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学びの質が変わってきた実感と変わらない実感

履修している科目に「内科学演習」というのがあります。
内科学ってのは専門学校の時にはない科目だったんですけど、
実は「ない」ってわけではなく、
専門学校の時で言うと「臨床医学各論」という科目の中の、
内科疾患だけを集中的に学ぶのが「内科学」で、
専門学校を卒業してるワタシは本来は大学の必修科目である「内科学」は臨床医学各論の単位が認められたので、
あなたは受けなくて良いよと。
でも、内科学演習」ってのには「演習」ってのがついてるでしょと、
これは、必修科目として学びなさいよ。
ってのになります。

んじゃ、その「演習」ってなによ?
って思うじゃないですか。
思ったんです。
で、ちょっとビビってた。

例えば、
「音楽」って授業があったとして。
机座って音楽の歴史を習うってのはつまんなくてもOKで。
もうワタナベさんは音楽の専門学校出てるから、そこんとこは受けなくて良いですよと。
でも、「音楽演習」はちゃんと受けてもらうことになりますからねって感じ。

(はー。演習ね。ん、演習っすよね。)
(てか、演習ってなん?)
(なんか、やっぱ、歌わされんの??)
(アァー♫ アァー♫ アァーー♫ってやんの?)
(てか、音符って習ったけど、、、)
(なんか、やらされんだろな。ん。なんか、やらされるぅ。。)
みたいなのの内科学バージョンだとしたら、
(こ、こわい。。)
って感じで。

専門学校ん時は机に座って臨床医学各論の先生の話を聞いて、
消化管疾患、循環器疾患、呼吸器疾患とかってのの、
具体的な病名から、
症状、疫学、治療法、予後なんかをブァーっとやるわけです。
ま、やったわけです。
で、きっとその「やった」ことに基づいて、
(なんか、言わされんの?急にとかで指されるの?)
(なに?なんなの?)
って、ま、そこまでビビっちゃいませんでしたけど、
少なからず音楽の授業のテストで先生のピアノに合わせて、
ひとりで歌わされるみたいな日の朝くらいなビビり方はしてました。

これが、
なかなか面白いのです。
(あ、演習ね。演習だわ。)
って感じが、理解できた。

先生は内科のお医者さんです。
その先生からA4サイズのプリント5枚程度の資料が配られます。
そこに示されるのは、ある患者さんを想定した言ってみればカルテのようなもの。
・患者さんの年齢、性別
・主訴(→患者さんの訴える自覚症状)
・他覚所見
 ①視診・触診(→お医者さんからみてどうか)
 ②血液・尿の生化学検査結果
 ③その他の所見(X線、超音波、CT、MRIなど)
こんなところが示されてます。
これによって、レポートを書きなさい。
って授業なんです。
そのレポートにまとめることは、
・この患者さんの病名は何か。
・この患者さんの病態を示せ。
・どんな治療法が行われているか。
ってあたりをですね、同級生3人でグループになって、
まずは授業中に血液検査の異常値なんかをみんなで洗い出して、
調べる範囲をそれぞれに分担したら持ち帰って、
翌週の授業までに、レポートを提出しなさい。
って授業。
そのレポートと先生の解説や質疑応答やらで、
ひとつの症例で2週間やるんですけど、
昨日ので第5症例までやってきました。

この科目で、初めてこのお題もらった時は、
(おんもっ。。)
って膝から崩れそうになりました。
(へ??こんなの持ち帰って、、みんなで相談して、れ、レポート??)
(おんもっっ!)
って思って、課題の重た過ぎることを表すために、
先生が「じゃ、来週までね、ちょっと頑張って、ね、レポートを提出してください。」
って明るく伝える言葉に、
うつむいて、絶対に先生には聞こえない声で、
「はい」って、ふてくされた51歳を表現したのを今も覚えてるんですけど、
これ、いざ、やってみると、
止まんなくなるって言うか、調べたくなっちゃうんです。

第5症例は
慢性肝炎から肝硬変に、最終的には肝臓がんに移行して亡くなってしまう患者さん。
だから、今回は病名を見極めるってのはレポートの課題になくて、
それぞれの疾患を教科書やネットなんかを使って調べて、
その症例の患者さんにどう当てはまってて、
適切な治療は何か。
そんなこと調べたり、まとめたり、書いたりする時間を週のどっかにちゃんと作って、
ワタシの場合は学校の図書館で
ポチポチとかカリカリとかパチパチとかでゴリゴリするんです。
これが、なかなか集中するんですよね。
やり始めると。
ふてくされてたくせに^^;

これ、なんでかな?
って自分でチラッと脳みそ動かしてみて、すぐわかったんですけど、
どの症例を調べたりしてるときも、必ずです。
人が頭に浮かんでるんです。
多くは友人や知人。
少ないけど、芸能人も。
大腸がんを疑う症例の時は渡哲也さん出てきましたね。
確か人工肛門とかだったなと。
渡哲也さん浮かんでるけど、大腸がんは女性がなりやすい癌だったなとか。
以前に学んでたことと、今調べて思い出すことと、
改めて理解することとが交わる中に、
渡哲也さんいるんですよね。

もう、そうなると自分が舘ひろしになっちゃった気分で、
世話になった人のために大腸がんを学んでる男前の俳優なっちゃう。
バカですけど、
これが、慢性閉塞性肺疾患の症例なんかだと、
タバコを愛しちゃってる友人を思い浮かべたりして
(ほーー、そっかー。。)
って、ゴリゴリの最中に結構とフムフムしちゃうわけです。

これ、
(資格とったんだよな。)
って実感でもあるんですよね。
近くなってるんです。
学びが。
病が。
テストのためじゃなくて、
誰かのためにって感覚でインプットしてアウトプットしてる。
学びが人に近くなってる実感。

これぞ「演習」なんでしょうね。
ただ、
まだ資格を取ってない共に学ぶ2人の同級生。
これから国家試験を受ける同級生。
重いだろうなぁ。
って思うんです。

でも、
でもなんですよ。
20歳を超えたばかりのその2人。
先生の前でふてくされてたりはしませんでした。
ったくですね、
生意気なことを書きやがるくせに、
先生の前でふてくされる51歳。

今日はそんな症例をご紹介させていただきました。

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