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【意思表示マーク~席ゆずります 声かけてください】


エレベーター内での事。
私は若い男性の斜め後ろに立っていた。
鞄にお守りのような物がつけられている。
"何か"文言が書かれていて、凝視すると
「席ゆずります。声かけてください」
と書かれている?

エレベーターはすぐ目的地1Fに到着し、男性は足早に先に出て行ってしまった。
まさか追いかけるわけにも行かず・・

公共交通機関で、高齢者の方々に遭遇した場合、「見た感じ」で、高齢の方だと判断、そして席を譲る。
どんなに若々しい高齢の方であっても、20代、30代には見えないはずなのだ。
ゆえに率先して席を譲るはずなので(希望含む)、「席ゆずります」というマークを誇示する必要があるだろうか。
(何より高齢の方から、「席をゆずってくれませんか?」と申し出なくてもよい社会であってほしい!)

などと考えると、なおさら、不思議なタグの文言に感じられる。
さてさて、そんな時に大活躍のネット検索!
インターネット普及前だったら、「あれは何だったんだろう?」と悶々として夜、気になって安眠できなかったかもしれない。
しかし、今はネットで検索すれば、わかるというありがたい時代。

調べてみれば、このマークタグ、育児休暇中の男性が考案し、広がっている物とのこと。
出産前の妻に付き添って電車に乗った際、優先席の高齢女性に咳を譲ってもらったことが”きっかけ”となり発案。

ちなみに同じ車両に座っている若者は、妊娠中の妻の事に気づかない様子で、席を譲ってほしいと言えなかったそう。
結果、高齢女性の方が譲ってくださり、負担をかけた。この経験から、譲りたい人がこちらから、意思表示するタグを制作しようと思い至ったそうだ。

私の想像だが、この高齢女性は、自分が妊婦だった経験があり、出産間際の身重の状態で電車で立っているということが、いかに負担か身をもって経験していた。
経験し、わかっているからこそ、妊婦さんに席を譲らずにはいられなかったのではなかろうか。

かたや、若者は、妊婦さんの大変さを想像し、おもんばかることが難しく、席を譲るということには、鈍感になっていたのだろう。

私がエレベーター内で出会ったタグをつけていた男性…
察するに、この方自身の配偶者も身重だった経験がある方なのだろう。(今は確かめる術もないが)

話をタグに戻すが、電車(バス)内で、声をかけようと思っても、内気な性格から声をかける勇気がでなかったり(そして後から自己嫌悪の陥ったり)と、それぞれ気持ちでは"思っちゃいるけど、出来ない"ということを【意思表示マーク】がサポートしてくれたら、ありがたいはずだ。

そして、また実は妊娠初期の方は、見た目でわかりにくい。(お腹が出ていないと、まず妊婦さんとは思われない。)

なので、出産間近の妊婦さんに比べたら、席を譲られるということ、減るだろう。
"気分が悪い""立っているのが辛い"という妊婦さんが、この「席ゆずります」マークタグを見たら、どんなにか救われるだろう。
「相互扶助」のための意志発信!
小さなタグのメッセージは公共交通機関内での救世主みたいなものかも…

自分たちが身をもって経験したことから、生まれるアイデアは切実で、それゆえ、具体化し体現したときの実効性は高い。

意思表示マークがなくても、相手を配慮し、おもんばかれることが理想だが、おもんばかれるようになるための「道先案内」としても、マークの意義は大きいだろうな。
エレベーター内のチラ見から、思いがけず考察しちゃった夜ふけかな…

*写真はHPから引用させていただきました。
#意思表示マーク #席ゆずります #マタニティーーマーク #妊婦さんに優しい

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