マーキングのすゝめ

1 マーキングをする意味について

 ⑴ 資格試験の受験勉強で、マーキングをするかしないかがあると思いますが、結論から言ってしまうと、私はマーキングをすべきだと考えています。

 なぜ、マーキングをするべきなのかを考えるために、マーキングをする意味を考えてみたいと思います。

 ⑵ 資格試験…ここでは司法試験を念頭において記述していくことにします。司法試験の勉強で、インプット用の教材として、基本書or予備校テキストを使うことになろうかと思います。この教材を開いてみると、膨大な情報量であることがわかるかと思います。

 私は、基本書をメインで学習をしていたので、基本書を念頭に記述しますが、基本書には、大きく①定義②要件③効果④規範(自説・他説)⑤規範の理由付け(自説・他説)⑥批判(自説への批判・他説への批判)⑦例示⑧なお~⑧問題提起以下に分類することができるかと思います。もちろん、より正確な分け方があると思いますが、私は以上のように整理していました。

 このうち、試験との関係で、特に情報の整理として行いたいのは、記憶との関係で、①④⑤⑧がマストですね。しいて言えば⑥もでしょうか。(②③は読んで探せればOK、⑦⑧は一目瞭然なので探すのは容易ですね。)

 …と、このように見ると、記憶との関係で、①④⑤⑧は整理しておくと、便利だろうということは予想が付くと思うのです。加えて言えば、読解との関係でも、読み返すとき、「色」で判断することができれば、「うーん、ここまでが定義、ここからが規範で、この規範を支える理由付けの部分はこれ」なんて読み解く作業を短縮することができることも予想することができます。ここにマーキングをする意味があるのです。

 ⑶ と、ここまで記述すると、「要は、読み返すときに、いちいち、この文章の要素は定義なのか等判断する時間を減らし、また記憶との関係で強弱をつけるためにもマーキングをするんですね」ということがわかっていただけるのだと思います。

 が、さらに個人的に述べておきたいのは、「このように分類して適切にマーキングをすることも、理解のための学習として有用だからマーキングをするといいですよ」ということなのです。この意味でもマーキングをする意味があるのですよね。

 理解のための学習というと、まとめノートを作成することがありますが、これ膨大な時間がかかるんですよね。資格試験の勉強は、無職ニート法科大学院生ですら厳しいものがあります。そのため、なるべく、費用対効果を意識して学習はすべきです。その費用対効果を考えると、マーキングをする作業で代替すればいいでしょう、ということですね。

 ⑷ まとめますと、資格試験のインプット教材には、定義等のさまざまな要素から成り立っており、その要素を整理するためにマーキングをする。そうすることで記憶の優先順位や情報の整理が進む。そのマーキングをする作業、つまり要素の整理を通じて学習になる、ということからマーキングをするべきである、と考えています。

2 マーキングをする方法について

 ⑴ マーキングをするにあたっては、結局のところ、要素を色分けすることに尽きるので、自分流でいいと思います。なお、マーキングをする作業には、蛍光ペンで塗る方法と、ボールペン等で下線を引く方法(中には波線を使う)があり、様々あります。ここで重要なのは、自分が、どの要素をどのマーキングするか、というルールを確立させておくことです。

 ⑵ それで話を終えてしまうと「へぇ」という感じになってしまうと思うので、私ならどうするのか、を記述しておきます。

① 定義…山吹色の蛍光ペン

② 規範(自説)…黄色の蛍光ペン

③ 規範(他説)…青の蛍光ペン

④ 自説の理由付け(・他説の批判)…赤色ボールペンでアンダーライン

⑤ 他説の理由付け・自説への批判…青色のボールペンでアンダーライン

⑥ 気になること…緑色の蛍光ペン

⑦ 問題提起…ピンク色の蛍光ペン

3 最後に

 マーキングをすることは、ただの色塗りをするだけであり、なんとなく情報が整理できたように思える点で「勉強した気になった」と勘違いするだけなので、ドラ〇ン桜では、マーキングをするなとあったように思います(要するに、無目的だとやった気になるだけだからやらんほうがええねんって話ですよね、あれ)が、テキストが、どういった要素によって成り立っているのかを判断し、理解のため試験のためとの関係で、何を押さえるのか(=要素を掴む)をはっきりさせてしまえば、マーキングをすることそのものが情報整理に直結しますし、また、テキストを深く読み込むキッカケにもなるので、マーキングをすることとは何か、その目的は何かをキチンと考え、その上でマーキングを実践すると、大きな学習効果があるでしょう。なので、ぜひとも、マーキングをする目的は何かを自覚し、マーキングをすることで、効率よく情報を整理し、深くテキストを読み込み、理解を促進させるような勉強をしていきましょう。


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