マガジンのカバー画像

読書生活

61
読書の話 歴代、哲学、金融...etc
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

やる気なくて、ルーズで下手くそな、孤高の世界

飲み屋とかうどん屋とかでもそうですが、めっちゃ古ぼけて椅子も机もカウンターもボロボロなのに、なぜかめちゃくちゃ美味しいという店があります。超名店と呼ばれるところにそういうところは多いです。 すごく綺麗で完璧すぎる高級なお店。そこの調理法とか店舗内装もすごいかもしれませんが、それはお金をかけたら真似できることは多い。 しかし。 あのボロボロの汚らしいのにめちゃくちゃ美味いというお店の場合は、真似するのが難しい。ルーズでだらしないけど味に深みがあるというのは、これは真似する

Paint It Black ロンドンのシティボーイたちが目指した遥かな世界

1950年代。エルヴィス・プレスリーがそれまでの常識をひっくり返しました。黒人は差別されて虐げられる存在だったのが「あいつらはカッコいいぞ」とプレスリーはアメリカの白人でありながら立場を逆転させたのです。 黒人を手本にせよ。 このElvis Presleyの大改革はラジオ放送によって一気に世界へと広がりました。すると「僕たちもプレスリーのようになる!」と意気込んだ若者たちが続々と登場。これがビートルズやローリングストーンズだったのです。 しかし。 ビートルズはデビュー

全身全霊の努力の後に、やり残したことはないか。

京セラ、KDDIの創業者で今の経営者のお手本のように言われる稲盛和夫氏。その稲盛氏に面白いエピソードがあります。 通信事業の開発の、かなり昔の話だったと思うのですが。会社の命運を賭けたかなり大きなプロジェクトがあったのだとか。 そのプロジェクトに取り組む社内開発チームが徹夜に次ぐ徹夜を繰り返していた時、稲盛氏が現地を視察に来たんだそうです。 すると。 社員たちが泣いている。 どうして泣いているのか?と聞くと、その開発がどうしてもクリアできない。あと一歩なのに、あと一

今日は8月7日。名も無き一人の偉人の命日。

1980年代の冷戦時代。 レーガン大統領と中曽根総理大臣が関係良く何度も往来した時期がありました。 レーガン大統領が日本にやって来られた時に。中曽根総理大臣が何か日本のお土産を持って帰ってください、欲しいものはないですか?と質問したそうです。 すると。 レーガン大統領は。 「空外の書が欲しい」 …と言ったそうです。 空外(くうがい)…?? 空海ではなくて、空外? 誰か知ってるか。 側近に尋ねても誰も知らない。 そして、調べさせたら。 確かに。 空外とい

山口県下関市のお土産は一枚の葉っぱでした。その葉っぱにまつわる物語。

1644年から1912年まで中国大陸を支配したのは清帝国。その清帝国は満州民族が作った国でした。 満州民族とは、中国大陸のかなり東側にいる民族で、弁髪をしているのが特徴的。漫画ドラゴンボールに出てくる桃白白(タオパイパイ)や映画のキョンシー。あれらは満州民族のファッションスタイルです。 その清国は1912年に滅亡。 最後の皇帝だった愛新覚羅 溥儀(あいしんかくら ふぎ)は首都の北京から逃亡し祖国の満州エリアに逃げ込みます。そしてそこで再起を図ろうと考えます。 ちょうど