別れ
別れは突然やってきた。コロナ渦になる前までは毎月毎月飲みに行っては涙がでるほど笑い、愚痴を言い合い、何を話したのかも忘れてしまうぐらいスッキリと朝を迎えられたデトックス飲み会。
今年に入ってからは、感染拡大を常に意識する中、多忙な業務にストレスは溜まっていき、吐き出す場所もなく、リモートやマスク越しでは察し得ない精神状態の危険信号に誰が気づいてあげられたのか。
本人のSOSに気づいてからは、僅か数日だった。マスク越しにでもわかる表情から一刻も早く受診しなければならないと感じた。
それは、突然知らされ、詳細も分からず、電話を切ってからしばらく動けなかった。
とはいえ、仲良くしていた仲間と最期のお別れをしよう、何やってんの!と怒りたくもあり、お通夜に伺う準備をしなくては、と歯磨きを始めた。
突然、涙が溢れて止まらなくなった。歯ブラシを持ったまま大声で泣いた。
最期の姿は、不眠や倦怠感と食欲不振、仕事も休み、不安と一人戦っていた彼女の本当に綺麗な安らかな顔だった。
怒ってやろう!と思っていた自分から出た想いは
眠れて良かったね、いつか、そっちに私たちも行くからね、また4人で飲もうね、まっててよ。
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