デーデー ポッポー ♪
朝の5時。部屋の空気を入れ替えるために窓を開けました。
『デーデー ポッポー♪ デーデー ポッポー♪』
庭の方からキジバトの鳴き声が聞こえてきます。
「生きてたんだ。よかった・・でもここは恐ろしい事があった場所だから、もう山に行った方がいいと思うんだけどな。」
庭の方を見ながらつぶやく私に夫が聞いてきました。
「去年 巣を作ったのって、娘が小さい頃に気に入ってた鳩か? さすがにもう違う鳩だよな?」
「はとぽんの事?キジバトの寿命、環境にもよるけど2年~20年だからどうだろう。はとぽんなら大きさですぐわかるけど一羽だけだと判別しにくいんだよね。」
はとぽんとは、娘が幼い頃によく庭に遊びに来ていた鳩の番(つがい)のうちの一羽。ひとまわり小柄なキジバトの事です。
庭をちょこちょこ歩きまわっている姿がかわいかったからか、娘は小柄な鳩をとても気にいり「はとぽんが来てる!」と嬉しそうに窓から眺めていました。
雄と雌で大きさに違いはないので、はとぽんはなんらかの事情で小さく生まれてきてしまったのでしょう。
長い間 遊びにくるだけだった鳩が 巣を作って子育てを始めたのは昨年の事。
初めて生まれた2羽のヒナは残念ながら巣立つことができませんでした。
人がよく出入りする玄関近くに巣をつくって防衛していたにも関わらず、留守のタイミングを狙ったかのようにカラスに襲撃されてしまいました。
それ以降、庭に鳩が来ることがなくなってしまったため、「きっとヒナと一緒にカラスにやられてしまったのだろう」と夫と話していたのです。
「そうか、戻ってきたならまたここで子育てするのかもな」
どこか嬉しそうな夫。
生き物が苦手なわりに、毎日鳩の子育てを興味津々で観察していたので、あの惨劇を残念に思っていたのでしょう。
「デーデー ポッポー♪って鳴いてるってことはまだパートナーが見つかっていないってことだよ。うちの庭は事故物件になっちゃったからちょっと厳しいかもしれないね」
そもそも近くに山があるので、うちの周辺で他の鳩を見かけることはほとんどないのです。
絶対鳴く場所を間違えているぞ・・山に行くんだ、山に💧
もし奇跡的にうちで子育てが始まったらnoteにつぶやいていきます。