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合田佐和子展@三鷹市美術ギャラリー

こちらは先日のボタニカルエッグの合田ノブヨさんのお母さんの回顧展。(のの連続)

事前知識が乏しく、楽しめるかどうか若干不安に思いながら観に行ったんですが、杞憂!面白かった!!

最初の展示室、シュヴァンクマイエルっぽい立体作品たちが並ぶが、前衛的ながらもセルフプロデュースを意識しつつ時代に応えていた様子もうかがえる。
で、これが延々続くのかと思いきや、次のスペースでは油彩がドーン。トータルで見ると割と油彩の人だった。(でもその始まりは「外国で写真拾ったから描いてみた」みたいな始まりでかなり突飛。)写真かと思っていた本展のメインビジュアルの作品(上の画像のヤツ)も油彩。

美大出身とはいえ油彩はほぼ独学らしいのだが、初の油彩(外国で拾った家族写真の絵)も、初めてでそんな描ける??ていう巧さ。あと、初めてでそんなデカいの描く??ていうデカさ。(100号だそうです。)
概ね年代順に作品が並び、開始から数年でさらに腕をあげていくのがわかるけど、個人的には初期の絵画かなり好き。暗くて。

その後の作品も大きなものが多く、「キッチンをアトリエにして描いておりスペース的に引いて見れないからデッサンに狂いが生じ、それが独特の味を…」とかキャプションにあったけど、もうどこからツッコんでいいのかわからない。一般的な感覚だとそもそもキッチンに置ける大きさに見えない。

常に新たな表現を追い求め、晩年でも創作意欲は尽きることがなかったそうで、特別展示の映像で娘のノブヨさんが「本当の芸術家」と評していたが、まさにそんな感じ。熟達して新しい発見がなくなったことで心身に不調をきたしたり、天啓をうけたり、結構スピったりもしている。
なのに、若くから美術のお仕事でちゃんと飯食ってて、ほぼシングルで2人の子どもを育ててすごい。かと思えば、その二人の子を連れてエジプトの村に永住を図ったりしてやばい。
エジプト永住(未遂)については本が出てるみたいなので読んでみたいな~(と思ったけど高ぇ!)

やー、感想まとまってないけど面白かったです。
作品約200点に、資料約100点、すごい見応えでした。


合田佐和子展 帰る途もつもりもない @三鷹市美術ギャラリー
2023年1月28日(土)~3月26日(日)


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