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企業経営入門:スタートアップに必要な経営力

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上場・未上場に拘わらず、成長が期待される事業/スタートアップを中心としたビジネス関連の面白いnoteをまとめます
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2023年9月の記事一覧

【新体制】事業成長を先回りする経営体制の進化が会社を飛躍させる〜SmartHR〜

本日、私も社外取締役を務めるSmartHRが大きな発表を行いました。それについて書いてみたいと思います。まずは徒然なる文書をお許しください。 私と玉木さんと森さん玉木さんが2018年にCFOに就任された直後あたりから、私もアドバイザーを務めせていただき、もう5年以上になるのかと感慨深い発表がありました。玉木さんがnoteで書いておられる転換点となるシリーズCにてリード投資を務めさせていただき、私にとっても大きな転換点となったように思います。 玉木さんがCFOとして初のEQ

【考察】ビジョナルは成長戦略の転換点、「大M&A時代」が到来する

村上誠典です。さて、ビジョナルの業績が素晴らしく好調です。先日2023年7月期の通期決算発表を行い、同時にプライム市場への市場変更を行う予定である旨を発表しました。時価総額も3,000億円程度と上場時の初値水準を維持しています。 今回はグロース市場で最も時価総額が高く、日本のVCエコシステムから誕生したスタートアップとして、メルカリ(約5,000億円)、SHIFT(約5,000億円)、マネーフォワード(約2,500億円)、ANYCOLOR(約2,200億円)、カバー(約1,

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【解説】10月スタート!新しいIPOプロセスが与えるスタートアップへのインパクト

来月(2023年10月)からIPOプロセスが新しくなることをご存じでしょうか。かなりテクニカルだし、正直あまり注目されていないと思いますので、知らない方も多いかもしれません。しかし、大きく日本のIPO、そして日本のスタートアップ・エコシステムをアップデートするキッカケになる可能性を秘めています。今日は、そんな「新しいIPOプロセス」について解説してみたいと思います。 事前に言っておくと、今回18,000文字を超える大作になっています。ただ、難しい話をできる限り簡単に書いたつ

人的資本経営に興味のある皆様へ〜未開拓資本を活用する未来〜

人的資本経営は昨今のパワーワードで多くの方が注目しています。人材が均一な財務会計数値に置き換えられてしまっていた時代において、私も長らく大きな違和感を感じていました。それは、人は均質なモノではないという人権主義者的な側面もあれば、従業員の立場でも自らが企業価値にどう貢献できているかという意識が希薄なことも、違和感の原因だったように思います。 資本であるとはどういうことか?人が「資本」であるとはどういうことでしょうか。これまでは「資本=お金」でした。お金は大事、無駄にしてはい

ラクスル新社長の報酬から見る取締役報酬の現在地

本日2023年9月12日にCEO向けの大型報酬パッケージが公表された。といって、カルロスゴーンでも日産でも、孫さん・ニケシュやソフトバンクでも、イーロンマスクでもない。ポストIPOスタートアップの1社であるラクスル社である。全て条件が達成された時点での時価で10年総額"300億円”という金額だ。もちろんこれは今単年度報酬で支払われる額ではなく、あくまでも目標を達成した暁に初めて得られる報酬額の総額に過ぎません。 それでも、この金額はこれまでの日本株式会社の報酬水準からすると