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展示感想:竹淵愛留萌個展「真綿に包まれて」 gallery Face to Face

 竹淵愛留萌個展「真綿に包まれて」行ってきました。

銅版と鉛筆・水彩画が中心でした。

〈真綿〉というのは、真綿で包むように育てると、真綿で首を絞める、二つを思い起こすような概念です。

 何かを認識するには、認識のためのフレームや前提が、支えになるのですが、逆にそれが、縛りや制約になる。


 僕らは、明日への一歩へ追い立てらながら、二つの間を揺蕩うのです。

 自分であろうとすれば、自分を支えるフレームを壊したくなる、壊してしまえば、自分自身を危きところにもたらす。

 
 この躊躇いに〈真綿に包まれて〉は、あると思います


 自分を諦めてしまえば、表現は生まれない。でも、日々の行いは、自分の由来を上書きするための必然です。
 ひとは空を飛べない、でも、でも、信じて走り続ければ何かにふれるかもしれない。

 アートは、結果です。

 でも、そこまでの助走にこそ、ひとの真実はあるでしょう。


 転んでは立ち上がる、滅んではフェニックスのように復活する。
 苦しみや躓きが先行して、再生するように表現がある。

 竹淵愛留萌、生まれ直しの啼泣の一声として、この個展は記憶されるかもしれません。


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