TES vs JDGの感想(LPL 2020 Summer W2D7)
はじめに
いきなりやってきました大一番。春の王者JDGとの直接対決です。
JDGは初戦、相手にリードを許す苦しい展開から、持ち前の集団戦の強さを発揮する見事な逆転劇で、王者の風格漂う横綱相撲を披露しました。Summer SeasonもTESとプレイオフ争いを繰り広げる強力なライバルとなることでしょう。
一方のTESですが、初戦は急遽欠場したJackeyLoveも特に大事にはいたらなかったようで、今日のスターティングメンバーに名を連ねています。
既にお互い手の内は明かし尽くした者同士、どんな試合を見せてくれるのか楽しみです。早速見ていきましょう。なお、本記事は下記の動画を参考に作成されています。
1戦目
まずはBAN/Pickから見ていきましょう。
お互い新たな構成を試そうという思惑なBAN/Pick
まずはTESのPickですが、懐かしのKaisa、Kayleの2大キャリー構成を選択。育ったKaisaにKayleのUltをくっつけ、相手の奥深くにUltで飛び込むという戦略が昔流行りました。
とはいえ、TESがKalistaよりもKaisaを優先したことは意外でしたね。1st PickのTrundleは確定として、2ndでKalistaを取ると思ったのですが、TESはKaisaを選択しました。
おそらくKalistaは取れてもThreshを取ることが出来ないので、Taricをサポートに選ぶくらいならKaisaにして別のサポートをPickしようということなんだろうと思います。
ちなみにパッチ10.11でのADCのメタは、Varus>Ezreal=Aphelios=Kalista>その他なのですが、チームや地域によってKalistaの評価が別れており、今回のTESのようにKaisaを優先したり、メタの4体のADCが全てBANもしくは相手に取られてしまった時にAsheが出てきたりするのが今のパッチの流れになります。
一方のJDGは大体いつものPickといったところですが、JungleにKaynを出してきました。
某LCSの地で25分立っても進化できないKaynが爆誕したせいで今いち信用ならないですが、使うはKanaviなので、いよいよKaynの本領を発揮してくれるのでしょうか。
試合の方見ていきましょう。
動画の0:35~。冷静にリフトスカルにスマイトを使用し生き残ることに成功
いつも通りの鮮やかなTop GankからのFB獲得から、第2ラウンドのゴングが鳴らされます。
先にTrundleが囲まれる厳しい状況でも、持ち前のキャラコンとKayleとLissandraの素早い寄りによって見事生存。自身が育つとともに、チームとして育てたいKayleにもキルとアシストが入るこれ以上ないスタートを切ります。
動画の3:20~。これ以上ない程の綺麗な当たり方
ゲームは中盤戦に差し掛かろうかというところ、Ornnを凹ませる事に成功し、順調にKayleを始めチーム全体が育ち始めているTESですが、ゲームの流れをガッツリと引き寄せる見事な集団戦を見せてくれました。
上記のエンゲージの状況になる前に、まずはLvMaoを捕まえ、ストップウォッチとフラッシュを使わせ、カウンターでThreshのQを食らったLissandraをKayleのUltで救出します。
その後OrnnのUltを吐き出させ、JDGの反撃の手段を絶ってからの、Nautilusの鋭いイニシエートから集団戦を開始しています。改めてTESの集団戦の強さというものが見れたワンシーンだと思います。
動画の4:35~。育ったKayleが全てをなぎ倒す
KaisaとNautilusが落とされてしまった状態から始まったこの集団戦。既にヘルスが少なかったApheliosをLissandraが即落とした後、自身はUltを使って後続を待ちます。
LeBlancとOrnnがTPで飛んできますが、既に到着していたKayleの攻撃によって一瞬でヘルスが消し飛び、終わって見ればかなり不利な状況から始まった集団戦をイーブンで終えます。
この時点でのKayleのレベルはまだ13ですがもう既に止まらなくなっているこの状況、この後バロンも獲得して順調に育ち、16レベルに到達した頃にはJDGのネクサスが爆発しました。
注目の1戦目、まずはTESの勝利です。
2戦目
久しぶりにSionがサモナーズリフトに降臨
今やすっかりOPチャンピオンの座についたWukongに対して、各チームWukongをどう対処するか四苦八苦している今のメタですが、TESはその回答としてSionを選択しました。
役割としてはWukongが懐に入ってきたときのカウンターというよりは、こちらから先に仕掛け、Wukongの得意な状況に持って行かせない役割を担っています。
Trundle、Oriannaと一緒に組ませることで、Sionとのシナジーもバッチリです。
極めつけは、EzrealとYuumiのbot duoです。強いと強いをかけ合わせた、現在のメタでもトップクラスのこの組み合わせ、弱い要素が見当たりません。そしてJackeyLoveはEzrealが非常に得意です。ここから導き出される答えは・・・?
試合の方見ていきましょう。
動画の9:00~。Ezreal、Yuumiによる反撃の狼煙が上がる
ゲーム開始15分頃、JDGとしては若干リードしているこの状況を加速させるべく、TES側のレッドバフを奪いに来ます。
しかしTES、視界の無い状況でしたが、Oriannaと協力し、GravesとBardを挟み込むことに成功。Yuumiがくっついた状態を活かし、Ezrealに待望のキルが入ります。
動画の10:00~。Ezrealが止まらない
WukongのUltから始まったこの集団戦、Oriannaがチームに貢献できない位置でAzirに落とされてしまいましたが、チームのフロントラインとしての役割を十分に発揮するSionのおかげで、Ezrealがフォーカスされること無く、逆に前から次々となぎ倒していきます。
この集団戦が終わった時点でEzrealは6キル目。序盤はリードされていた資金差ですが、気づけば逆転です。
動画の11:48~。Ezrealからは逃げられない
AzirをGankで倒した後、逃げるBardを徹底的に追い回しキルを獲得します。
Ezreal自身射程の長いブリンクを持っている上、YuumiとOriannaのMSバフが乗っかると地獄の果まで追いかけるキリングマシーンの完成です。
おまけにEzrealの今のメタビルドはARとMR(特にAR)をたくさん積むことができるので、WukongのUltを食らった程度ではびくともしません。
途中やらかしてしまった場面もありましたが、終始Ezreal、YuumiのコンビをJDGは止めることが出来ず、TESの2連勝となり、今回の大一番を勝利で飾ることが出来ました。
さいごに
お互い実験的なBAN/Pickだったとは言え、JDGに2-0で勝利出来たことは、MSC優勝の流れを維持し、今もチームが好調な証だと思います。(vsRW戦は少々大変でしたが・・・)
そして個人的に今回のマッチの影のMVPは369だと思っています。1戦目はKayleでそつなくキャリーとしての役割を果たし、2戦目はSionという今のメタではないチャンピオンも使いこなし、与えられた仕事をキッチリと果たしていると思います。
正直なところ、春のプレイオフからMSC優勝にかけて最も成長でしたプレイヤーなのではないかと思います。これからのプレイに大いに期待出来ますね。
これからの369の成長に期待しつつ今回の記事を終わりたいと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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