【たかだか言葉一つだけど、“卒業”はどうだろう?】
断捨離、手放す、ときめき、…。
どれもしっくり来ないなら、“卒業”はどうだろう?
断捨離、だとなんか断腸の思いでさよならを言わないとならないようで、気持ちの柔らかい人だと金属たわしで傷つけられたような感覚になるかもしれない。
手放す、だとなんだか繋いだ子どもの手を無理やり離されたような気になるかもしれない。
ときめき、だと旦那とときめくこともなくなった枯れた私を感じてしまうかもしれない。
というか、ときめきなんて、15で無くなったわ、くらいのときめきに鈍感になっているかもしれない。
鈍感力の五木寛之さんもびっくりな感じ。
で、提案なのだが、《卒業》という言葉はどうだろうか?
なんだか涙ながらでも、次のステージに上がっていくようで、今まで頑張ってきた自分を讃えながら別れられるようで、…如何だろうか?
小学校の時に使った鉛筆は、中学生になればシュープペンに代わった。
それまで散々必要だった鉛筆は、美術の時間に色鉛筆を使うくらいで、出番がなくなるわけで。
ハーモニカだった音楽の授業は、高学年でソプラノ縦笛になり、中学ではアルト縦笛に代わられた。高校では音楽が選択になり、楽器に触れることもなくなった。
そうやって、私達は次から次へとその年や科目によって使う物、用意するものが変わる。
三輪車だって、幼稚園に上がる前に卒業だ。
どれもこれも、愛着があっても、体格や能力が変わればそこから離れていく。
そうやって私達は大人になった。
が、大人になると何故か《卒業》から遠のく。
その象徴みたいなのが、片付けられない部屋。
時間と引き換えに得たお金で、子供の頃叶わなかった《モノ》を留めるように買い込む、買い込む、買い込む。
でも、大人だからって《卒業》という節目を作ってもいいと思う。
例えば、就職、転勤、引っ越し、同棲、結婚、子育て、病気、介護…、そんな節目は目で見えるけれど、そして、ある意味強制だけど、定期的に私達は自分で脱皮の時を持っても良いと思う。
なんせ、大人だから。好きな時に《卒業》時期を決めても良いと。
それでもやはり後ろ髪引かれるならば、《卒業》行動の時はBGMで気分を上げるのはどうだろう。
それもエンドレスで、もしくは、MIXで。
卒業といえばズバリ、尾崎豊の『卒業』
「汚部屋からの卒業!
(モノとの)闘いからの卒業!!」
と熱く気持ちを込めながら、45ℓのゴミ袋にざんざんと入れていく。
それが嫌なら斉藤由貴の『卒業』
卒業式で泣かなくても大丈夫、
少なくとも世界で確実に私はあなたの味方です。
私も泣くタイプでなかったから、あなたを“冷たい人”とは言いませんから。
《涙》は取っておいて、モノとは卒業しましょうか?
えっ、松田聖子の『制服』がいい?
良いですよ。
そう“失う時初めて眩しかった時を知るの”とはよく言ったものです。
さすが、松本隆さん。
失う時初めだった時、つまりそれが手元に来たばかりの頃が一番ピークだったことが判明する、ということですよね。
買ったばかりの頃は、そのモノへの関心が一番高い時ですもんね。
使い倒して上げなかった私の記憶が蘇ってきて、後悔しますよね。
それはまるで、大奥に上がったは良いものの、美しい女人ばかりで、将軍様に目もかけられず、気付いたらお褥下がりの年になって、もう何の為に大奥に来たのやらの人生で終わる。
そう、あなたのパントリーで眠っている、引出物のお皿ですよ。
折角、お城(あなたの家)に上がって、「なんかちょっと可愛いから、出番あるかも」と思って部屋(棚の一部)を与えたけれど、どんどんと入ってくるニューフェイスに忘れ去られた、あのお皿ですよ。
怖いですねぇ、ホラーですねぇ、どこのうちにもありそうな話だから、余計に怖さが増します、って淀川長治さんも天国で解説しちゃいますよ。
おっと、気分を上げるBGMの話が、気分を下げてどうする。
もうこうなったら、王道の『仰げば尊し』で攻めましょ。
「今こそ、わか〜れめ〜
いざぁ、さらぁぁば〜🎶」
最後の“いざさらば”が背中を押してくれます。
トドメは、作業も終盤となる夕方に『蛍の光』などをかけるのはどうでしょう。
パチンコ屋でもデパートでも紅白でもお馴染みの、日本国民なら刷り込みに刷り込まれている、明日は今日の延長のはずなのに、12/31となると1/1は別のものとなって何故か連続性がなくなるという、全て無かったことにできる国民性を活かしての片付け盛り上げsong。
気を重くする言葉を選ぶより、こんな風に妄想を働かせられる楽しいお片付けにしていってはどうだろうか?
きっとあなたはあなたの盛り上がり方がある。
片付けの順序だってあなたなりのがあり、片付けたい理由もあなたなりのがあるように。
言葉で盛り上がるもよし、応援songで盛り上がるもよし。
片付け終わっての、ご褒美ケーキ🍰で盛り上がるもよし。
(卒業証書を用意するのは?とご提案したいところだが、また物が増えるので、控えた。)
そこから始まるお片付けもあると思う。
苦手な事や億劫な事は、“自分ができる”なら、どんな形でも、ネーミングでも採用して、まずはやってみるは如何だろうか?
あっ!菊池桃子の『卒業』もあった!
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