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コロナワクチンによる発熱から私が学んだこと

いつもながらに疲れの出始める木曜午後。でも今日を乗り切れば金曜日、そんな午後のひととき。

仕事にひと段落を終えた私は時計を見た。時刻は午後4時。息子が学童保育から帰ってくるまであと1時間ちょっとだ。軽く休憩をとって、さてもう一仕事、と行きたいところだが、どこかいつもよりも少し疲れている気がする。からだに気怠さを感じるというか、何というか。

熱を測ってみた。体温計に37.5℃の文字。

「あー、やられた。」

脳裏に浮かんだ昨日の出来事。
場所は渋谷、コロナワクチン職域接種会場だ。

2021年7月7日 午後2時(発熱26時間前)

駆け込むようにビルに入った。なんせ今日は忙しい。ワクチン接種が終わったら、その足で近くに借りたレンタルスペースへ行ってオンラインミーティングだ。一人でも早く接種を終え、次のミーティングに備えたい。スマホに表示される時刻と睨めっこしながらエレベーターに乗り込んだ。

接種会場内は思いの外空いていた。感染対策も踏まえ、時間枠が小刻みに割り振られているからだろう。2人ほど待つと私の順。会社から事前にメール送付されてきた問診票と保険証、それに自治体から送付されてきた接種券をガサガサとリュックから用意する。

受付を終えてからは一瞬だった。缶詰工場のベルトコンベアの上を進むかのように、あっという間に接種者が生成されていく。私の接種も受付完了から5分後には完了。待機場所でスマホを見て過ごす。

注射した部位には接種直後から違和感が残っていた。痛みが残るとは聞いていたから、まぁこんなもんだろう。インフルエンザワクチンのものと同じようなものか_。心の中でそう呟きながら、15分きっかりで接種会場を後にする。

ミーティングをこなし、その後の勤務をこなし、いつも通りの夕食、就寝。明日には腕の痛みも徐々に消失するだろうか?そんなことを考えながらも眠りについた。

2021年7月8日 午前5時(発熱11時間前)

目覚めはいつも通りだった。変わらぬ時間、変わらぬ体調。しかし、腕には相変わらず痛みが残っていた。改善どころか、むしろ昨日よりも悪化している。これが軽快するのはいつになるのだろう?そんなことを考えながらも、いつも通りの朝のルーティーンをこなした。

午後12時(発熱4時間前)

オンラインで同僚と会話しながらランチした。腕の痛みは変わらず強かった。しかし、熱が出る予兆などどこにも感じていなかった。腕の痛みもさすがに明日には治るだろう。そんなことを考えながら、午後の仕事をスタートした。仕事は捗っていた。珍しくミーティングがない午後だった。前からやりあぐねていた資料作成を一気に片付けた。

そして、午後4時。私は、発熱を認知した。

午後5時(発熱から1時間)

熱は徐々に上昇した。37.7℃。

まずいなぁという予感と共に、別のことが頭をよぎった。

そうだ、この件を発信しよう

目的は、発熱するとどうなるか?を知ってもらうことだ。あくまで副反応を経験した1人の男性の意見に過ぎないが、私の体験を知ってもらうだけでも、今後接種する誰かのヒントになるかもしれない。

すぐさまfacebookに投稿した。今後のワクチン接種への影響も考え、ワクチン名は明かさず投稿した。

熱はさらに上昇しているようだった。これは38℃超えも時間の問題だなと内心感じつつも、息子と妻の帰りを待った。

午後6時(発熱から2時間)

私はベッドの上にいた。発熱により気力が失われ、夕食も食べずに横になっていた。幸いも吐き気はなく、ご飯も食べれそうな状態ではあったが、食欲よりも休息欲が勝る状態だった。何もせず、ただただベッドに横たわり、目を瞑って体を休める。そんな状態の始まりだった。

午後8時(発熱から4時間)

気づくと1時間以上眠っていた。仕事で疲れていたからだろうか。発熱こそあるものの、その他の症状はあまり感じなかった。腕が痛いことを除き。一度起き上がり夕食を食べた。嘔吐を警戒し、消化の良いうどんを妻に作ってもらった。食欲はまったく落ちていなかった。大人一人分の量を軽くたいらげた。

再度熱を測ってみた。38.3℃。
やはり、38℃を超えてきた。ワクチンの発熱には、解熱剤が有効と同僚から聞いていたことを思い出し、家にあったカロナール(一般名:アセトアミノフェン)を飲んだ。(コロナワクチンでの発熱時の解熱剤の服用に関する詳細は、以下等のホームページをご確認ください。)

午前0時(発熱から8時間)

寝過ぎにより背中が痛くなってきたため、一度起きる。解熱剤の効果もあり、少し下がった気もするが、まだまだしんどい状況であるには変わらず先が見えない。金曜の午前中は少なくとも病欠だなとこの時感じた。

2021年7月9日 午前6時(発熱から14時間)

解熱剤の効果か、ピークが過ぎたからか、昨夜の熱は沈静化したように感じた。しかし、どう考えても本調子ではない。相変わらず腕も痛いし、何となく後頭部、首の裏あたりにつまりを感じる。体温は測らなかったが、まだ37℃台の熱はありそうだった。しかし、38℃台の熱はなさそうだったので、カロナールの追加服用はしないことにした。大事をとってこの日は、丸1日病欠することにした。

いつも通り、子供の見送りまでの時間は、朝のルーティーンをこなした。脳を使わない体を動かすだけの作業については作業に支障はなかった。しかし、普段ならやっている、家事中のインターネットラジオ再生は、気分が乗らず(多分疲れるから)しないことにした。

一仕事を終え、8時30分頃ベッドに横になる。

午後12時(発熱から20時間)

途中、配送業者等に何度か起こされつつも、比較的休息が取れた気がした。体調も明らかに回復してきていることを実感。腕の痛みもピークは超えた感じがわかる。

そこで、もともと参加を予定していたオンラインのランチイベントに出てみることにした。意外と普通に会話ができた。あぁ丸1日も休み取らなくてもよかったかな?と思いつつも、こんなタイミングしかゆっくりもできないからと思い、午後もベッドの上で過ごすことにした。

午後4時(発熱から24時間)

何となく体調にまだ違和感を感じるため、再度体温を測ってみた。

37.5℃の表示。

そりゃまだ本調子とまではいかない訳だと納得。何かしたいが何も気が進まないやる気0モード。またベッドに戻ってグダグダと横になる。

午後7時(発熱から27時間)

子供とのディナー。妻の帰りが遅かったので、デリバリーピザで済ませる。1日動かずにも関わらず、食欲だけは落ちることなくずっと好調を維持。

流石に明日には大丈夫だろう。そう信じて、いつもよりも早く9時頃寝床に就いた。

翌朝、全ての悩みは解決し、私は晴れて日常を取り戻した。

この経験から私が学んだこと

前置きが長くなってしまいましたが、経過を包み隠さず記載することが誰かの役に立つと思いましたので、詳細に書かせていただきました。

さて、ここから本題の、「私がこの経験から学んだこと」について書きたいと思います。私が今回の経験から得た学びは次の通りです。

どんなにネガティブな体験であっても、
すべては「ネタ」だと思って向き合え

「ネタにする」と決めるだけで、事態を一歩引いて(つまり俯瞰して)捉えることができるようになると私は思うのです。すると、どうでしょうか?まず、今自分の前に起きている出来事に対して、どう展開させてやろうか?どう攻略してやろうか?という思考が自然と湧いてくるように私は思うんです。

そうすると、次に起きる行動が、詳細なログ取りです。
 何時何分に何をしたのか?
 そのアクションによって、さらに何が起こったのか?
 最終的にどうなったのか?
などをメモするようになります。

すると、それが詳細な治療経過となり、見える化することで、もし自分がシリアスな状態にいたとしても、誰かに詳細を知ってもらうことができるようになるのです。そうすることで、自分自身の治療に対し第三者からアドバイスをもらえることにもつながると思います。

さらに、自分自身のこのネガティブな経験は、これから同じ体験をするかもしれない誰かの役に立つかもしれません

実際私も、自分に今回副反応が起きてから、様々な情報を検索しました。どれくらいの頻度でこういったことが起きるのか?経過はどうなるのか?何を飲めばいいのか?いつまで症状が続くのか?など。

もちろん、最も信頼すべき医療情報は、公的な機関が発表している臨床試験の結果です。ですが、そこに書かれているのは一般論であり、どうしてもリアルが伝わらないという特徴があります。

ですので、私はあえて、私の治療経過を事実ベースで並べる形で公開しました。これが誰かに希望や安心を与えるもの、そして、個々人に起きている副反応を正しく捉え、正しく対処するための一助となるように。

私は自分の投薬や経過の過ごし方が正しかったとは思いませんし、もっと違う方法で対応していれば、もっと早く軽快していたのかもしれないと思っています。ですので、あなたもこうすべきです、なんてことは言うつもりはありません。あくまで事実としてお伝えしたいまでなのです。

今回のワクチンの副反応は、誰にだって起こりうる可能性のあるものです。山中伸弥先生のウェブサイトによると、部位の疼痛は、ファイザー約64%、モデルナ約71%、倦怠感、頭痛、筋肉痛は、両者で約20%、悪寒・発熱は、ファイザー約7%、モデルナ約10%に報告されているようです。これらは接種1回目の状況で、2回目になると、その確率はさらに高まることが報告されています。

ですので、この投稿が、今後不幸にも副反応を経験することになる方の中の一握りの方にだけでも助けになれたらいいなと思い、私は発信しました。そして、そんな私と同じような想いを持って、情報発信される方が1人でも増えればいいなと思います。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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