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深海からのメロディ:水圧に耐えて聴き入る

前にある著名アニメ作家の作品群を順に論じていく本を出しました。二冊です。姉妹関係にある二冊です。それぞれ私の個人的な辛いできごとを書物に(というか刊行に)昇華させたものです。今ツイッターで、その一冊をリアルタイムで少しずつ読み進めている方がいて、いろいろつぶやいておいでです。これがなかなか味わい深い。ああこういうところをこう読まれるのか、生まれたときからずっと親しんでいる作品を誰かの手でメスを入れられるのはこんなに怖いのか等、面白く追わせていただいています。

私自身がちょうど今それに近い日々を送っています。ひとの著作を読んでびくびくするのではなく、自分自身で書き進めながら、できあがっていくものに日々ナーヴァスになってしまうのです。子の成長に心を揺さぶられる親とか祖父母とか親しい親族とかの心境でしょうか。深い海の深みに向かって、この子が深く静かに潜航していくのを、海上の母船からソナーや超音波電話で追いつつ連絡を保っているような。

今日も平和な朝。しかし、息が詰まる。



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