相談援助の理論と方法 

相談援助の理論と方法 

2018年8月提出分


「利用者とのコミュニケーションにおける同情と共感について」違いを述べよ。

1、相談援助場面での利用者とのコミュニケーションにおける同情と共感の違いについて述べる。

相談援助場面で、援助者は利用者に対して、最善の援助に向かうため信頼関係(ラポール)を築く必要があり、様々なコミュニケーションを介す。

援助者は、固定概念や自分自身の価値観をおしつけずに、利用者が今の状況を「どのように感じているか」「どのように考えているか」「どのように望んでいるか」をありのままに受容し、理解するコミュミケーションをとることが求められ、これを共感という。

利用者主体の援助を目指すためにも、障害の症状の多岐や、利用者の育ってきた環境や今の生活、家族構成、趣味などを丁寧に聞いてゆく傾聴を通じ、利用者「その人」を理解すること、それが共感である。

支援者は、コミュニケーションをしている利用者の立場に感情移入してしまう場合があり、これが同情であり、その結果、支援者の自分の思いや考えを利用者に押し付けることになる。例えば、障害名や病名を取り上げ、支援者の本や経験での知識をあてはめて、それがその人の特性だと決めつけてしまっては、利用者への理解にはつながらない。同情は援助者主体、援助者の感情移入、援助者の主導、援助者の優位の援助になってしまう。

このように、同情は利用者の自己決定が難しくなり、共感との違いである。

  • 私見

コミュニケーションのなかでも、支援者が相手の思いを具体的に言語化できると、お互いの理解につながり、また周りに伝えることができる。

何を望んでいるかを聞きながら言語化の試みをしていくことで、「一緒に思いを整理し、伝える」手段になり、共感、安心が生まれると思う。

非言語のコミュニケーションとしての、身振り手ぶりや、話をきく環境なども相手に焦燥感や不安感を与えない必要があるだろう。傾聴、受容、共感へのコミュニケーションの方法は相談援助の現場では大切であり、利用者への理解につながると思う。

共感的姿勢である利用者の希望や思いを主体にする支援、利用者の自己決定を重んじる支援に関わるためには、支援者の自己覚知が必要であろう。

支援者自らの対人関係の傾向、どのような行動や言動をとっているか、どのような言葉使いをするか、

自分がどんなときに感情が揺れ動かされるか、自分が正義だと感じている枠は何か、どんな価値観に憤りを覚えるか、どんな事象を受容できないか、など援助者の自己覚知は、共感をともなう最善の援助につながるのだと思う。


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