見出し画像

【草花】マオウ[生薬:麻黄]

マオウ属
Wikipedia URL> https://ja.wikipedia.org/wiki/マオウ属


 マオウ属(マオウぞく、麻黄属、麻苧属、学名: Ephedra, エフェドラ属とも)はマオウ科に属す唯一の属。常緑低木でユーラシア(中国からヨーロッパの地中海沿岸)、北アフリカ、南北アメリカ大陸の乾燥地に50種ほどが分布する。

【人間との関係】
《》麻黄
 特に中国北部などの砂漠地帯に分布するシナマオウ(E. sinica:草麻黄)などの地上茎が、古くから生薬の麻黄として用いられた。日本薬局方においては、シナマオウ(E. sinica Stapf:草麻黄)、チュウマオウ(E. intermedia Schrenk et C. A. Meyer:中麻黄)、モクゾクマオウ(E. equisetina Bunge:木賊麻黄)を麻黄の基原植物とし、それらの地上茎を用いると定義している。

 これには鼻詰まりに効果のある成分プソイドエフェドリンや、気管支喘息に効果のある成分エフェドリンが含まれる。1885年、長井長義は東京衛生試験所技手であった山科元忠の依頼により麻黄成分の研究を行い、これに含まれる天然物エフェドリンを発見、東京帝国大学医科大学(現東京大学医学部)の高橋順太郎・三浦謹之助に薬理学研究を委託。1888年にはエフェドリンの瞳孔散大、血圧上昇作用が明らかとなり、エフェドリンおよび関連アルカロイドの構造を決定した。

 この散瞳作用は眼底検査などに応用されたが、漢方における麻黄本来の薬能と結びつく薬理作用は当時の西洋科学吸収の陰で忘れ去られた漢方医学のためか、当時はその効果は知られず(当時漢方医学が無視されていたためか)、陳克恢(英語版)とカール・F・シュミットによって、気管支喘息治療に有効であることが明らかにされたのは、1924年のことであった。

 アメリカなどではエフェドラと称してダイエット用に用いられたが、危険性が指摘されて多くの国で禁止された(エフェドリン参照)。アメリカではインディアンが自生種を茶のように飲用したこともある。また古代インド・イランの古文献に見える飲料ソーマやハオマ(向精神作用があるとされる)も、マオウ属の植物ではないかとする説がある。覚醒剤の原料植物でもある。

《》麻黄が含まれる漢方処方
・麻黄湯、葛根湯、小青龍湯、麻杏甘石湯、防風通聖散など

〜[上記Wikipediaより抜粋]

 
 
 
【熊本大学薬学部・薬草園】【植物データベース】
マオウ科
Ephedraceae
シナマオウ
Ephedra sinica Stapf

URL> https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/003388.php


【英名】Chinese ephedra
【中国名】草麻黄
【花期】5月
【生薬名】①麻黄(マオウ)【局】,②麻黄根(マオウコン)
【薬用部位】①地上茎,②根および根茎
【成分】① にはアルカロイド((-)-ephedrine, (+)-pseudoephedrine),タンニン((+)-catechin)
【産地と分布】中国東北部,モンゴルに分布し,原野,砂地などの乾燥地に生育する.
【植物解説】
 草質状の常緑小低木.樹高30~70 cm.根茎は木質で厚く屈曲する.茎は細長く分枝してやや扁平で多節.葉は細かい鱗片状で節に対生し,基部は合体し,苞茎して鞘状になる.枝先か梢端に小型の花序を付け,雌雄異株.雌花は熟すと紅色肉質になり,堅果は黒褐色で長卵形.
【薬効と用途】
 漢方における重要な生薬である.地上茎は発汗,鎮咳,利水作用がある.悪寒,発熱,筋肉痛などの急性熱性疾患の初期には,葛根湯,麻黄湯などの漢方処方が用いられる.咳や喘息症状には麻杏甘石湯,小青龍湯などの処方が用いられる.また,急性の浮腫や関節水腫,腎炎などには越婢加朮湯,大青竜湯が用いられる.ただし,発汗作用が強いために,既に発汗している人には用いられない.根および根茎は逆に止汗作用がある.

〜[上記「植物データベース」より抜粋]

 
 
 
【東京生薬協会】【新常用和漢薬集】
マオウ (麻黄)
URL> https://www.tokyo-shoyaku.com/wakan.php?id=223


【基原】 Ephedra sinica Stapf, Ephedra intermedia Schrenk et C. A. Meyer又はEphedra equisetina Bunge (Ephedraceae マオウ科)の地上茎
定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,総アルカロイド(エフェドリン及びプソイドエフェドリン)0.7%以上を含む
【調製】 9 ~ 10月に草質茎を刈り取り,天日干しする.
【産地】 中国(遼寧,山西,陜西,河北省)
【性状】 細い円柱状 ~ 楕円柱状を呈し,径0.1 ~ 0.2 cm,節間の長さ3 ~ 5 cm,淡緑色 ~ 黄緑色である.外面に多数の平行する縦溝があり,節部には鱗片状の葉がある.葉は長さ0.2 ~ 0.4 cm,淡褐色 ~ 褐色で,通例,対生し,その基部は合着して,筒状になっている.茎の横切面をルーペ視するとき,円形 ~ 楕円形で,周辺部は灰緑色 ~ 黄緑色を呈し,中心部は赤紫色の物質を充満するか又は中空である.節間部を折るとき,折面の周辺部は繊維性で,縦に裂けやすい.
僅かににおいがあり,味は渋くて僅かに苦く,やや麻痺性である.
【成分】 アルカロイド:(l)-ephedrine(日局18確認,定量), (d)-pseudoephedrin(日局18定量), ephedroxane,
(l)-norephedrine, (l)-N-methylephedrine, (d)-N-methylpseudoephedrine
その他:オキサゾリジン誘導体,フラボノイド,タンニンなど
【選品】 茎が硬く,淡緑色で内心が充実し味が渋く,やや舌を麻痺する.褐色となったものや木質茎の混入のないものが良い.
【適応】 発汗,鎮痛,鎮咳,去痰,利尿作用があり,発熱悪寒,頭痛,身体疼痛,骨節痛,呼吸困難,喘咳(ぜんがい),黄疸などを改善する薬方に配合される.
【漢方処方例】
・麻黄湯(まおうとう),葛根湯(かっこんとう)
 構成生薬のうち,麻黄,桂枝の組み合わせで発汗作用を増強する.
・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう),小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
 構成生薬のうち,麻黄,杏仁の組み合わせで鎮咳作用を増強する.
・麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう),越婢湯(えっぴとう)
 構成生薬のうち,麻黄,石膏の組み合わせで,止汗,浮腫をさる.
・大青竜湯(だいせいりゅうとう)
 構成生薬のうち,麻黄,桂枝,石膏の組み合わせで大いに発汗させる.
・麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう),薏苡仁湯(よくいにんとう)
 構成生薬のうち,麻黄,薏苡仁(よくいにん)の組み合わせで関節痛,筋肉痛を改善する.
・麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう),麻黄附子甘草湯 (まおうぶしかんぞうとう)
 構成生薬のうち,麻黄,附子の組み合わせで悪寒の多い急性熱病に用いられる.

〜[上記「新常用和漢薬集」より抜粋]

 
 
 
【QLife漢方】
【成分(生薬)別の注意】麻黄(まおう)
URL> https://www.qlife-kampo.jp/study/effect/story270.html


【★★★ 成分(生薬)別の注意 ★★★】麻黄(まおう)
  麻黄(まおう)の副作用は、その主要成分「エフェドリン」の作用によるものと考えられています。

 エフェドリンとは、副腎髄質(ふくじんずいしつ=副腎を構成する部分の1つ)から分泌されるホルモンで、神経伝達物質としても知られるエピネフリン(=アドレナリン)と似ている構造のため、共通の作用があります。

 その作用とは、「交感神経(活動する時に使う神経)刺激作用」と「中枢神経(脳から脊髄につづく部分で、多数の神経細胞が集まっており、末梢神経からの情報をまとめたり末梢神経に命令を出したりする)刺激作用」です。具体的には、興奮、血圧上昇、動悸、頻脈(心拍数の増加)、発汗過多、排尿障害などの症状が起きる可能性があります。
 
【★★★ 症状を悪化させるおそれあり、服用には注意! ★★★】 
 
 狭心症や心筋梗塞などの循環器系疾患、高度腎障害、排尿障害、しばしば頻脈、心房細動(不整脈の一種)を伴う甲状線機能亢進症(バセドウ病)の患者さんなどは、症状を悪化させるおそれがあるので、麻黄を含む漢方薬の服用には注意が必要です。

【★★★ 薬を服用されている方は、併用には注意! ★★★】 
【★★★ 医師、薬剤師に相談 ★★★】 

 また、エフェドリン類を含む製剤、抗うつ剤として知られるモノアミン酸化酵素阻害剤、甲状腺機能の低下を補う甲状腺製剤、交感神経刺激作用のあるカテコールアミン製剤、気管支拡張作用のあるキサンチン製剤は、交感神経刺激作用を強めるために併用には注意が必要ですので、これらの薬を服用されている方は、診察の際に医師に伝えてください。疑問があったら、必ず医師、薬剤師に相談しましょう。

〜[上記「QLife漢方」より抜粋。]
 

 
 
 
【漢方薬のきぐすり】麻黄 まおう
URL> https://www.kigusuri.com/kampo/jiten/shouyaku/maou/


 マオウ(麻黄)はマオウ科のマオウなどの地上茎を乾燥したものです。
漢方的には、発汗、鎮咳、利水の効能があり、発熱、頭痛、咳嗽(せき)、喘息などに用いられています。
 なお、マオウには、エフェドリンという成分が含まれています。エフェドリンはドーピング検査の規制物質に指定されているので、スポーツ大会に出るときなどは、葛根湯をはじめとするマオウを含む風邪薬などにも注意が必要です。 

〜[上記「漢方薬のきぐすり」より抜粋。] 

 
 
 
【養命酒・元気通信】生薬百選・麻黄(マオウ)
URL> https://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/crude/091126/index.html


 麻黄湯の主薬である麻黄は中国北部などの砂漠地帯に分布するマオウ科マオウ属 (Ephedra)の植物の地上茎を乾燥した生薬です。右の写真はフタマタマオウというわが国には自生しない植物で、緑色の細い部位は茎、葉は節であまり目立ちませんが、黄色い花を咲かせる見た目はなんとも奇妙な植物です。

 麻黄は中国の最初の薬局方ともいうべき「神農本草経」にも収載されており、かぜの初期段階に良く使われる葛根湯にも配合される有名な生薬です。古くから麻黄には発汗作用がある事が知られていましたが、発熱、頭痛、鼻閉、咳嗽、喘息、浮腫、尿量減少、麻痺、しびれなどの症状にも用いられます。麻黄の有効成分であるエフェドリンは、明治時代に日本薬学会の創設者でもあった長井長義博士が麻黄から初めて発見した化合物です。
その後、エフェドリンは副腎髄質ホルモンのアドレナリンに化学構造が似ている事が分かり、その作用もアドレナリン同様、交感神経を興奮させ、気管支喘息の特効薬など様々な用途に使われるようになりました。

 麻黄湯には麻黄の他に桂皮、杏仁、甘草の4種類の生薬が配合されています。麻黄や桂皮にある発汗・発散作用が病因を追い出し、更に杏仁のもつ鎮咳・去痰作用や甘草の緩和作用が加わることで、インフルエンザのような症状にはよりよい効果を発揮するという事です。驚くべきことに麻黄湯がインフルエンザに対して、抗ウイルス薬のタミフルと同程度の症状軽減効果を示したということが最近報告されました。新型インフルエンザへの効果はまだ分かっていないようですが、タミフルの副作用が大きく報道されたり、タミフルの効かない耐性ウイルスが増える中で、麻黄はこの冬、注目を集める生薬になりそうです。

〜[上記「養命酒・元気通信」より抜粋。]

 
 
 
  
【わかさ生活】麻黄(まおう)ephedra sinica エフェドラ
URL> https://himitsu.wakasa.jp/contents/ephedra/



  麻黄はマオウ科の植物で主にハーブや漢方薬として利用されます。
 有効成分であるエフェドリンが喘息・気管支炎などの症状を緩和する効果があります。

【麻黄(まおう)の健康効果】
◎喘息を予防する効果
◎風邪の症状を緩和する効果
◎むくみを予防・改善する効果

【麻黄とは】 
●基本情報
 麻黄は、中国~モンゴル、日本にも自生するマオウ科の植物です。中国では5000年も前から使用されてきました。砂浜や温暖な土地でよく見られ、多肉多汁の球果をつけます。植物の根元から枝が出ており、ハーブとして使用する際は小枝や根が使われます。麻黄の名前は、舌の先を麻痺させ黄緑色にすることが由来で、動物でさえも麻黄が生えていても決して食べようとしないといわれています。

●麻黄の歴史
 麻黄は、バラモン教の聖典や「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」[※2]に掲載されています。麻黄に含まれる有効成分のエフェドリンは、1892年に長井長義がこの結晶を単離し、構造が決定しました。アメリカでは薬として、エフェドリン医療薬の原料にもなっています。薬として用いられる際は麻黄の根や茎を乾燥させて使用しており、サプリメントでは合成したものが使われてきました。特にアメリカではダイエットや筋肉の増強、代謝アップなどが期待できるとして麻黄のサプリメントは人気を博しました。しかしその後、容易に手に入れやすいためにやせ薬としてや運動能力の向上を目的に使用が広がり、不整脈や心臓発作などの副作用による被害が発生しました。このような被害が社会問題となり、安全性に関わるとしてアメリカでは2004年4月にFDA(米国食品医薬品局)[※4]により、サプリメントとしての販売は禁止されました。日本でも麻黄は医薬品として厳しく管理がされており、特に地上茎に関しては食品としての流通は禁止されています。現在は、咳を鎮める作用や体内の余分な水分を排出する作用を持つため、漢方薬の葛根湯や小青竜湯などに配合されています。

●麻黄を摂取する際の注意点
 麻黄を摂取する際は専門医に相談することをおすすめします。特に抗うつ剤を服用している方や心臓に疾患のある方、高血圧や緑内障の方は摂取を控える必要があります。また、神経を刺激する効果があるためドーピング対象物質となっています。スポーツ競技などをされる方は競技前に摂取すべきではありません。大量に摂取すると血圧上昇やひきつけなどを起こすことがあるので注意する際は適切な量を守ることが大切です。

●麻黄に含まれる成分と性質
 麻黄には、エフェドリンやフラボノイド、タンニン、サポニンを含んでいます。有効成分であるエフェドリンは交感神経を刺激するアドレナリンに似た働きを持っており、心臓や肺、神経組織に働きかけます。交感神経の興奮作用以外にも気管支の拡張作用や抗炎症作用など様々な働きがあります。

【麻黄の効果】
 麻黄に含まれるエフェドリンには、神経興奮作用、気管支拡張作用、抗炎症作用、発汗作用などがあるため以下のような効果が期待できます。ただ、効能を得るためには安全とはいえない、多量の摂取が必要となるので、十分に気を付ける必要があります。

●喘息を予防する効果
 麻黄には喘息や気管支炎の症状を緩和する効果があります。麻黄は粘膜の腫れを緩和し、気道の気管支痙攣をやわらげる働きがあります。そのため、中国では古くから何世紀にも渡って喘息の治療に使われてきました。

●風邪の症状を緩和する効果
 麻黄の小枝には発汗を促進する働きがあるため、中国では悪寒を伴う風邪の症状を緩和するために使われています。また、粘膜の血管を収縮させる作用があるため鼻づまりの薬としても使われています。

●むくみを予防・改善する効果
 麻黄にはむくみを予防、改善する効果があります。神経を刺激し、関節の痛みを取り除くことで、末梢のめぐりを促してリンパ液をきれいに流してくれます。滞っていたリンパ液が流れることで、老廃物を体外に排出でき、むくみを取り除く効果が期待できます。さらに、麻黄には体内の余分な水分を排出する利尿作用もあります。

<豆知識>より効果的なハーブの調合
 ハーブの調合には法則や原則があり、それに従って調合されます。ハーブを調合する際は体質や症状の最も適した作用を持つハーブを選び、次にそれに類似した性質を持つハーブを加えます。これは、類似した性質を持つハーブはお互いに強め合い、1種類のハーブを用いるよりも治療効果がアップするためです。また、ハーブの持つ作用は一つだけではないため、どの作用がメインになるかは、一緒に調合されるハーブによって決まります。例えば、麻黄はシナモンやベイベリーのような発汗作用のあるハーブと組み合わされると、麻黄の発汗作用が強化されるのです。

【麻黄はこんな方におすすめ】
○風邪をひきやすい方
○咳や痰でお悩みの方
○鼻づまりの方
○手足のむくみでお悩みの方

〜[上記「わかさ生活」より抜粋]
 
 
  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?