売れば「カネ」になる

私が農産物を生産販売する会社に勤めていたときのことを書きます。

私が勤めていた当時、会社では毎月一回に全体ミーティングを行っていた。ミーティングは、社長自らが社員を集めて、会社の経営状況の報告や新入社員の紹介を行うという内容のものだった。

私が、辞める直前のミーティングで社長さんから経営状況について以下のようなことを話した。

「今期はなんとしても赤字は回避したい。そのために、虫食いや病気にかかっている葉物も出荷したい。とりあえず、売ればカネになる。ここは私の言うことを信じてほしい」

社長含め、経営幹部はいろいろ考えて迷ったあげくに決めた最終判断だと社員に話した。

社長が社員に頭を下げてこう言った。
「せっかく私たちが美味しい野菜を必死になって作る努力を裏切り、美味しい野菜を買ってくれるお客様に対しても裏切ってしまうことになる。本当に申し訳ない。」

本当にこんなことして大丈夫なのか....と思った。

いつも買ってくれるお客様の信頼を無くす発言。

「売ればカネになる」

お金は人に喜んでもらった対価としていただくものであって、赤字を回避するためにいただくものではないと思っている。

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