見出し画像

高齢の家族との関わり方:作業療法士が教えるポイント

読者の悩み

  • おじいちゃん、おばあちゃんが少しずつ体を動かせなくなってきた。

  • 家にひきこもるようになってきてどう関わればいいかわからない。

本記事の内容

  • 高齢者の身体的な代表的な変化 10選

  • 精神的な変化 5選

  • コミュニケーションのコツを教えます。

私は作業療法士として5年ほど病院で勤務しています。患者さんはほとんどが高齢者で、様々な理由で入院しています。そこで学んだことや気づいたことを、ノウハウとして発信していきます。


1. 高齢者の身体的な代表的な変化 10選

年を重ねるにつれて全身の機能が衰えていきます。その中でも代表的な変化をピックアップしました。

その1 神経系統の低下

運動神経や視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚などの感覚神経が反応しづらくなります。そのため、転倒や立ち上がりが難しくなったり、難聴や白内障が歩行に影響を及ぼすことがあります。味覚の低下により高血圧などの二次障害に繋がることもあります。

その2 筋力の減少

骨格筋が減少することで運動障害を引き起こし、日常生活に影響を及ぼします。筋肉量は25歳前後がピークで、その後はゆっくり低下し、65歳でピークの2/3になります。運動量の減少や栄養不足などが原因です。

その3 関節が弱くなる

老化に伴い関節が固くなったり、軟骨がすり減り関節痛を引き起こすことがあります。

その4 歩くのが遅くなる

60歳までは日常の歩行速度の低下はほとんどありませんが、その後80歳までに年に1~2%ずつ低下すると言われています。

その5 骨がもろくなる

老化に伴い骨密度が低下し、転倒や荷物を持っただけで骨折することがあります。

その6 自律神経の乱れ

睡眠障害や落ち着かない、怒りやすいといった精神状態につながることがあります。

その7 循環機能の低下

高血圧や頻脈により息切れや動悸が起こることがあります。動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞も代表的な例です。

その8 呼吸状態の低下

肺機能低下による息苦しさを伴うことが増え、肺炎に繋がることがあります。

その9 消化器機能低下

唾液の量が減り、口腔内が乾きやすくなることで歯周病などの病気に繋がります。

その10 腎、膀胱障害

頻尿や失禁、前立腺肥大などのトラブルが増えます。腎臓は悪化していても自覚症状が出づらいので注意が必要です。

2. 精神的な変化 3選

その1 記憶障害

日にちや場所を覚えていられなくなり、物忘れが多くなります。新しいことを覚えるのに時間がかかるため、受け入れにくくなります。

その2 老年期うつ病

老化に伴う身体的・心理的・社会的喪失体験が要因で、うつ病が発症しやすくなります。

その3 認知症

DSM-5の基準によると、複合的注意、実行機能、学習と記憶、言語、知覚運動、社会認知の6つの神経認知領域について障害がある場合に認知症と診断されます。

3. コミュニケーションのコツ

現在の高齢者は、戦争や日本の高度成長期を支えてきた自負があります。彼らの立場や痛みを理解し、誠実に親切に対応することで、良い関係を築くことができます。


この記事が、皆様の高齢のご家族との関わり方の参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?