとなった「シリウスの伝説」について軽く触れておきたい。
「シリウスの伝説」はサンリオ創業者・辻信太郎さんによるメルヘン小説。水の国の王子シリウスと、火の妖精マルタの恋模様が記されている。
1981年にはアニメ映画が公開。その後も今作をはじめ様々なサンリオショーやパレードの土台となっている作品だ。
絵本の中と外
キャラクター達と一緒に「シリウスの伝説」の世界を追体験する今作は、キャラクターパートとダンサーパートが明確に分けられている。
キャラクターパートで特徴的なのは、キティ・ミミィ以外のキャラクターにも台詞があること。よりキャラクターが活き活きして見え、私は好き。
一方ダンサーパートは台詞が少なく、歌やダンスなどで情景を表現している。ギターに哀愁と情熱を感じる「炎のパッション」や深海を思わせる「Deep Bule Sea」は、他のパレードではあまり聴かない曲調。このパートは非常に大人っぽい。
My Dear Daniel
本作はハローキティ25周年記念作品と銘打たれているが、そこまでキティを祝っている感じはない。どちらかというとダニエルお披露目パレードに見える。
ダニエルが海外から帰国し、ピューロビレッジへ向かっているという。それを知ったキティの様子は恋する乙女。それが特に顕著なのはダニエルが来るのを待つ曲「Amore!Amore!Amore!」だ。こんなフレーズがある。
タイトルからもダニエル大好きなのがわかる、微笑ましい曲だ。
そんなキティをからかい気味なのがもんきちとペックル。二人はダニエルから電話がきた時のキティを真似したり、ダニエルがいると嘘をついたり登場キャラクターの中でもひときわ幼く描かれている 。
まさかのバトルパート
ダニエルがピューロビレッジに到着した時、水の国のお祭りは悪魔・アルゴンの襲来でめちゃくちゃになってしまっていた。ダニエルはマジックでアルゴン一味の動きを遅らせ、その間に仲間達を召喚。サンリオキャラクター&火の国&水の国VSアルゴン一味の戦いが始まる。
戦いにはマジック・アクロバット・ロープアクションなどが取り入れられており迫力満点。特にロープはスピード感がありかっこいい。現地で見てみたかった。
戦いの後で
アルゴン一味を倒したダニエル達。水の国に平和が戻り、カーニバルが始まる。水の国、火の国、それにアルゴン達、サンリオキャラクター……一度は敵対していたみんなが楽しげに踊る姿は、「みんななかよく」のひとつの形なのだろう。アルゴン達を誘うのがダニエルなのもどこか味わい深い。
なお、シリウスとマルタが結ばれたのかは明言されなかった。だが笑って一緒に歩いているこの世界の二人には、これからも幸せでいてほしいなと思う。
総合的な感想
ボリショイサーカスと協力して創られた、ラテンの雰囲気漂う異色作。老若男女を楽しませようと試行錯誤しているのが垣間見える。
イリュージョンやバトル要素など、後年の作品へ引き継がれた要素も多い。公演期間は短かったものの、一見の価値はある作品だ。
画像出典
「サンリオピューロランドDVDスペシャルコレクション パレード」(2003年・サンリオ)
変更履歴
2024.9.23 初版公開
2024.9.25 ダンサーパートの台詞に関する記述を変更
変更前:台詞がなく、(後略)
変更後:→台詞が少なく、(後略)