表現再考:草に降りた露が白く光る

 立秋から、処暑、そして白露ともなり、暦の上での秋も、ちょうど半ばです。台風が、列島を通過する毎に、空きが深まり、処暑をすぎて気候も秋らしくなってきました。

 白露の初候の草露白は、寒くなり始めた早朝、草木についた露のことなんでしょうが、驟雨の後の夕暮れの雨露も思い起こさせます。

 今年はどこまで暑くなるんだろうかと思っていましたが、盛んな勢いも、あるところが過ぎると萎んでいく。盛夏も時が巡れば、秋へと変わる。

 風景を眺めていると、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」とついつい平家物語の冒頭を口ずさんでしまいます。

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