サンリオピューロランドの歴代パレードを見よう③イルミナント編
歴代パレード振り返り記事第3弾。今回は迷った末にイルミナントをピックアップ。
※ストーリー・演出などのネタバレを含みます
概要
正式名称:光のパレード ILLUMINANT
公演期間:2001年6月~2007年6月
このパレードから上演時間が25分程度に伸びた。
あらすじ・出演キャラクター
あらすじはこんな感じ。
DVD版の出演キャラクター。
出張販売所のカーニバル
このパレードのオープニングはテレビショッピング業者・クラウンカンパニーによる面々が光るおもちゃの出張販売。そこに突然宇宙を巡るカーニバル一座がやってきてショーを始めるのだ。
言語化するとかなり唐突な感じだが、現地や映像で見るとそこまで違和感はない。不思議。
カーニバルのパフォーマー達が揃ったら、いよいよキャラクター達の登場だ。スターライトやコズミックはキャラクター紹介パートのカメラワークに難があったが、今作では改善されている。
Let's Dancing!
みんなで踊るテーマ曲が作られたのは、おそらくこの作品が初めて。
振り付けはとてもシンプルで、初見でもすぐ覚えられる。今でもこの曲が聞こえてきたりカラオケ歌ったりするとつい踊ってしまう。
楽曲制作を担当したのは角松敏生。パレード版はオリジナルよりテンポが速く、より明るく楽しげな印象に仕上がっている。
光と闇
個人的にイルミナントで最も印象的なのは、闇のカーニバルの登場シーン。
当時はまだ子供でわからなかったが、クラウンカンパニーが売っている商品は怪しいものばかり。なんでも願いが叶う50兆円(送料別・税別)の水晶玉、とっても元気になれる栄養ドリンク……。闇のカーニバルが懲らしめに来るのは、大人になった今改めて見ると因果応報な気すらする。
キティとダニエルは闇のカーニバルを止めさせようとした。しかし彼らは二人を身代わりにし、牢屋に閉じ込めて消してしまう。
パレード、ひいてはサンリオの中心的存在であるキティが消されるこの展開はとても衝撃的だった。もっと幼い頃に見ていたら泣いていただろう。
輝け、命
絶望的な雰囲気の中、どこからか聞こえるキティとダニエルの声。二人の言葉を聞いたクラウンカンパニーの面々は光るおもちゃに希望を見いだし、懸命に空へ振りかざした。その光に導かれ、キティとダニエルはピューロビレッジへ帰ってくる。
リーダー格らしき悪魔っぽい人が見当たらないためちょっとわかりにくいが、フィナーレには闇のカーニバルのメンバーもいる。「みんななかよく」の精神が感じられる場面だ。瞬く星空、光り輝く知恵の木……ピューロビレッジが美しい。
エンディングでかかるILLUMINANTは原曲寄りアレンジの歌詞違い版。日暮れの情景が歌われており、サビの歌い出しもSunriseからStarlightに変更されている。ストーリー終盤との親和性が高い。
総合的な感想
ゲストも一緒に踊る外部アーティスト提供のテーマ曲や中国雑技団のパフォーマンス、子供も理解しやすく大人に刺さるストーリー展開……後の作品へと引き継がれた要素がとても多く、パレードの方向性を決定づけた記念碑的作品だと思う。
特に現在公演中のMiracle Gift Paradeはテーマや台詞回しが近い。ミラギフのストーリーが好きな方にはぜひ見てほしい。
画像出典
「サンリオピューロランドDVDスペシャルコレクション パレード」(2003年・サンリオ)