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表現再考:花を結んだ木は、材として、暮らしの費えとなる


いよいよ、大暑の時期です。

暑くなって、桐が、花開く時期のようです。
昔は、娘が産まれたら、嫁入りの際の輿入れ道具のために、庭に桐を植えたと聞きます。

どの程度の資産がある家の風習なのか、とかが気になりますが、成長の早い桐は、木材としても、様々に利用しやすく、身近なものだったようです。

桐の紋は、菊の紋と共に、皇室に縁の深い紋です。豊臣秀吉に下賜された桐の紋も有名ですし、内閣総理大臣の紋章も桐の紋ですし、硬貨にも使われています。身命をかけて支えるものに渡される紋なのでしょうか。
そうはいっても、豊臣家の末路を思えば、清盛ではありませんが、「沙羅双樹の、、、」と栄枯盛衰を思わせる木でもあります。


中国の暦法では、大暑の初候は、腐草為蛍ですが、日本では、腐草為蛍といえば芒種の次候です。生を失っても新しい形で、ひとの暮らしを支える桐を思えば、桐始結花の向こうに、腐草為蛍があるのかしらと、想像したくなります。

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