【モード】

そいえばしばらく服買ってないなー思う。
服は誰かに選んでもらうに限る。
なぜならちがう自分に会えるから。
てあの飲み屋で椿森くんが言ってたの思い出し、それならば、でファントムメナスにラインで打診してみると「ならばわたしが春物買うときいっしょに来るがよい」。

約1ヶ月後、ファントムメナスは、さぁ野郎ども狩りの時間だ、言ってから歩いた。
新宿三丁目を。
野郎どもってあーたわたししかいないだろ言うとファントムメナスはそれを無視して、きみはまだわたしに見捨てられていない、わかるね?言った。
きみは何回も何回もろくでもないことをしでかした。いろいろな街で。いろいろな時間に。いろいろな服を着て。そして勝負はわたしの勝ちだ。そしてきみは永久に敗者だ。そうだね?そのポケットのサイフにあるクレジットカード。上限額はいくらかな?
え?よくわからないけど50万?300万?よくわからない。
なんだそれは。でもまぁいい。使うぞ、それ。
え?
rrくん、その額面はきみが社会で今現在得ている信用の数値だ。そうだね?しかしそこに手応えはあるまい?その信用を体感するんだ。物品に変換させ手応えを得るんだ。新たな自身を獲得しにいくんだ。使い道はわたしが決めてやる。
いやいやいやそーハデに散財などしなくてもいいんだよー。
rrくん、きみはネイティブアメリカンな男たちの美しい化粧を見たことあるか?あれはお祈りやら戦闘のための手続きなんかじゃない。飾りたてることはもっとこうダイレクトな力なんだよ。強い意志や深い達観あるいは諦感を持つ者たちの。さらにダイレクトに言うのなら精霊たちを介したものへの敬意だ。彼らは精霊たちの声を聞き取ることができる。それに対してきみは精霊たちの存在を、毛ほども感じることなどできやしない。そうだね?しかしながらきみは今日この地に来た。中央線だか京王線だか小田急線だか丸の内だかを使って。そしてきみはわたしの前に立っている。導かれたとゆう訳だ。わかるね?委ねろ。委ねるんだ、わたしに。(←テンション的にと会話の筋的にはこの通りだったけどフィクション率は100%越え)

ファントムメナスは衣類等のお買い物はひとりでおこなう派なんだそーな。
わたしは男子者なのでそのへんの意味することが今ひとつよくわからないが、そのときどきのお買い物の意味性は自身のいろいろな部分につながっているから、だとのこと。
ゆえに儀式化するのだなー、内省的俯瞰によると、てファントムメナスは自己分析した(←もっと女子の人的な普通な言葉で)。

いろいろ買ったり買われたり買ってるところ見学したりして終わってからカフェイン摂取した。
ファントムメナスは春なコートと春よりちと先的なニットワンピと何着かのカットソーとあとこまごまとしたもの買った。
そして冷たいラテちゅー吸いながら(←ストローで飲みながら)、本来ならもう春物には今ひとつ遅い時期だっがでもそれゆえにいいもの買えた、とかなんとか言ってご満悦だった。
わたしはネイティブアメリカンな人たちな羽飾り(うそ)と馬の鞍(うそ)とスーツとシャツ3枚買った。
散財した。
人生ゲームの「儲けを吐き出す」のコマに止まっちゃったときのようだった。
スーツなんてぜんぜん買う気なかった。
しかし選んでもらったそれらは確かに自分では買わないものだった。

少ししてからファントムメナスは、なーなーrr知っている?このようなお買い物の醍醐味を得る手段を?言った。
知らない。
買ったものを着て帰るのだよ。
じゃファントムメナス今それ着るん?
着ない。わたしは着ない。着るのはrr、キミだ。裾直し終わってもう1度ショップに受け取りに行ったとき、着て帰ります、告げるんだ。
いやいやいや、なんかそれは恥ずかしーなー。だいたいこの靴がスーツに合わないだろ。
じゃ買おう。

じゃ買おう、言われて買っちまった靴はスーツとほぼおなじ値段だったちぇきだう。←ショックな出来事だったので文章の一部がロックな歌詞の語尾になっている。

スーツ買う前ファントムメナスは、なぁなぁスーツ買ってみない?言った。いや特に必要性はないなー、言うが、どーせ吊りものだ(吊りもの=プレタポルテ)、気軽にGOでしょ、言った。あーたそんなこと言ってもぶつぶつ。

ファントムメナスはわたしのものを選ぶ時、迷う、ということがなかった。
スタスタお店に入ってって店内見回し、何かを見つけそれを手に取りじっと見て、手触りとか縫製とか、何かを確認し、はいこれ、とか、この色でサイズの合うやつを、とかなふうだった(3枚買ったシャツはみなちがう店でどの店でも)。
スーツのときは、店員の人にあれこれ一方的に告げ店員の人が出してきたもの(6着)から選んでわたしに2回試着させ、別に迷うふうではなくあっさり黒極細銀ストラップなやつを選んだ。

もしやてきとーに決めてるか?
失礼だなー。意に沿わない?あるいは物が良くない?
そんなことないけど早いから、選ぶの。
それはわたし自身もちと不思議だけどなぜかそうなっちゃうんだよ。

お靴を買うとき(←靴じゃなくお靴)ファントムメナスははじめに2つを選びそれを1足ずつ試着させ、ちらっと見てはじめに選んだやつをただ「これ」言った。やはりあっさり。
いやファントムメナスこれはお値段的に、と言うかこの店のものはすべてちょっとお値段的に・・・言うと(←小声で)、はぁ?何か?て。
いやわたしの日常生活を鑑み、コストなパフォーマンス的に必要性をマジに感じないんだけど。
それはさぁこのメーカーや価格帯の靴を日常で使用してみてのことなのかな?
もちろんちがうけど。
では必要性うんぬんは想像によるものな訳だ。
まぁそのような切り口なら。
ならば買いでしょ。
なぜ?
それがこのお買い物の趣旨だから。そしてわたしがそれを理解してるところによれば、rrはrr的なものから離れることによってさらにrr的になってゆこうとする、ということに他ならないのでは?
ぐっ…か買います。
よろすぃ。
(↑かなり正確なぐぅの音も出ないの描写)

rrさまでございますね。
いかにも(←・・・)。
お直し終わっております。こちらのソファにおかけになってお待ち下さい。
ふむ、あ、いや、そのー。
はい、なんでございましょう?。
着て帰りたいんだけどよろしいか?
は?あ、はい、あ、そーゆーことでしたらどうぞあちらの試着室でお着替えなさってください。
・・・(←ただうなずく)。
これはなかなか恥ずいなー、想像してたよりー、思う。
このように思う自意識過剰さもさらに恥ずい。
なんかみょーに広い試着室で着替え。
買ったシャツのうち薄青紫色のやつ着て靴をおもむろに出して履くとゆうのもさらに・・・だった。
が、しかし店出て新宿通り歩いてるとき、わるい感じはぜんぜん、いや、いい気分だった。
服とは不思議なものだなー、思う。

ファントムメナスは靴を選んでくれたあと、くれぐれも着て帰えるように、念押してどこかに消えてった(なんか目黒区の方に行くだのなんのって言って)。
今日はどうもありがとファントムメナス。
うん、ちがう自分とやらに会えるといーな、フォースと共にあらんことを(←フォースなんちゃらはうそ、一応ここでの仮名が仮名で別れぎわなのでSW的に)。

新しい服についての考察。
ちがう自分うんぬんはやっぱさっぱわからなかった。
しかし新しく手に入れた服着て船橋屋の路地から武蔵野館の前に出てさらに歩いて目の前に巨大新宿駅バーンなあたりで、これはひとりで用の服でわたしはどこまで行ってもひとりなのだろーなー思った。
何となく。
それじゃ何にも変わってないや、ははは、言う。
ひとりで。

狭い世界、ほぼ限られたところだけで日々生活しててそれを是とする、というより愛してる。
ここでの過去日記読み返してみるまでもなく(読み返したことないけど)。
新宿駅中央口。
みなは忙しそうだった。
古っちい服着た人たちは。
歩いててときどきどこかの店のガラスとかに映る自分やいつもとちがう靴音にいー気になってる自分はたいそー楽しそうだった。
バカだから。
午後、日がかげる直前の空気の表っ側だけが冷たいなぁな時間。
でも、成長はもうしないけどシフトはするよ。
服を着替え続けながら。
送信。
ポチっ。

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