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おはなしエンジェル 子ども創作コンクール『青信号が手を振って』-メイキング

「おはなしエンジェル 子ども創作コンクール」とは
多くの子ども達に創作を通して物語の楽しさを体験してもらおうと創設された、子どもの創作文コンクール。
優秀者には作品を素材にして画家・イラストレーターが描き下ろした原画がプレゼントされます。
中学生の部 金のエンジェル賞
『青信号が手を振って』

著:中村はるこ
クライアント:くもん出版

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いつものように横断歩道を渡ろうとしたとき、
歩行者用信号機の青信号の、歩くポーズをした人が手を振った、気がした。
気づけばそこは、まさに「信号機の世界」だった──

公式ホームページでイラストとともに受賞作を読むことができます。


1:打ち合わせ(約5日)

・サイズ:B6(縦横どちらでも可。必ず塗り足しをつける)
絵の中に作品タイトルと著者名、描き手のサインを入れる
・絵の活用方法:原画を額縁に入れ、表彰式にて受賞者にお渡し
 また、コンクールのウェブサイトにて絵を公開
デジタル制作の場合、仕上げを手で書き足すなど手作り感を出す
・納期:約2週間

企業さんからアナログ原画をご依頼されたのはほぼ初めて。
原画を郵送することを考えると作業時間も少し短くなるので、そこも踏まえてスケジュールを組みます。

2:ラフスケッチ(約3日)

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ラフはPhotoshopで。
青信号のピクトグラムと同じポーズで横断歩道を渡ろうとしている女子中学生。バックは赤と青(緑)を縦に並べて、歩行者信号のように。
サイズがB6と小さめなので、あまり細かく描き込むよりはシンプルで印象的な構図がいいかなと思いこうなりました。
フォントはかんじゅくゴシック

このお話は若干のホラー味というか、「世にも奇妙な物語」的な空気を感じた(個人的にとても好み!)ので、かわいいけどちょっと不安になる…みたいな印象にできたらいいな〜と思いながら。

3:シャーペンと色鉛筆で描画(約3日)

絵の具で塗ろうかどうしようか迷ったのですが、ご依頼概要から「手描きのあたたかみがあったほうがいいかな〜」と思い今回は色鉛筆をチョイスしました。

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最初に薄くシャーペンで輪郭線を描き、丁寧に少しずつ塗り重ねます。

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色鉛筆で広い面積を塗るとものすごく肩が凝ります…^^;
細かく、かつ濃い色の髪の毛は最後に。

4:完成

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ご依頼から作品到着までは13日ほど。
CG仕上げよりもやわらかい印象です。
色鉛筆の手描き作品は、スキャンや写真だと色の再現が難しい。のでお仕事では滅多にやらなくなったのですが、久しぶりで楽しかったです。
原画が実際どんな色だったのかは、受賞者さんだけが知っている…ということで。

若い子が創作や物語に親しむ機会を促すお仕事に関わりたいな〜と常々思っているのと、本作が個人的にも好みだったのとで倍嬉しかったです。
中村はるこさん、受賞おめでとうございます。

サポートしていただいた売り上げはイラストレーターとしての活動資金や、ちょっとおいしいごはんを食べたり映画を見たり、何かしら創作活動の糧とさせていただきます。いつも本当にありがとうございます!!