TES vs FPXの感想(LPL 2020 Spring W7D8)

はじめに

 LPL 2020 Springシーズンの最後を締めくくるのは、スーパーキャリーDoinb率いるFPXとの一戦です。
 2019年のWCS決勝戦にてG2を破り見事ワールドチャンピオンに輝いたことは記憶に新しいですが、開幕こそ本調子ではなかったものの、今シーズンも上位に君臨し、間違いなくプレイオフでTESの前に立ちはだかるチームとなるでしょう。
 
 一方のTES、かつてはKnightだけのチームと言われましたが最早過去の話、早くもチームに馴染んできたJackeyLoveを始め、ついに世界を狙えるメンバーが集まったと私の中で今熱いこの状況、今日の試合も勝ってプレイオフに向けて絶好のスタートを切りたいところです。
 それでは試合の方みていきましょう。なお、本記事は下記の動画を参考に作成されています。

1戦目

 まずはBAN/Pickから。

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TrundleがBANされる時代になるとは想像もつかなかった

 思い返せばパッチ10.4が始まった当初、EliseやOlaf、Lee Sin等のドラゴンやヘラルドを取りやすいJungler達がOPだというところから始まり、いつの時代も強いJarvanや、どんな状況でも集団戦を引っくり返す力を持つGragas、その他ReksaiにSejuaniやKindred等様々なJungler達が出てきました。
 そんな並居るチャンピオン達を押しのけ春のシーズン最後に頂点に立っていたのがTrundleとは誰が予想したでしょうか。これには流石のトロールキングもびっくりです。

 両者のPickですが、ここまでのシーズンの集大成のようなPickだと思います。反面目新しいPickは無く、隠し玉はプレイオフのお楽しみといったところでしょうか。
 どちらかというとFPXがmid game向けの構成で、TESがlate game向けの構成といった感じに。前置きはここまでにして早速試合の方みていきましょう。

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動画の4:48~。相変わらず鋭いイニシエートをする男Karsa

 試合の方は、脅威VarusやLee Sinを始めとしたmid game構成であるFPXがどうしても有利な状況となる中、オブジェクトも資金差も大きく離される事無く、脅威Varusのパワースパイクが落ちてくる終盤戦に突入した段階。
 まさかのJackeyLoveがBlitzcrankのグラブに捕まってしまうところから始まったこの集団戦、Karsaが鋭いイニシエートを決めるも、またもやBlitzcrankの神グラブが決まりMiss Fortuneが落とされ、Knightだけが取り残される状況となります。
 しかしこの集団戦に至るまでにバッチリKnightは育っていました。1vs3も何のその、Lee SinのGAを落としながらそのままキルまで持っていく暴れっぷり。
 このKnightの活躍で、3体目のドラゴン及びバロンを獲得し、一気にFPXとの差が縮まります。

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動画の8:30~。最後まで頼れる男Karsa

 試合はまさかの50分台に突入。完全にパワースパイクを超えてしまったVarusがいるにも関わらずここまで粘れるFPXというチームやはり強いですね。
 TESとしては誰でも良いのでThreshのQが当たれば勝ちというような状況ですが、最後の一つが決まりません。
 そんな中、突破口を切り開いたのはやはりKarsaでした。冷静にGragasのウルトからLee Sinを味方の方へ吹き飛ばし、難なく落とすことに成功。誰か一体でも相手のチャンピオンが落ちれば勝てるというこの状況、ロングゲームとなったこの試合の中最後まで集中力を切らさなかったKarsaの一撃でこのマッチをものにすることが出来ました。
 見ている方は最後までハラハラドキドキでしたがまずは1本です。次の試合に行きましょう。

2戦目

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勝負の行方はJackeyLoveの手に託された

 TESは一戦目はBANしたRenektonを空け、代わりにApheliosをPick。FPXはそれを受けてRenektonとEliseをPickし、予測可能回避不可能GankをTopに仕掛け、主導権を握ろうという考えです。
 ここまでとても調子の良かったSylasではなくSyndraをPickしたのは、単純にSylasが奪うウルトにあまり有効なものがないチャンピオンをFPXがPickしているのもあるのですが、Doinbがmid Renektonとかやり始めるのを警戒する意味もあったのかなと思います。
 BAN/Pickの段階では若干TESに軍配が上がったかなという感想です。試合の方見ていきましょう。

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動画の9:28~。KnightのTPがこの試合の明暗を分けました

 試合開始から約3分経過時点、早くもこの試合のターニングポイントとなるシーンが訪れます。
 FPXは予想通り予測可能回避不可能GankをTopに仕掛けてきます。それを読んだTESは、Reksaiのレッドバフスタートをbotの二人が全力でサポートし、最速でTopの草むらに待機します。
 想定通りEliseがGankに来ますが、レベル差もある上にOrnnとReksaiでは火力が足りません。このまま逃してしまうのかと思われたその時、即座にKnightがTPで駆けつけます。結果見事なカウンターで逆にEliseをキルし、ファーストブラッドを獲得しました。

 このファーストブラッドによりFPXの目論見が崩れ去り、逆にTESにとっては後半Apheliosのコアビルドが完成する時間を一気に稼ぐことができました。
 序盤の主導権を握れなくなったEliseを他所に、その後もTESは順調にオブジェクトを獲得していきます。
 そしてこのゲーム最大の見せ場である次の集団戦に繋がります。

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動画の11:17~。冷静に敵のイニシエートを避け火力を出すJackeyLove

 試合は終盤戦に差し掛かろうかというところ。TESはドラゴンソウルにリーチがかかっているのでFPXは全力で阻止しようとしてきます。
 ほぼ完璧なRakanのイニシエートからAzirが即座に突っ込んできますが、これもまた見事なステップでAzirのウルトを避け、他の味方がフォーカスされている間に最大限の火力を出し続け、見事エースを獲得。
 これがワールドチャンピオンのADCの立ち回りだぞということをまたしても我々に見せつけてくれました。

 この後バロンまで悠々と獲得し、一気にFPXと資金差をつけることに成功したTES。そのままネクサスまで破壊し、このゲームも勝利することが出来ました。

さいごに

 これぞLPLの上位チーム同士の試合だと言わんばかりの手に汗握る展開の連続だったと思います。
 お暇な方はぜひともハイライトだけでなく試合の最初から最後まで見ていただきたいと思います。

 そしてこの試合FPXに勝利したことにより、ついにプレイオフの順位が確定しました。

画像7

 最後の最後で4位に食い込んだTES。しかしプレイオフ進出を決めた残りの7チームはどれもこれも強敵揃い。
 ワールドチャンピオンが2チームもいる上に、あのEDG、RNGが一番下のブランケットからスタートする大混戦。
 やはり本命はIGですが、どのチームが優勝してもおかしくない程のLPL始まって以来のハイレベルなプレイオフです。ぜひとも今回のプレイオフお見逃し無く。
 ここまで読んでいただきありがとうございました。

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