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企業経営入門:スタートアップに必要な経営力

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上場・未上場に拘わらず、成長が期待される事業/スタートアップを中心としたビジネス関連の面白いnoteをまとめます
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#IPO

なぜSmartHRはユニコーンになれたのか

TAKA(@Murakami_Japan)です。今日は日本のスタートアップ・エコシステムにとっても、自分自身にとっても記録すべき日だと思いましたので、突然ですが筆をとりたいと思います。 本日、私自身も2018年から経営に伴走させていただき、2019年からは株主としても支援させて貰っているSmartHRが資金調達のリリースを発表しました。これまで何度も資金調達のリリースは見てきましたが、今回はいつもとは少し異なる感情も芽生えています。 それはSmartHRがユニコーンの仲間

【解説】10月スタート!新しいIPOプロセスが与えるスタートアップへのインパクト

来月(2023年10月)からIPOプロセスが新しくなることをご存じでしょうか。かなりテクニカルだし、正直あまり注目されていないと思いますので、知らない方も多いかもしれません。しかし、大きく日本のIPO、そして日本のスタートアップ・エコシステムをアップデートするキッカケになる可能性を秘めています。今日は、そんな「新しいIPOプロセス」について解説してみたいと思います。 事前に言っておくと、今回18,000文字を超える大作になっています。ただ、難しい話をできる限り簡単に書いたつ

スタートアップが社会インフラを創る〜ファイナンス戦略の新潮流〜

本日、アイ・グリッド・ソリューションズ(「当社」)が30億円の資金調達を発表しました。金額だけ見れば一時期のスタートアップ・バブル時代の調達額からすると、それほど珍しいものではありません。2023年上半期でも30億円以上調達したスタートアップは14社あります。 目下、スタートアップ五か年計画が遂行される中、過去5年間と比較して「進化」した形でスタートアップの経営も事業もファイアンス戦略もアップデートしていくことが大事だと感じています。この5年間でも当方が関わってきたスタート

Sequoiaの変貌の必然:スタートアップは長期的な社会価値創造のインフラへ

TAKA(@Murakami_Japan)です。実はNewspicksの新サービス"Topics"の初代オーナーに任命されました。そしてこれが第一回の投稿です。これから時事ネタ、国内外のスタートアップ、大企業、M&Aや資金調達、IPOなど、雑食なテーマをファイナンスやガバナンス 、サステナビリティといった観点で切り取っていきたいと思います。是非、noteと合わせてフォロー宜しくお願いします。 記念すべき第一回のテーマは、Sequoia Capitalです。2021年10月末

IPOの役割が危うい:成長企業の資本政策について考える

TAKA(@Murakami_Japan)です。 最近いくつかマザーズ上場企業の「IPO後の」資本政策についてnoteしてきました。先日、条件決定したBASEの資金調達(詳細は下記noteご参照ください)もその一つですが、上場後の資本政策(資金調達や売出)の事例が充実してきたことで、結果的に以前より議論になっていたマザーズIPOについて議論する必要があるように感じています。先に結論から申し上げると「マザーズIPOの役割が危うくなっている」と思います。 要はこういうことが起

BASE:上場、コロナ、そして大型ファイナンス

TAKA(@Murakami_Japan)です。最近、マザーズ上場企業の大型ファイナンスが増えてきている。一連のトレンドについては、どこかで触れたいと思うが、今日発表されたBASEの資金調達について筆を取ってみたい。 ほんの1年足らずで、上場、コロナ、そしてこの大型ファイナンスの実行である。ホップ・ステップ・ジャンプ、という言葉がまさにフィットするように事業面でも資本政策面でも一気にステージを引き上げることに成功している。 今回私が注目したのは、大きく3点ある。それぞれの

ユーザベース:再成長に向けて、海外募集による新株発行

TAKA(@Murakami_Japan)です。最近、立て続けにマザーズ市場で海外募集によるオファリングが出てきていますので、簡単に概要のまとめとポイントを記載しておきたいと思います。図表は全てユーザベースが発表している公開情報から抜粋しておりますので、詳細は会社コーポレートサイトにてご確認ください。 最後まで読んでいただけると分かりますが、本件はマザーズ市場でも珍しい「海外募集のみ」による新株発行を通じた資金調達になります。なぜ、今なのか、なぜこのフォーマットで資金調達を