忘れないための記録~母のこと①

今年の秋は気温の差が激しく、季節を勘違いした金木犀が2度も甘い薫りを撒き散らしていましたね。今日も10月の末だと言うのにまたまた間違えているのか、ほのかに金木犀の薫りを感じる場所があるのです。
甘くて優しい薫り…。胸に目一杯吸い込みたくなります。
決して嫌いな薫りではなく、寧ろ大好きな薫りだったのに2年半前から胸を鷲掴みにされるほど苦しくて悲しい薫りになってしまいました…。

2016年7月、喉の違和感がいよいよ不安になった母がその夏に近所の病院へ。直ぐに大学病院へいってほしいと紹介状を書かれ、一駅隣の大学病院でリンパ転移のある食道がんと診断されました。ジリジリと暑い夏の日に何度も何度も病院へ通い沢山の検査をし、その病院では放射線治療ができなかったので、放射線治療ができる病院を探し見つけてまずは抗がん剤治療のために入院したのが9月の末でした。

初めての入院に心細そうな母…。
とても怖がりで寂しがりの母…。
幸いにも病院の建物は綺麗で明るく、担当の消化器内科の先生も看護師さんも優しく不安は軽減出来ましたが、それでも沢山の不安や葛藤がありました。
その頃、母のお見舞いで毎日病院の入り口へと続く見事なまでにオレンジの小さい花を沢山つけた金木犀の生け垣を通っていた私は、母=病院=金木犀という記憶が頭に染み付いてしまいました。

2016年からの治療もむなしく、母は2019年4月に亡くなりました。
忘れたくなくて、いつかここに書き留めようと思いアプリをいれたこのnote。
2年半もたってしまったけれど、ポツポツ書き始めたいと思います。

同じような気持ちのかたと悲しみや後悔や淋しさを分かち合えたらと思います。

#母ロス   #金木犀 #金木犀の香り

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