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物音に、驚かされ

 日曜日、朝から少し走ったのですが、その途中で、お寺に寄りました。

 お大師様に手を合わせていたのですが、カサカサと音がしました。
 風が吹いていたのかと思ってみたのですが、そうでもなく、ただ、そこにいけられたハスの葉の真ん中の窪みに小さな水溜まりがあっただけです。

 カサカサとした音は、気のせいかしら、それとも何かのお知らせかしら。

 わからないものの、いろいろな気持ちを巡らせてしまいます。

 よくわからないまま、また、走り出しました。そうすると、ポッ、そして、ポッと雨だれが。
 でも、気のせいかもと思われるほどでした。

 でも、その、一滴。
 その小さな雫が、さっきの音を作り出したのでしょう。
 そして、大の大人が、動かされた。

 他愛ものない、小さな一滴、それが音を成し、人を動かす。

 そんな、雫のような一滴、その軽さ、そしてその重さ。

 自分の小さな頭の理屈で考えれば、些末な事。でも、その些末を忘れてはならないこと。
 世に流れる言葉の軽さを、体に染みる体験で教わったような感じもしました。


【この町で生まれ、この町で育ち、この町で暮らし、この町で死ぬ】

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