ある午後の麻雀の風景

 三十数年前のある午後、私達は麻雀をしていた。
卓を囲んでいたのは青林堂編集者の山ノ井靖さん、
その奥様で漫画家の芳賀由香さん。
場所はそのご夫婦のアパート。
あと蛭子能収さんと私。

 もう一人まだデビュー前のねこぢるがいたが、麻雀はできないので、後ろで漫画を読んだり、ゲームをしていたと思う。 昼をだいぶ過ぎたので、なにか食べようという事になった。
 麻雀を中断したくないので、どこかで何か買ってきて、食べながら続けようということだったのだが、
これがいい、いやあそこの何々の方が旨い、となかなか意見がまとまらず、
おつかいに行くねこぢるが痺れを切らして、「なんでもいいけど早くして。」みたいなことを、割と鋭く言ったと思う。
 そこで「私が払うから」と寿司を押していた蛭子さんに決まった。

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