データ・アプリケーション(3848) 取材(2024/3 4Q後)書き起こし

【銘柄勉強会】新中計でROE15%へ!株主還元や今後の戦略について社長に直接聞いてみた!データ・アプリケーション


本記事は2024年5月24日に公開された【銘柄勉強会】新中計でROE15%へ!株主還元や今後の戦略について社長に直接聞いてみた!データ・アプリケーションの書き起こしとなります。
※尚、文字化するにあたり表現・内容を一部省略・編集しております。

■出演者
株式会社データ・アプリケーション安原代表取締役社長(以下、安原氏)
1UP投資部屋 KEN
1UP投資部屋 いとちゃん
【銘柄勉強会!】新中計でROE15%へ!株主還元や今後の戦略について社長に直接聞いてみた!データ・アプリケーション

資料
・2024年3月期決算説明資料
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3848/ir_material_for_fiscal_ym1/156583/00.pdf
・2024年3月期決算説明動画
https://www.net-presentations.com/3848/20240524/grhfe733jg/
・中期経営計画(2025 年 3 月期~2027 年 3 月期)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3848/tdnet/2436908/00.pdf
・公式note「DAL通信」2024年3月期決算概況・中期経営計画ポイント解説
https://note.com/dataapplications/n/n10e8415f9be9

■株式会社データ・アプリケーション(3848)
企業内外のデータ連携(※EDI)に関するソフト開発・販売およびコンサルティングを行っている。
HP:https://www.dal.co.jp/
※EDIとは?:https://www.dal.co.jp/column/i-edi/


【1.はじめに】

KEN&いとちゃん:銘柄勉強会「データ・アプリケーション編」ということで、本日はデータ・アプリケーションの安原社長にお越しいただいきました。よろしくお願いいたします。

安原氏:よろしくお願いいたします。

KEN:普段は、取材した内容を動画にする企画ですが、今回は1年ぶりに安原社長にお越しいただいたので、直接お話を伺えればと思います。

【2.直近の決算(2024年3月期)について】

KEN:早速ですが、直近の決算(2024年3月期)の振り返りをさせていただければと思います。もともと期初の予想は売上高が26億、営業利益4.1億だったかと思いますが、1度上方修正され、更に営業利益が少し上振れて、最終的に売上高が29.19億、営業利益が5.49億で着地されていますね。
1Qから好調で、2Qも利益が上振れ、3Q4Qで広告宣伝費を使って認知を拡大させていて、投資家からすると良い1年だったと感じるのですが、安原さんとしてもかなり良かったのでしょうか?

安原氏:上期が非常に順調だったのですが、中身をみると売り切り型のソフトウェアで特需であったり、バージョンアップの案件があったり、想定以上の割り増し保守(保守期間を延長して使用する際に発生する)が受注できたりというものでして、それら一過性の要因を除くと25.5億くらいが実際の数値と認識しております。

【3.2025年3月期の通期予想】

KEN:2025年3月は売上高が26億、営業利益が3.5億の予想で、2024年3月期の特需が剥がれてくることで、減収減益になるという理解でよろしいでしょうか?

安原氏:はい。補足すると、当社では昨年度(2024年度3月期)に採用を進めていましたが、3Qまで採用が進まず、4Qになって多くキャリア採用が進んだことで、2025年3月期の固定費が増える見込みとなっております。

KEN:今期6%の年棒引き上げも実施され、それらを行いながら3.5億の営業利益が確保できるという見通しですね。
 また、キャリア採用が進んだとのことですが、エンジニア採用が多いのでしょうか?

安原氏:エンジニア・営業どちらも採用を行っております。

【4.業績について】
KEN:2024年3月期4Qで大きな広告を行っておりますが、安原さんはどのような効果を感じていますか?

安原氏:趣味・仕事で行っているゴルフの際に会う人たち”ほぼ全員”から「CM見たよ」との声を頂いたり、親戚からも連絡があったりと、非常に認知度が上がっているのを実感しています。また、マーケティングからは「データ・アプリケーション」での検索が増えている・新卒採用の問い合わせが増えているとの声があったり、少数ですが大手のお客様からの問い合わせもあったりと、会社としても効果を実感しています。

KEN:認知度が上がることで、最初の営業がやり易いという効果もありますよね。ゴルフも営業を兼ねていることも多いかと思いますが、認知度があがることで、次のアクションも取りやすいですよね。

安原氏:ええ、取りやすいですね。

KEN:今期も広告宣伝費がなければ、営業利益7億くらいは到達していたのかなと思います。

安原氏:おっしゃる通りですね。

KEN:リカーリング売上について、2024年3月期4Qが508百万円と2024年3月期3Qの545百万円と比較して、やや減収(−37百万)していると見えますが、どのような要因が影響しているのでしょうか?

安原氏:リカーリングの内容は【サブスクリプション+メンテナンス(保守)+タームライセンス】なのですが、サブスクリプションが伸びた一方、メンテナンスの一部解約やタームライセンス(新しいバージョンへの入れ替え時に、移行期間で古いバージョンも同時併用する際に発生する利用料)の解約で、リカーリング全体でマイナスに見えております。しかし、主力のサブスクリプション部分は伸びています。
 先ほど、特需要因でバージョンアップが多かったとありますが、バージョンアップが多い=ターム契約も多くなっております。

KEN:「保守」に関してはどういった要因で解約が増えたのでしょうか?

安原氏:ISDNというNTTの回線があるのですが、廃止になったことで、ISDNより早いインターネット回線に移行することとなり、EDIが従来より早くなったことで、ライセンス数の収束が可能となったためです。また、移行は済んでいるため、今後の影響は少ないと考えております。
 後は、我々のパートナー様がACMS上でサービスしているものにオンプレミスミスから乗り換えるという、我々のユーザーであることは変わらないのですが、自社で持っていたものをサービスに切り替えるといった要因もございます。

KEN:2025年3月期の販管費内訳について、採用増に伴う人件費増などが影響しているのか、全体でやや重めかなと感じておりますが、いかがでしょうか?

安原氏:おっしゃる通り、2024年度3月期に比べて人件費は増えております。一方で広告宣伝費や(事務所を移転した影響で)家賃等は減少見込みです。

【5.中期経営計画について】

KEN:2027年3月期までの中期経営計画を出されていますが、利益指標にEBITDAを起用された理由について伺ってもよろしいでしょうか?

安原氏:これまで以上にM&A等に着目して、推進していくという意味や将来的な株式報酬を受け取っている事も含め、EBITDAを指標とした方が投資家の皆様と公平であると考えたからです。

KEN:今、市場で注目されている株主還元方針について、配当下限(25円)の設定や自社株買いも選択肢に入れる等、社内でどのような議論があったのでしょうか?

安原氏:もともとDOE3.5%という方針を掲げていましたが、更なる安定配当を意識して、設定いたしました。2025年3月期は減収減益で、厳密に計算すると配当はやや減少すると思いますが、25円を安定的に配当しても何も経営的に揺るがないと考えております。
今、ソフトウェアの売り切りからサブスクリプションへ移行しているビジネスモデルの過渡期という事もあり、一旦売上は下がりますが、投資家の皆様に安心していただき、応援いただきたいという思いで、今回の還元方針を設定しました。

KEN:株主優待も導入されていますが、今後も継続していく予定でしょうか?

安原氏:はい。引き続き実施していく予定です。株主優待は、もともと1,000人に満たなかった個人株主様を増やしていきたい(流動性を高めたい)という思いで導入しました。効果もかなりあったと感じていて、継続していこうと考えています。

KEN:キャピタルアロケーション方針でM&Aに加え、自社株買いも表記されているのが、意外だと感じましたが、この点いかがでしょうか?

安原氏:可能性として記載いたしました。どちらも実施すると名言はしていませんが、可能性として考えております。

KEN:ROE15%以上を設定されていますが、計算すると自社株買いとか実施しないと難しそうだなと思っていて、だから記載しているのかなと勝手ながら理解しております。

安原氏:ご想像にお任せします笑。しかし、確かに厳しい数字ではあるので、頑張っていきたいと思います。

KEN:2025年3月期は一旦減収となる見込みですが、2026年3月期は2025年3月期より増収増益を目指しているのでしょうか。

安原氏:増収になるか、減収になるかは未だ控えさせていただければと思います。

KEN:例えばM&Aや投資した方がいいというタイミングであれば、2026年度3月期は減益の可能性もあるけど、最終的には2027年3月期の目標に到達するイメージでしょうか?

安原氏:はい。最終年度(2027年3月期)は間違いなく、売上高33億になるように目指していきます。

【6.新サービスPlacul(プラカル)について】

KEN:改めて「Placul」について説明いただいてもよろしいでしょうか。

安原氏:一言で説明することが難しく、実際に使っていただくことが一番なんですよ。近々専用専門サイトができるので、皆様にご覧いただきたいと思っています。
 とはいえ、説明させていただくと、世の中にクラウドで提供されているコレボレーションツールは色々有るかと思いますが、それらは組織的な管理をするツールと捉えていて、一方「Placul」は社員個人が自律自立管理できることが特徴のツールです。
 今、IT業界でテレワークができない会社はないと思います。その中でオフィスワークでもテレワークでも同じようなチームで仕事ができるように、リモートワークとハイブリッドハイブリットワークの課題解決と個人の目標を支援できるツールとなっています。
 所謂、マイクロソフトのTeamsやタスク管理のツールを導入されているかと思いますが、「Placul」が一部を取って代わるイメージです。既に我々のエンジニアのチームは「Placul」で作業しています。また、世の中の色々なツールと連携できる機能があり、今まで使われているツールと併用することも可能です。
 2024年7月17日からサービス開始しますが、まずは小さなチームから使えるスタンダードの機能から提供を開始して、最終的にはプロフェッショナルエディション・エンタープライズエディションと中期経営計画の最終年度(2027年3月期)、もしくはその来年度には、大きな法人単位で使っていただくようなサービスにしていきたいと思っております。

KEN:売り方について、今はパートナーさんと連携されているかと思いますが、同じような販売方法となるのでしょうか?

安原氏:今、主力製品を販売いただいているパートナーさんへお願いしても、現在のデータ連携やEDIとは全く違う製品になり、もし販売いただくとしても別部署になろうかと思います。そのため、まずはWEB上での直販を第一に考えております。その次に、パートナーとのチャネル戦略を考えていきたいと思っております。
 また、こういう商品は口コミで広がることが多いと現場からは伺っていて、似たようなツールも爆発的に広がることは無く、じわじわ広がっています。
 そのような想定なので、新中計で「Placul」が占める割合はほとんど無いです。

KEN:今は手探りかと思いますが、最終的にはどれくらいの規模のサービスにしていきたいのでしょうか?

安原氏:未だブラッシュアップが必要と思っていますが、最初のビジネスプランでは二桁億以上にしていきたいという思いがあります。

KEN:足元、テスト段階だと思いますが、感触はいかがでしょうか?

安原氏:当社の中でも技術部門は当然に使っているのですが、実は中期経営計画も「Placul」で管理しております。
 例えば、中計で設定している「データ連携市場の拡大、コラボレーション市場への進出、M&A・海外展開」目標に対して、各部門・各グループで何をやっていくのか、「Placul」で細かく管理しております。

【7.視聴者の皆様へ】
安原氏:今、当社は売り切りモデルからサブスクモデルに変更しようとしている転換期で、併売する形を取っています。これがもし、サブスクモデルがスタートした2020年度にサブスクだけに絞っていたら、一気に売上が落ちてここまで右肩上がりにはなっていなかったと思います。
 これまでは売り切りモデルが前年規模で着地し、そこにサブスク分が上乗せされて成長してきたという事が4、5年続いてきました。しかし、2025年3月期は一部売り切りモデルも残るが、サブスクメインに振り切ろうと思っていて、通常の営業もサブスクモデルしか行わないというように、転換していこうと考えています。
 そのため、一時的に減収減益が見えてしまいますが、それを乗り越えた次の中計では、安定的な収益モデルへと変わっていると思いますので、皆様には引き続き応援いただきたいと思っております。

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