見出し画像

展示感想:佐藤茉莉 × 浅野井春奈 展「よりしろの耳うち」サンアイ・ギャラリー

サンアイ・ギャラリー開催中の佐藤茉莉 × 浅野井春奈 展「よりしろの耳うち」に行ってきました。

 佐藤さんと浅野井さんは、同級生だそうで、そのつながりから、今回の二人展を企画されたそうです。

 浅野井さんは、今回は、格闘技をテーマにその臨場感を打ち出したような作品をだされていました。


そのデフォルメ感が、構成に表れていてインパクトがありました。木というスケッチブックに、エンピツで、スケッチするように彫り上げた質感が、なかなか良かったように思います。

 佐藤さんは、さまざまな素材を扱う立体作家です。単一な素材から、いろいろなものと出会うことで、なぞるようにモノの本質に触れようとしているのかもしれません。

彼女の作品から感じるのは、そのものの〈あるもの感〉とでもいうものです。

 ファウンデーションに塗りむらが残る化粧や、服のほつれ、飾らんとしても飾りきれない生活感、そんなものが、彼女の表現を支えているようです。


サンアイ・ギャラリーは、日の光がよく入る明るい画廊ですが、虚飾から数歩距離をおくふたりの作品には、似つかわしいと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?