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サウナ室から時々遠くを見る

スカイスパYOKOHAMAのカプセルホテルに一泊しサウナを堪能したときの話です。

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横浜を観光し、スカイスパYOKOHAMAに着いたのは20時頃だったので、21時のアウフグースは受けたいと思いいざ入館。

事前に大学時代の先輩から「セルフロウリュができるサウナできてるよ!」と聞いていたのでまずはそのサウナへ。

そのサウナ室は使われている木が新しく、香りも漂い、心地良く耳から脳へと通るサウンドで私を迎えてくれた。
座ってみると段差の角は美しい柔らかな曲線を描きストレスフリー。
10分毎にセルフロウリュをするシステムで、まだ8分くらいは残っているように見えた10分計の砂時計がある近くへ腰掛けた。
耳から鼻から肌からサウナの恩恵を浴び、それに呼応するように汗がどんどん流れる。
もう少しなら入っていられるかもというところで時計の小さな砂たちはひっそりと下へ集合。

いよいよロウリュ。

更なる恩恵が蒸気に乗ってサウナ室を巡り全身を包んでくれた…


熱々に沸き上がった身体は水風呂で落ち着きを取り戻し、いつかの仕事の不満を少し許せる気がした。


次はアウフグース。最後の熱波まで浴びたいと思い、水通しをしてから入室。

このとき、サウナ1セットで身体が目覚め、目を剥くような気分。

初めのロウリュではカモミールの香りが丁寧なタオル捌きでサウナ室内を巡る。鼻から脳が歓喜をあげる。歓喜に浸っているところにまだまだここからと身体を鼓舞するような熱波が襲来。
そしてカモミールの次はセージの香り。恥ずかしながらこの2つの香りの違いをもう思い出せないが、脳から鼻が歓喜したことは覚えている。

香りの癒しとともにものすごい発汗をしつつ、この辺からただただ「熱い!」という気持ちで脳が支配されていた。しかし、前に味わった「ととのう」を覚えているから入っていられる。

これをある人は「解脱る」という。

解脱へ通ずる道へと見事に案内してくれたアウフギーサーへ感謝の拍手をさせていただき水風呂へ。


身体の内側から冷気を感じ、この冷気と共に魂が抜けるように様々な感情から解放され「無」に近い状態へと昇華した。


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気付いたらカプセルホテルですっかりぐっすり眠り朝となり、この旅最後のサウナ、朝ウナへ。

昨日はととのいたい気持ち一心でサウナ室へ入室したが、朝は何者にも道を譲る優しい気持ちで入室。

時間やセット数には拘らず、ただただサウナを楽しむ。


ここのサウナ室はビルの14階にあり窓がある。その窓からは「NISSAN」や「K-Arena」の文字を冠した建物や海が見え、さらに向こうには工場らしきところから水蒸気のようなものがもくもくと青空へと伸び、太陽と雲の彼方へと消えていく。

そんな景色が見える窓から朝の陽がサウナ室へ差し込み、鎮座したサウナストーンを照らす。美しく照らされたサウナストーンが優しい蒸気で身体を包んでくれる。

まだ目覚めていない横浜の街と共に自分の身体が少しずつ目覚めていくのを感じながら、窓越しに時々遠くを見る。

このときに、いつも様々な感情が出てきます。
「あの頃なら、今よりもっと好きなことできたのにな」
「あのとき、なんでこの選択を思い付かなかったのだろう」
「あのとき、あぁやって言わなければよかった」


一通り後悔や反省を繰り返して、いつもなら沈んだ気持ちのままでいることが多いけど、ここのサウナにいると違います。

サウナを通して見る遠くの景色が、これから先に希望があるように感じさせてくれて、もう少し頑張ろうという気持ちにしてくれます。

嫌な思い出を許せたり、情けないと思っていた自分も許せたり、悩みにもうちょっと向き合ってみようと思ったり。

ととのった(解脱った)後の一歩はいつも前向きな一歩になります。


それはスカイスパYOKOHAMAのいくつもある素晴らしい点のうちのただの1つです。

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スカイスパYOKOHAMAへの感謝の気持ちを勝手に書かせていただきました。
ありがとうございます!また行きます。

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