TES vs IGの感想(LPL 2020 Spring W3D6)

はじめに

 IGに関しては説明不要でしょう。2018年WCSの世界王者であり、中国が世界最強地域として名乗りを上げるきっかけとなったチームです。
 今シーズンではADCとSupportが元VGのbot duoと入れ替わっていますが、ここまで安定した動きを見せており、開幕から5連勝しているチームの屋台骨を支える存在となりつつあります。
 果たしてTESの付け入るスキはあるのでしょうか。早速見ていきましょう。なお、本記事は下記の動画を参考に作成されています。


1戦目

 TESはあまり良いところがなかったyuyanjiaからQiuQiuにメンバー変更を行っています(単純に今の世界情勢の影響からチームへの合流が遅れただけかもしれませんが)。それではBAN/Pickです。

無題

Jayceを入れてくる辺りとてもIGらしい構成

 Aphelios vs 断食Sennaというわかりやすい構図。IGのSupportがここ最近見ていないKarmaを選択しているのが気になります。
 個人的には、Rookieが使って大暴れしたLucianをBANしたくなる気持ちはわかりますが、Aphelios空けて本当に良かったのか気になるところです。
 試合の方見ていきましょう。

無題2

動画の0:35~。TheShyのRumbleは早めに潰すのが正解

 序盤から良いGankが決まります。Rumbleはそこまで逃げ性能が高くないかつ、序盤はとにかくお金が欲しいチャンピオンでもあるので、こういったプレイは非常に重要です。みなさんもRumbleをTopで見かけた時はとりあえずGankしてみることをおすすめします。
 これによりTESのいい流れになったなと思ったのもつかの間、3回目のTop Gankは綺麗にカウンターされ、続くmid GankもRookieとKnightが相打ちとなり、一気にRookieが育つ展開に。

無題3

動画の1:29~。世界王者の集団戦は一味違う

 IGのすごいなと思うところは、誰かが少しでも相手より育ったらその優位性を最大限活用してタワーにプレッシャーをかけ、少しでも相手が集まったら集団戦をけしかけに行く思い切りの良さが、他のチームを圧倒していると感じます。
 ただIGは、99%負けるけど1%は勝つ見込みがあるみたいな集団戦でも思い切りの良さを発揮し突っ込んで行くので、見ている方からすると心臓に悪い場面が多々あるのもこのチームの特徴の一つです。

無題4

動画の3:13~。この状況からでもオールインするのがIG

 その後も、IGに食らいつきはするものの序盤のゴールド差とタワーの差で逆転まではいけないTES。そんな状況を打破したのがKarsaでした。

無題5

動画の5:02~。頼れる男karsaの素晴らしいUlt

 このワンプレーにより集団戦に勝利したTES。Apheliosに3キル取られたもののバロンを確保し、試合の流れは一気にTESに傾いたと思いました。
 そうですこの流れならTESいけるなと思いました。しかしApheliosにキルを取られることがどうなるのか、この後思い知らされることになります。

無題6

動画の6:50~。この状況から勝てるAphelios強すぎる・・・

 この集団戦を見た時私は色々と察しました。やはりSenna共々ApheliosはBANしたほうが良いと。下手にApheliosのカウンター構成!みたいな事をやりだして勝てるのはC9くらいだと。ここまでのApheliosにキルが入ってからの大暴れを見るとそう感じました。
 それでもまだIGの事なので、やられた方もそれ突っ込んできます?と思ってしまうような特大Throwをかましてくるかもしれないと希望を捨てないで見ていましたが、その時は訪れてしまいました。

無題7

動画の7:50~。集団戦敗北まで3秒前の瞬間

 正直な所、なんでSupportがKarmaなんだとずっと思っていたのですが、こういうことだったのかと腑に落ちた瞬間でもありました。クレンズとシミターを持ち、KarmaのシールドもついたApheliosを突破することは不可能に近く、おまけにMSも上がっているので大暴れ。
 こうしてみるとIGの構成的にも、Karmaとシナジーのある構成だったなと思えます。IGの構成上どうしてもZacが孤立しがちなので、その穴を埋めるべく全体にシールドとMSを与える事ができるKarmaが結果としてベストな選択肢だったなと思います。

2戦目

無題8

色々と察してしまったBAN/Pick

 どのチームも一度はこう考えるんですよ。「TheShyもしくはRookieのJayceにしてやられた・・・。そうだ!こっちでJayceを取り上げてPoke構成でIGに対抗するぞ!」と。
 ではこれをやったチームはどうなったのか?2018年世界王者になったチームがどこだったのか考えれば、自ずと答えはわかります。
 注目はNeeko。パッチ10.5でなかなかのバフをもらったチャンピオンではありますが、今後出てくることが多くなるかどうかはこの1戦次第でしょう。

 さて話をJayceに戻しましょう。TheShyの対面にJayceを使ったプレイヤーは大体こう思うことでしょう。「あれ?CSも取れないしレーンもめっちゃきついんだけど」と。
 世界で最もJayceを上手く使いこなすプレイヤーTheShy。当然ながら対面にJayceが来たときの対処法も熟知しているこの男。安易な考えでJayce取り上げなんてやるとこうなるんだぞという事をこれでもかと教えてくれます。

 そしてIGがそのスキを見逃すはずがありません。開始7分でIGはこのゲームを終わらせに来ました。

無題9

動画の9:48~。こうなると最早取り返すことは不可能。

 Jayceというチャンピオンは序盤のレーニングを圧倒することで初めてその真価を発揮するのですが、CSとレベルで差をつけられ、挙げ句にダイブされてキルを献上すると、残りの時間なんの役にも立たないチャンピオンに早変わりです。
 おまけにチームがAPなしのPoke構成を取っている以上、Jayceが育つことが勝つことの必須条件である為、Jayceがコケた時点でゲームセットです。Neekoがどうこう言う前に終わってしまいました。

 一応IG相手なので、TESもそれなりにキルは取れるのですが、TESはキルをとっても取れるオブジェクトが無い一方、IGがキルを取れば確実にオブジェクトを持っていく為、見かけのキル差以上に資金面で差をつけられ、何もできずに敗北を喫することとなりました。

さいごに

 結果を見れば、元世界王者との実力差を見せつけられてしまったなと言う試合でした。
 Rookie vs Knightという構図でしたが、今回はRookieに軍配が上がりましたね。
 正直な所今いちKnightの調子が上がりきっていないなと思ったりもしますが、QiuQiuも合流した今、ここから調子を上げていってほしいところです。ここまで読んでいただきありがとう御座いました。

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