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眠りかけの夜の散歩

雨上がりの匂いは
土の湿った香り

アスファルトの上を
滑るように流れていく

誰かを待つタクシーのランプに
夜は眠りかけの早い湿気を教えてる

薄く唇を開けて息を吐いて
息を止めずに肺に新しい息をする

踵から伝わるものは
つま先から抜け出した自分

そこにいることばかりを
認めて欲しい自分

止まることができずに
揺れる悲しい気分

眠りかけの虚いは
足音が遠ざかるのを聴いている

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