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#一日一詩 2022年3月のまとめ

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2022年3月のまとめ
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2022年4月の記事一覧

【一日一詩】 流れ者のうた

俺は流れ者 宿なしのブルース 故郷の河にはもう帰れない 冷たい海に漕ぎ出した 荒れた波に流さ…

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もぐもぐ

きたきた 見て見て おいしそう 焼けた焼けたよ さあ食べよう もくもく煙りの もぐもぐ時間だ …

3

夜バスが誘う

高速道路を走るタイヤの音が 浅い眠りの切れ目を消す 冷え切った窓にもたれかけ 光のリズムを…

8

【一日一詩】 特別な場所

洒落た都会の映画館でも 田舎の寂れた食堂でも そこにあなたがいなければ そこは特別な場所に…

7

【一日一詩】 つまらぬ別れ

その出会いは運命だと 思い込んで自分を騙し 笑っていたのも偽りか 傷つくこともない 上辺だけ…

5

【一日一詩】 峠を越えて

透き通る瞳が見つめる 峠の向こうには 新しい自分が待っている だから大地を踏みしめて 登っ…

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【一日一詩】 落ちてきた空

大きなお空が落っこちた おお恐ろしい おそれみよ 落ちたお空はどうなった 大きな海に落っこちて 海がお空になっちゃった お空はそのあとどうなった 大きな穴が空いちゃって のぞいてみたらカラだった カラのお空に水入れて 小さな船を浮かべたら 大きな海になっちゃった 大きなお空は大きな海に 大きな海は大きなお空に 空カラ 海カラ 落っこちた

【一日一詩】 ベビーカステラの散歩道

祭りが終わった後の 誰もいない神社の参道は 石畳が冷ました喧騒がまだ残る 発電機の振動 子供…

3

【一日一詩】 神の子

星が生まれた 新しい星が 真っ暗な闇の中 輝く小さな光 息を吹きかければ 消えてしまいそうな…

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【一日一詩】 のんびり行こうよ

夏の浜辺を漂う風に合わせて のんびり行こうよ ここに来るまで 急ぎすぎたみたいだ ほら 雲が…

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【一日一詩】 地の果て

この先から生まれる命 神の世界に触れる奇跡 ただ流れゆく雲と 湯気を吐く頂を鏡に写し ふた…

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【一日一詩】 白鯱

白波に溶けて姿を隠す 静かな海の狩人は 音を立てずに仕留め去る 哀しさも虚しさもなく 本能の…

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【一日一詩】 風蓮

風に揺れる蓮の葉が くるくる回って踊り出す 踊っているのか 踊らされているのか 冷たい風が…

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【一日一詩】 格子

閉じこもった部屋の 格子から見える景色 風に吹かれ踊る防風林 じっとして耐えるだけの冬 白い世界に埋もれる 暗闇に灯す小さな火 区切られた四角の外は また私と同じ景色を 見ているのだろうか 閉じこもった部屋の 格子から見える景色