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Audible『能面刑事』~わかりやすさを疑う

著者・中山七里さんの作品がおススメに出てきたこと、さらに「検事と事務官」という職業や舞台設定に惹かれて、Audibleで『能面刑事』を聴き始めました。

事件が発生し、速やかに容疑者が絞られ、取り調べが行われます。状況証拠も揃っており、一見、逮捕は確実と思われましたが、「本当にそれで良いのか?」と疑問を持ち、さらに調査を進めていく検事と事務官が描かれています。

分かりやすい証拠=真実ではない、というテーマが現代社会のスピード重視の風潮を反映しています。スピーディーな進行の裏で見落とされる真実に焦点を当てている点が、とても印象的でした。

さらに、「組織」と「個人」の関係性や、その中での葛藤も興味深いです。組織を守ることが染みついている人物と、そうでない人物の考え方の違いが際立ち、組織で働いた経験のない私にとっては、新たな視点を学べた気がしました。これはまさに、別の人生を垣間見るような体験です。

面白くて、続編も聴き始めました。どうやら森友学園をモチーフにしているようで、こちらも楽しみです。


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