人生の往路と復路

人間は善い人間になろうとして成長していく。そしてそれが行き着く所まで行くと、今度は折返し、スタート地点に戻らなくてはならなくなる。帰り道は自分の中の悪い部分を認めていく。善い人間になろうとした前半と逆の道を行く。そして自分の中の悪い部分を全て認められるとゴールとなる。多くの人達は折返し地点からスタート地点に戻りたくなくてそこにとどまろうとする。自分の中の悪い部分など克服したと思っているからだ。そして他人の悪い部分も認めない。人間が善だけで完成しないのは善だけだと他人を許せず自分もきゅうくつになってしまうからだ。人間には悪の部分が必要なのだ。悪の部分を往路では捨て、復路では拾う。でもそれは中々難しい。簡単に言えば執着を捨てるだけだけれど、人生の行きと帰りではやる事が真逆になる。自分が否定してきた事を肯定しなくてはならなくなる。そして自分も他人も許さなくてはならなくなる。そこが難しくて折返し地点で立ち止まってしまう。

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