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生理学 腎臓のあれこれ


こんにちは☀︎

マガジン開始からずっと確認してきたホルモンは
先週で一旦ひと段落しました!!ということで
今週は切り口を変えて、生理学から派生して臓器のあれこれについて
確認したいと思います。

解剖学とも一般臨床(臨床医学各論、総論)ともかぶるような内容となっていきますので
それぞれの立場で必要な情報を確認していただけると嬉しいです🔍😉


1、腎臓の基本的な構造

・ネフロン=腎臓の機能的な最小単位。
 左右あるうちの片方の腎臓に約100万個存在する
・ネフロン=腎小体+尿細管
・腎小体(マルピギー小体)=糸球体+ボーマンのう

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2、腎臓の働き

・体液の量、浸透圧、pHを一定に保つ
・不要物質の除去(尿素、尿酸など気体にならない不揮発性の代謝産物、薬などからの代謝産物を捨てる)
・レニン、エリスロポエチンの産生


3、腎臓の疾患

腎臓は上記の通り、体液や尿など体の水分に関わる仕事が主です。
腎臓が
「いらない!」と判断したものは尿として対外に出されてしまい、
「体の中に今少ないから体外に出たらダメ!」と判断されたものは再吸収されて、また血液の中を漂い体内を巡ります。

血中を流れることのできる物質は全て、この腎臓での判決を受けて
外に出るのか、中に留まるのか決められます。
そんな腎臓に異常があると、体にはどんな変化が起こるのでしょうか、、?


腎臓の疾患は大きく分けて
・細菌感染による腎炎(急性、慢性)
・様々な原因で腎機能が低下する腎不全
・腎炎や膠原病、糖尿病などに起因して起こるネフローゼ症候群
・腎細胞癌
があります。

それぞれ細かい原因や重症度、症状は違いますが
共通して尿に症状が現れやすいことがあります。

また、その際の指標として

・尿の量
・尿に何が含まれているか
・体内の血中には何が残っているか

などがチェック項目になります。

まずは、
「尿に何が含まれているか」に絞ってみていきます👀


今週の国試


問 慢性腎不全で低値を示す検査値はどれか(国試はき第4回)

1 血清尿酸
2 血清尿素窒素
3 血清カリウム
4 クレアチニンクリアランス

似たような問題なのでもう一問です!

問 慢性腎不全で適切でない検査所見はどれか(はき第4回)

1 尿濃縮力増加
2 血清クレアチニン高値
3 血清尿素窒素高値
4 代謝性アシドーシス

なんとなく読みたくないですよね、、😇(笑)

腎臓の所見で大事なのは
何が尿中に多くて、何が体内に多いのか冷静に考えることです!

「血清○○」と頭に血とつく物質は血中にどれだけあるか聞いてるので
体内の量を考えます。

また、「クリアランス」は苦手な方も多いと思いますが
物質が腎臓によって除去される量のことです。
ということは、
腎臓で「体外に出ていいよ」と許可(濾過)されたものなので
尿中の量と関連づけて考えます。

(問題の答えは、1問目が4、2問目が1です。)

では、解説行きます!!


4、腎臓に疾患がある時の尿はどんな??


今回の問題では慢性腎不全が上がっていましたが、どの疾患にも
まず共通してみられるのが

蛋白尿です。
これは、腎臓に炎症が起きたり、腎臓の機能不全により
正常時なら細胞が大きくて糸球体を通過できないはずの
血漿蛋白(特にアルブミン)が、通過できてしまっていることが原因です。

糸球体に穴ぼこがたくさん空いて網目が大きくなり、
大きなものもスルスルと通り抜けているイメージです。

血漿蛋白は、細胞間のお水の行き来に大きく関わっているので
それが尿に含まれて体外に出てしまうと、バランスが崩れ
「浮腫」の原因の1つにもなります。
腎疾患では特に顔面部の浮腫が多いです。

そして、体外に蛋白質が出ていくことで体内(血中)にも影響が出ます。
その所見が、、

血清尿素窒素(BUN) 高値↑
クレアチニン 高値↑

の2つです。
これらは、蛋白質を代謝していった際の最終産物です。
代謝後の最終産物なので正常なら尿として出て行って欲しいのですが
腎機能が障害されているため濾過されずに残ってしまっています。
=血中(体内)での数値が高い という所見になります。

また、クレアチニンはもともとクレアチンで
ローマン反応など筋肉でATPを使用する際に必要です。
しかし、その反応を繰り返すとクレアチン→クレアチニンとなり
「お仕事終わったので、尿に含まれて体外に出て!」となります。


⭐️クリアランスはその物質が正常に濾過され糸球体を通過できた量の数値なので、
体内に残ってる=濾過されてない=その物質のクリアランスは低値となります。

⭐️慢性腎不全では Na、Caが低値を示すのに拮抗してK、Pが高値を示します。


おまけ:ネフローゼ症候群では高脂血症も示す👀!!


ネフローゼ症候群では、
蛋白尿、それに起因する低蛋白血症、浮腫 に加えて高脂血症の
4つの症状を示すことが概念にあります。

前3つの症状の原因は上記でお伝えしたのと変わりないですが
脂質の話も出てきましたね。。


ネフローゼ症候群で高脂血症を示す理由
→ネフローゼ症候群などの腎疾患では低蛋白血症を示すため
膠質浸透圧が低下↓します。(浮腫の原因はこれです)
そして、浸透圧を維持するためにアルブミンを増産するようにします。
その際に
脂肪とくっつく蛋白質であるアポ蛋白も膠質浸透圧の維持に関わるので増産されます。。

すると、アポ蛋白ができると体内の脂肪とくっついて
脂肪が血中に存在できる形であるリポ蛋白になってしまうんです。

結果、血中にどんどん出来上がったリポ蛋白が出ていくことで
血中脂質が高値↑になる ということです🐷


さて、いかがでしたでしょうか。

今日は生理学から派生して、腎臓についてオールマイティーに復習する
がテーマでした!!

せっかく生理学や解剖学で基礎を学ぶなら
他の科目の考え方にも生かしていきたいですよね。


本日も最後までご覧いただきありがとうございました。

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