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恋愛観:破 ジンクス

 恋愛観第二回。前回は初めて付き合った人と初めて告白した人のお話でした。今回はその後の事を絡めて恋愛観についてつづっていきます。

 それから2、3人ほどお付き合いをしましたが、一瞬で別れたり3年で別れたり悲喜こもごもでした。いくつか恋愛を重ねても根幹にあるのは「嫌われたくない」でした。どれだけ熱烈に愛されても、本当には信じられません
 どこか疑っていて、いつも怯えていた。そういうのは相手も疲れてしまいますよね。『そういうのウザい』と言われ振られました。そらそうだ。

 そんな折であったのが今現在も付き合っている彼でした。
 身を焦がすような激情があるわけでもなく、微かな恋の予感と同時にでも結局ダメかも。という諦めもありました。
 ここで一つジンクスについて紹介しておきましょう。
 私が好きになる人はある傾向がありました。
・名前が四文字
・メガネ
・11歳上
 今まで好きになった男たちは怖いくらい合致します。メガネについては狙っているから当然なのですが、名前四文字と11歳上というのは一体何なんでしょう。その彼について名前とメガネはクリアしていましたが、11歳というのはかすりもしませんでした。それどころか3つ上で当時29歳という若さ。年上好きとしては物足りない年の差です。年上好き界隈って、年が離れてれば離れてるほど強い みたいなところありません? 歳の差そのものが戦闘力みたいな。何と戦っているのかは不明ですけど。
 そういう状況があるにも関わらず、待ち合わせに遅刻しなかった というだけでああこんな人と付き合えたらいいのに と思ったことをよく覚えています。そのうち30代になるし、という思惑もありつつ。
 実際付き合う直前もあんまり好みじゃないお店に連れて行かれたり、部屋が洒落にならないほどの汚さだったり、付き合うかどうか一瞬迷いました。それでもまあそんなことは後から考えたらいい。どうせ振られるのだから。
 それが最後のジンクス、
・3年で振られる
 でした。


 付き合ってからもあらゆることに価値観が合わず、小さな衝突は度々ありました。一番大きかったのは元彼とのつきあい方です。私は別れる経緯から常に嫌いになっているので元彼と連絡を取るなんていうことは一切ありません。しかし彼は違っていて、直前に付き合っていた相手と会うことがあり、それを報告してきました。今となれば彼の性格からただただありのままの状況を報告してきただけだったことは分かるのですが、当時はそんな余地はなく「なんでそんなこと言ってくるの?」と腹を立てました。
 憎くて別れたわけじゃないとは聞いていたので「それって未練なんじゃないの?」と一丁前に嫉妬してみせたり。彼自身も自分の過去を否定されたと思ったらしく、珍しく強い口調で反論してきました。
 食べ物の好みも違う。音楽の好みも違う。好きなお店も、生活スタイルも、育ってきた環境も違う。これはもう3年待たずに駄目だなといつも考えていました。けれど、このままで良いのか? 何も理解しないまま、理解してもらえないまま終わって次を探すという不毛な事を繰り返すのか? と。
 まずはその「違う」を知ることから始まりました。その上でこれはやめて欲しいだとか、これはこうしたいだとか、一つ一つお互いにすりあわせていきました。なんだかんだ僕の好みに合わせてもらっている感じは否めません。特に食べ物についてはこちらの要望に合わせてもらうことが多いです。どちらかといえば私が料理を作る担当なので主導権を握りやすいというのと、彼のほうが無頓着なのでだいたいのものはおいしく食べてくれるからかもしれません。(口出しは結構されます)
 そうすることでお互いの「これはいい」「これはだめ」という線引きが見えてきます。私が彼と付き合う中で学んだことは「彼は思ったことをそのまま言うので、言葉の裏を考えなくていい」というところです。彼は「ただ元彼と会う」ということを友達と遊んでくる と同じ感覚で言っていました。しかし人間不信の私は言葉の裏を読み「何か未練があるのではないか? やましい気持ちがどこかにあって、それから逃れるために伝えてきたのではないのか?」と疑いました。そうではない事は分かったものの、極力元カレとの良い話については聞きたくない という事を伝え、それを了承してもらいました。

 彼と付き合って、私は今までかつての彼らとまったく向き合ってこなかったんだと気付きました。変に我慢したり、相手に合わせ過ぎたり、それでいて本当は我慢している事に気付いてほしくて、でも気付いてもらえないからへそを曲げて。自分の意思はなく、ただただ相手の顔色を窺って流されるままでした。そりゃ、付き合いたての熱が冷めれば何も残りませんよね。付き合っている意味なんてない。
 ちゃんとこうしてほしいと言えば良かったんです。クリスマスに他のゲイとディナーに行ってほしくないと。自分の話ばかりじゃなくてこっちの話も聞いてほしいと。言って変わるかはさておき、自分の気持ちを知ってもらうよう伝える努力はするべきでした。
 価値観が違うなんてことは当たり前すぎることで、最低限の譲れない部分があってさえいればきっと何とかなるはずです。もちろんお互いに柔軟に対応するという姿勢があればですけれど、それは如何様にも変わっていくもの。受け入れられるところは受け入れ、変えられるところは変えていく。それが恋愛に限らずどんなことでも大事なのだと改めて気付かされました。

 ともかく私のジンクス、3年で振られる は無事破られることとなりました。案外「もっと年上じゃなきゃ」という思い込みが一番良くなかったのかもしれないですね。

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