異世界移転したら牢獄の中だった件。

神聖なる帝国ブルルンヒルク、そこは最も犯罪人に対して厳格な国だと言われる。例えば盗みを例にあげれば盗難は重労役5年とされ帝国を囲む壁の建設に駆り出されることになる。この国は死刑制度はない。なぜなら死ぬことは一つに犯罪人の罪からの解放と見なされているからである。つまり死ぬことによって罪が消えるという概念はこの国には存在しない。この国の最も重いとされる刑罰は通称『終わらない夢』と呼ばれるものだ。
仮想状態のなかで何度も死に続けるという。この刑罰を執行されたあとの罪人はほとんどが人格を放棄するか場合によってはショックによって生命を放棄するケースもある。また、刑罰によって人格が崩壊しないものに対しては刑が執拗に実行される。
これらの刑の執行及び犯罪人の逮捕等を管轄するのが帝国親衛隊サーリアである。サーリアはまさにコウヨウチョウのような存在である。どこにでも潜んでおり、普段は一般市民に紛れて生活している。常に市民は監視のなかで生きているのだ。この国家は超警察国家といってもいいかもしれない。そんな国のある牢獄で新たな出来事が起きようとしていた。

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