TES vs LGDの感想(LPL 2020 Summer W3D6)
はじめに
対戦相手のLGDは、春の成績が17チーム中15位という結果を受け、Peanuts、Kramerを残して他のメンバーをすべて入れ替える大幅なメンバーチェンジを行いました。
その甲斐もあり、現在開幕から3連勝と早くも夏のプレイオフ候補の一つに数えられる程のチームに成長を遂げています。
元DMOのxiyeとMarkの活躍もさる事ながら、やはり警戒すべきは元RNGのLangxでしょう。
AatroxやRenektonといったファイター系のチャンピオンを得意とし、Worlds出場経験もある経験豊富なプレイヤーです。
LPL最強チームの称号を掲げるTESと、現在絶好調のLGDとの今日の試合。Summer Seasonでもベストバウトに挙げられるほどの試合になること間違いなしです。早速見ていきましょう。なお、本記事は下記の動画を参考に作成されています。
1戦目
今回の1戦目の試合は、最初から最後まで見どころたっぷりなので、ぜひフルで見てほしい内容になっています。
ですので今回は趣向を変えて、試合の気になったシーンを取り上げて感想を述べるのではなく、TESが行ったBAN/Pickを、LCSのC9のBAN/Pickと比較して紐解いていきたいと思います。
なぜC9との比較かと言いますと、TESとC9どちらもmid Karma構成を採用し実践に投入したという共通点があります。
mid Karma構成とは、赤聖杯とアーデントセンサーを買い、味方ADCを強力にバックアップする構成です。
自身もシールドによるMS上昇や、Poke、Wのスネア、Rを用いたAoEバーストや味方全体のサポート等何でもできるチャンピオンですが、反面器用貧乏になりがちで、他の味方への依存度が高めです。ですので自身がキャリーするよりかは、味方をサポートすることに重点を置いているPickになります。
このような特性をもつmid Karma構成ですが、果たして両チームはどういった思惑でBAN/Pickを行ったのでしょうか。早速見ていきましょう。
TESのBAN/Pick。mid Karmaを主軸においた構成。
こちらはC9のBAN/Pick。こちらもmid Karmaを主軸にした構成。
まずmid Karma構成において最も重要な事は、TopにJayceを置く事といって間違いないでしょう。
皆さんご存知の通りJayceというチャンピオンは、脅威ビルドによる遠距離からのPokeを非常に得意とし、接近戦においてもかなりのバーストを出すことが可能な火力特化型チャンピオンです。
反面打たれ弱く、バーストは出せるがDPSを出すのは苦手、CCを食らってフォーカスを集められたら一瞬で落とされてしまったり、序盤のレーニングフェイズでコケてしまうと中盤の強い時間帯に何も出来ずに終わってしまうという弱点もあります。
このような特性をもつJayceですが、彼をPickし、KarmaとのダブルPokeによって、相手の得意な土俵に持ち込ませない事がmid Karma構成の土台となっていると言えるでしょう。
さてここからがTESとC9でPickが異なるJungleと、mid Karma構成の主役であるADCとSupportに何をPickするかという話になります。
結論だけ述べるならば、C9の方が理想のPickと言えるでしょう。Yuumiと相性バツグンであるOlafとEzrealを抑えられているC9のこの構成、正直弱点が見当たりません。
TESの構成も爆発力という点では右に出る構成はないのですが、反面フロントラインが不在な構成でもあるので、集団戦での立ち回りが非常に難しいという欠点があります。
LoLというゲームは往々にしてシンプルな構成、戦術の方が強いことが多々あるので、とりあえずOlafにYuumiとKarmaシールドくっつけて相手を地獄の果てまで追いかけるといったような、やりたいことがはっきりしている方が安定しますね。
逆にTESの構成ですと、後半Apheliosが殴れる状況を作るためにはThreshのQを確実に当てないといけないといけなくなるので非常に難しい立ち回りを強いられます。ここら辺実際どうなったかは、試合の方を見ていただければと思います。
というわけで長々と今回のBAN/Pickを紐解いてみましたが、結論だけ申し上げるとYuumiはBANということだけ覚えておいてもらえれば大丈夫です。
では2戦目にいきましょう。
2戦目
サモナーズリフトを恐怖に陥れたKnightのSylas再び降臨
Knightが使うSylasですが、春のシーズンでピックされた数はわずか2試合だけなのですが、その2試合の合計で28/6/13でKDA6.83というとんでもないスコアを残しています。
しかもそのうちの1試合は対FPS戦で使用しており、あのスーパーキャリーDoinb相手に活躍を見せており、ただスコアが良いだけではないことが分かります。
今回の試合も、WukongにAzir、Miss Fortuneと、奪って嬉しいウルトが盛りだくさんなので、Sylasの活躍がたくさん見れそうです。早速試合の方見ていきましょう。
動画の12:10~。TESの勝利の方程式完成の瞬間
序盤の最初のドラゴンファイトにて事件が発生しました。LGDの一瞬のスキを逃さずNautilusのイニシエートから一気にLGDを囲い込みます。
奪ったAzirのウルトでAzirを味方の方に吹き飛ばしつつ、本人もフラッシュで一緒に移動する技ありなキルに、JackeyLoveの自殺すれすれの前ウルトもあり、一挙に4キルを獲得。
これにより、毎度おなじみKarsaとKnightが序盤から育つ勝利の方程式が完成しました。
これより先はTESのお楽しみタイムを存分にご堪能下さい。
動画の17:55~。タダでバロンを持って帰れると思ったら大間違い
試合は中盤戦。LGDがTESの一瞬のスキを突き、バロンをフリーで獲得することに成功。
と、思いきやTESは素早くLGDをTopレーンに追い込み、MaokaiのウルトからLGDが固まったところに、またしてもAzirから奪ったウルトでAzirよりも使い方が上手いウルトを披露します。
LGDはバロンをフリーで取ったはずなのに気づけば3キルを取られ、おまけにインヒビターまで落とされる始末。
そしてKnightはいつものようにMejaiを購入し、この試合を畳む準備は万端です。
動画の19:00~。Wukongに対する誘い込み方が非常に上手い
Maokaiがほぼフリーで落とされてしまい、実質4vs5で始まった集団戦ですが、ここでもTESの集団戦の上手さが光ります。
ワードに映っていたLee Sinを即座にNautilusが捕まえ、ストップウォッチをLee Sinが発動している最中に、素早くTESは全体でNautilusの方に寄ります。
如何にもWukongが飛び込んできてウルトを使えばめちゃくちゃにされてしまいそうな場面ですが、そこはKarsaがTrundleのピラーでキッチリと前後を分断し、逆にWukongを孤立させることに成功します。
そして4vs4になった第2ラウンド、おそらくわざとThreshのQにJackeyLove自ら当たりにいき、強制的に戦いを起こします。
それを待っていたかのようにKnightのSylasがLee Sinから奪ったウルトで前衛から後衛まで吹っ飛ばす素晴らしいウルトを披露。合わせてKaisaもウルトで突っ込み、LGDを全員処理してゲームセットです。
資金差こそあまりついていませんでしたが、見た目よりも差があった2戦目だったと思います。
さいごに
強敵LGDを2-0で破り、これで開幕4連勝。MSC優勝の勢いはまだまだ留まるところを知りません。
チームが非常に好調だといことがメンバー全員から伝わってくるので、見ていてとても楽しいですね。引き続きいい試合をしてもらいたいと思います。
そんなところで今回の記事を終わりたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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