TES vs OMGの感想(LPL 2020 Spring W4D7)

はじめに

 対戦相手のOMGは中国リーグの黎明期から存在し、世界大会の舞台にも何度も出場している名門チームです。Smlzを始め、ColdやIcon等の長年中国リーグで戦ってきたベテラン達を中心に構成されており、中国リーグを代表するチームの一つと言っても差し支えないでしょう。
 そんなOMGはここまで5勝3敗とまずまずの勝率。TESと同様この一戦は勝っておきたい試合となります。
 前置きはこれくらいにして、早速試合の方見ていきましょう。なお、本記事は下記の動画を参考に作成されています。

1戦目

 まずはBAN/Pickから。

無題

Karsaを警戒しつつ自分たちのやりたいPickをしてきたOMG

 流行りの断食Sennaですが、レーンが強い、ヒールができる、Supportを通常より育てることができる等様々な事ができる反面、ApheliosやMF、Varusといった他のADC達と比べると、どうしてもDPSの面で見劣りしてしまいます。そこでTopにAatrox、MidにEkkoをPickし、後半もダメージを出せるチャンピオンを一緒にPickすることで、バランスの良い構成にしてきたなという印象です。
 一方のTESは・・・ぶっちゃけてしまうといつものPickというところ。しかしQiuQiuならばどんなチャンピオンをPickしても存在感を出してくれるだろうという期待があります。私の中でここ最近QiuQiuの評価がうなぎのぼりです。
 それでは試合の方見ていきましょう。

無題2

動画の0:20~。KnightのZoeは安定感抜群

 いきなりTESにとっては美味しい展開に。J4のGankミスを見逃さずKnightが冷静にファーストブラッドを獲得。
 TESの勝ちパターンはKnightもしくはKarsaが育つことなので、こうなった時のTESは止まりません。

無題3

動画の0:55~。悲しみのAatrox

 midのファーストブラッドを手にTopへのGankをZoeが決め、追い打ちをかけるようにGragasのタワーダイブにてキルを獲得。序盤のチャンスを活かし、OMGのTopレーンを終わらせることに成功します。
 こうなってしまえばここからはずっとTESのターンです。TESはKnightもしくはKarsaさえ序盤に育ってしまえば安定してゲームメイクできるチームなので、資金差を活かしながらドラゴンを確保し、リフトヘラルドを取り、確実に取れるタワーを取っていく。正にオブジェクトコントロールの基本を忠実にこなして優位な状況をキープします。

 さて試合も終盤戦、TESは王手と言っても過言ではない4体目のドラゴンを確保するための集団戦に望みます。OMGとしては、ドラゴンを渡したくないが、このまま睨み合っているとスーパーミニオンにネクサスタワーを破壊されるので無理矢理にでも当たるしか無いものの、相手とは6kゴールドもの差がある相当厳しい状況。
 誰もがTESの勝ちだろうと思いましたが、現実は違いました。

無題4

動画の4:20~。Photic、君のフラッシュはCD中だ。

 ドラゴン周辺の視界は十分に確保されていたはずなのですが、なぜかMFが真っ先にフォーカスされ落とされる自体に。
 J4の仕掛けが鋭かったと言われればそうなのですが、フラッシュのCDが上がってない事を忘れてるとしか思えない動きだったのが少々残念です。
 この負けるはずがないと思われていた集団戦でまさかの敗北を喫したTES。あれだけ合った資金差もあっという間に逆転されてしまいます。

 チームに嫌な空気が流れる中、逆転の一打が欲しいTESの窮地を救ったのはやはりこの男でした。

無題5

動画の6:37~。Karsaによるあまりにも鮮やかなバロンスティール。

 J4のことだからバロンピット外で警戒しつつブリンクで戻るつもりだろうという動きを完全に見切った上手すぎるバロンスティールが炸裂。2020年のシーズン始まって以降、世界中のリーグの中で最も技ありのバロンスティールだと個人的には思います。
 Karsaによるスーパープレーで、一時は逆転されたこのゲームでしたが辛くもTESの勝利となりました。

2戦目

無題6

KnightのZiggs解禁

 注目はやはりZiggsでしょう。Ziggsのイメージとしてはレーンが非常に強いとか、Poke構成にいれるチャンピオンという方が多いと思いますが、実はタワー破壊性能が非常に高いという一面も持ち、マクロの動きに長けているチームと相性が良いチャンピオンでもあります。
 個人的には今の環境ならばもう少し出てきても良いと思うのですが、Jayceみたいなチャンピオンと同様に、レーンを圧倒して優位に立たないといけないチャンピオンに分類されます。一度コケると取り返しがつかなくなってしまったり、中盤以降アクションを起こせずにファームだけしているとZiggsの強みが無くなってしまう等、明確なチームとしての目的がないと出しにくいチャンピオンであるところが、あまりPickされない理由なのかなと思います。
 そんなZiggsですが、どのような立ち回りを見せてくれるのでしょうか。試合の方見ていきましょう。

無題7

動画の8:52~。早いグループアップからのmidの1stタワー獲得

 今回のTESのようなオブジェクトコントロールに長けているチーム構成の場合、早めのグループアップでmidの1stタワーを獲得することは非常に重要です(正確にはこの後Ziggsが一人でタワーを取りましたが)。
 皆さんもご存知の通り、midの1stタワーを取られてしまう事による視界の差は歴然です。この視界の差を生かしてTESのマクロの動きが加速します。

無題8

動画の9:16~。タワーの為ならばTPも惜しまない

 RenektonとElizeによる予測可能回避不可能なタワーダイブから相手のTop 1stタワーがフリーになった瞬間、躊躇せずにKnightがTPを使用。これもまた忘れられがちですが、ZiggsのWのパッシブにより、タワーのHPが残り2割り程度ならば一気に破壊することが可能です。

 その後も、Ziggsのタワー破壊性能を活かしながら順調にオブジェクトを獲得し、着実に資金差を作っていくTES。一戦目に6kゴールドもの差をつけながら集団戦に敗北したシーンを見ていたので半信半疑でしたが、杞憂に終わるほどの安定したマクロの動きを見せてくれました。

無題9

動画の12:22~。バロンバフを活かした全レーンプッシュ

 こうなってしまうとNeekoやOrnnの強いAoEウルトを持っていようが逆転はほぼ不可能です。
 バロンバフを活かした全レーンプッシュは、どこかのレーンの対面を無理やり倒しても、その間に残りのレーンのインヒビターを取られてしまう為、やられている方は全く美味しくない状況に陥ります。
 特にゲームの20分台でこの状況になると逆転はほぼ不可能となります。ちなみにデータによるとインヒビターを3つ取られた状態から逆転できる確率は3%程だそうです。
 最後にOMGが無理やりけしかけて来ましたが、TESは全員がバッチリ育った状態。しっかりと倒しきりこのゲームも制すことが出来ました。

さいごに

 1戦目はKarsaのスーパープレーに助けられた形でしたが、2戦目は用意してきたことをきっちりとこなして勝利出来たので、TESとしては良い結果が残せた試合だったのかなと思います。
 若干Photicがここぞという時に頼りない感じになってしまいましたが、その分QiuQiuが常に安定したプレーをしてくれることで、上手いことカバーできていると感じます。
 目下のライバルだったJDGやOMGにも勝利し、暫定4位となったTES。ここから上位3チームとはまた分厚い壁があると思いますが、まずは今の好調をキープして、続くSN戦でも勝ってほしいと思います。
 ここまで読んでいただきありがとう御座いました。 

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