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”透明な螺旋”を読んで。

東野圭吾さんの”透明な螺旋”を読みました。

若い男女が小さなアパートで一緒に暮らしている。

男は相手の女性を暴力で支配している。もともとこの部屋は女性とその母親で住んでいたところだが、母親が急に亡くなったのとほぼ時期を同じくして男が女性の部屋に入り込んだ形だ。

男は絵空事ばかり語り、俺の実力に見合う仕事がない、と働きもしない。
そして、女性が何かそのことについて言葉を発すると髪を引っ張ったり顔を叩いたりした。DVである。

ある時、男が房総沖で死体で見つかった。銃で撃たれたことが原因とみられた。それと程なくして女性も行方が知れなく成ってしまった。

犯人は誰で、動機はどんなことなのか⁈

女性の名は島内園香、花屋で働いている。男の名は上辻亮太。

この事件の捜査には、千葉県警から協力要請された警視庁捜査一課の
草薙と部下の内海薫も加わっている。

それから、ふとしたことから草薙の大学時代からの友人で帝都大学理工学部教授の湯川学も登場してくる。

序盤では、女性のDV被害が原因で起こったシンプルな事件のように思われたが、その背景にはいろいろな物語が隠されていた。

ガリレオシリーズの湯川教授の実の親の事も紹介されている。

・戦争後間もないころの日本。

・親、子、孫の関係。

・DV。

・老々介護。

いくつかの現代の日本の抱えている問題をも含んだ
興味深い推理小説作品です。

文藝春秋出版の透明な螺旋:東野圭吾作から引用しました。

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