あなたの俳句はなぜ佳作どまりなのか (日本語) 単行本 – 2008/2/1 辻 桃子 (著)
・どこまでその内容をいきいきと生かせられるか、思いの丈をこめられるか、時には、既成の俳句的常識や美意識などをひっくり返し、批判し、茶化し、笑いのめすことが出来るか、ということが大切だ。
・内容が、現代的通俗、卑俗、軽薄、流行、今様であればあるほど、表現の言葉は、厳密な日本語で、むしろ伝統的な古語や雅語、和語などを使いこなしたい。
・「も」を安易に使うと説明的になりやすい
・「ありにけり」「ゐたりけり」などというナンセンスな言い回しは、ひたすら意味を消し、余計な部分を省略して本質を際立たせるために使いたい。
・ひらがなの促音(ちいさな「っ」)や拗音(小さな「ゃ」「ゅ」「ょ」など)は俳句の場合は大きく書く。
・一句の終わりにくる季語は送り仮名をはぶく
冬隣り→冬隣 夏祭り→夏祭
・ぜひとも読んで欲しいのは高野素十の句集
・「なりにけり」は強く重く沈むような切れ字
・「つきもの」の取り合わせは避ける
「僧」に「経」、「海」に「波」「浜」、「顔」に「目」「鼻」
・初心者は「一句一動詞」
・「歳時記は日本人の感覚のインデックスである」(寺田寅彦)
・「実用俳句歳時記」辻桃子
・俳句は「心を詠む」もの。「命を詠う」もの。「心」「命」は略して、ここを具体的にする。
・自分の好きな句にめぐり合ったらノートに書き写す。
・体の具合がよいときには、心の具合もよく、写生も具合がよく、佳い句ができる。
・「うれし」「かなし」と言ってはダメ。それを言わずにいかにそれを想わせるか、だ。
・時実新子
・推敲して「人」は略す
・「どのような俳句がよい俳句か、といえば、それは渇望に堪えない句は、単純なる事棒の如き句、重々しきは事石のごとき句、無味なる事水の如き句、ボーとした句、ヌーッとした句、ふぬけた句、まぬけた句等」
高浜虚子
・どうしても片仮名でなくてはならないとき、外来語のとき、片仮名でこそ句が生きるとき以外はひらがなで書く。
・忌日の句は死んだ日が定かでない場合がわからないので、どんな時期に亡くなったかがわかるように季重なり可
・旧仮名遣いは難しいが、一句にどことなくミステリアスな影が出てくるのが楽しい。
・旧仮名、新仮名を確かめるために「新潮国語辞典 現代語・古語」を使用
・一句一句が一つのお話に相当するくらい、そこに様々な人間模様を連想させる力を持った句こそ、佳い句。
・季語で種明かししない。だからナンなのの答えは読者に考えてもらう
・俳句を並べるときには連句なのだと覚悟を決める。できた順ではなく、まず自分の自信作を一句目に。それに響きあい、匂い合うように並べていかなければならない。特にコンクールや競作などで、二十句や五十句を並べて投稿する際には配慮したい。
・俳句は「私は」というふうに描かれたときに強い。
・一生続けなければ何もできないのが俳句。一生かけて一冊の小説を書くつもりで。
・やめてしまえば才能はその日までのものだ。いったいどこまで俳句を作っていられるものかやったみようじゃないか。どこまでやれるか、やってみなくては才能がどこまであるかわからないではないか。
俳人として、詩人として生きているのだと大いなる気位と誇りを持とう。それが句作の力になるのだから。
・波多野爽波「俳句スポーツ説」 多作多捨、多読多憶
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