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0130 私の名探偵の話を聞いてくれ


(追記)一部記事の改行等を修正。(2024年2月2日)

1.出会いについて

出会いは両親の実家で、本を探しているときでした。当時、私はコナンくんと同じ年頃で、読書好きでした。その日も本に飢えていました。

そこで、初めて彼と出会ったのが『名探偵コナン』でした。同じくらいの年齢(実際は私よりも年下かもしれませんが)の男の子が事件を解決する姿は、夢のような状況に感じられました。トリックや犯人の動機は理解できないことも多かったですが、それでも私はコナンに引き込まれていきました。

そして、高校生になると第二次コナンブームが巻き起こりました。その理由は簡単で、主人公の工藤新一や毛利蘭、鈴木園子と同じ年頃になったからです。彼らに感情移入しやすかったことは言うまでもありません。

この頃、私が一番感情移入しやすかったのは園子でした。お互いを思いあう様子にやきもきしながらも、何かじれったい魅力がありました。彼らの関係をからかい半分、応援半分で見ている園子の姿には、なんとも共感してしまいました。美人な友達が隣にいたらやっかみたくなる気持ちも、よく理解できるものでした。

2.話したいことについて

実は、今回話したいのは、さっきの園子のくだりにもつながるのですが、「新蘭がマジ尊い」という話なのです。いや、はじみゆもいいけど、私の中だと初のCP推しになったのはむしろ彼らのほうだったりします。ですので、何が尊いと思っているか叫びたくて、今回のnoteをしたためました。

3.新蘭のいいところについて

1.可愛い

言い方がBBAみたいですが、どっちも可愛いんです。だって、新一くんも蘭さんもお互いのこと考えたら調子が狂う感じが可愛いんですから。

例えば、コナン第10話『プロサッカー選手脅迫事件』。この話だと蘭さんのほうが完全に調子が狂っています。彼女は『新一の彼女(偽物です、何でそんなことしたかは7巻と8巻を読むか、コナン10話を見ましょう)』を名乗る人物が現れた際には、怒りと殺意で新一くんを血眼になって探しています。しかも、彼女は新一君がほかの女の子と付き合っていると信じ込んでしまい、「泣きたいのはこっちのほうなのに」と目に涙をためて彼を詰問しています。
論理的に考えればキレる道理はないかもしれません。でも、蘭さんは(第87巻参照)自分の本音よりも周りの子の幸せを願うような献身的な女の子です。そんな彼女にとって本音で付き合える人物の一人が新一君だったのでしょうから、それを裏切られたら傷つくのは当然でしょう。

お次に、第32話『コーヒーショップ殺人事件』。こっちはコナンくん(新一くん)の調子が狂う話です。簡単に言うと、「ウソついて、自分より大事な人に会いに行く」と蘭さんが嘘をついたことを機に、一切関係ない人に嫉妬と怒りを向ける話です。しかも、彼はその人をキック力増強シューズで蹴りつけようとするという暴挙に出ようとしています。(人を殺す気か)
こっちは「蘭が誰と付き合おうと俺の知ったこちゃねー」とまで言っていて、自分が口出ししていい状況ではないことはうすうす気づいています。でも、彼は追いかけちゃいました。正直、探偵というより、一人の少年としての性での行動としか思えません。

このように、二人はお互いのことになると、平気ですれ違い、勘違いし、推理さえ外すのです。その姿を見ていると、「優等生の毛利蘭さん」と「天才探偵の工藤新一くん」が凄く人間味あふれた人物に見えて、お互いの魅力が増すので尊いです。つまり、二人の掛け合いは可愛いということです。

2.心が温かくなる

お互いを思いあう描写はいつ見ても笑みがこぼれます。なんだか『賢者の贈り物』を読んでいるような、暖炉の炎をジッと見つめているようなそんなホカホカ感があるのが、新蘭の魅力です。

例えば、第170~171話『暗闇の中の死角』のオチ。蘭ちゃんは新出先生にやたらと熱い視線を送っているのですが、その原因はなんと彼の身につけていたセーターだったのです。そのデザインを見て、「そろそろ寒いし、新一に編んであげようかな」って真心100%の考えが頭を過った結果なのです。(その話を通して、「蘭は新出先生が好きなのでは?」と調子が狂うコナンくんの姿も可愛いですが、その話は置いといて)それに、少し思考を拡張すると、蘭ちゃんにはセーターを着た新出先生の姿が、同じデザインのセーターを着た新一くんと重なって見えたのではないかと思うと、心が満たされるのです。

では、そんな優しい蘭ちゃんに新一くんは何をしたか?それを物語っていたのは、第266~268話『バレンタインの真実』です。誰にも渡せないチョコレートを見て泣いちゃう蘭ちゃん。誰もいないところで泣くあたりが、本音を思わず包み隠しちゃう彼女らしいですが、見ていて切ないです。それを見ていたコナンくん(新一くん)のとった行動はなにか?こっそりチョコレートを食べてあげ、しかも泣きつかれて寝ちゃった彼女にこっそりコートをかけてあげるというもの。(第33巻の次エピソードの表紙を見てると苦労してコートをかけているのがわかります。)この時点で胸が暖かくなりますが、特に気に入ってるのは、この話の最後の会話なのです。

『でも、変わってるよな。桃型のチョコなんて…。』
『桃型…』
『桃の味はしなかったけど、すげーうまかったよ。』
『ほんと?』
『ああ、今まで食べた中で一番いけてたぜ?あんなチョコ、どこで買ったんだよ?』
『ダーメ!教えられないよ!私だけが知ってる、とっておきのお店なんだから。』

いや、君、ハートってわかってたよね?それはそうと、新一くんはプライドが高いので、自分が見抜かれる側に立つことを嫌がる、ませた男の子です。(というか、小学生の頃はクソガキって言っても過言じゃない気が…(第55巻参照))
それなのに、このチョコレートの話だけは素直に「美味しかったよ」と言ってるのです。つまり、このシーンは自分のプライドよりも蘭ちゃんに笑ってほしいという優しさを優先させた名シーンだったりするのです。優しさには優しさで返すという、彼の心の温かさがにじみ出ている気がするのです。この話はオチが胸熱ですし、ミステリーパートも面白いので、おすすめです。
とどのつまり、お互いを思いあう優しさに胸を打たれるということです。

3.約束されたハッピーエンド


しかも、この二人の関係性を盤石にしているのが、「コナン」の存在だったりします。正確には、幼児化するという根本的な問題というべきですね。ここから先は私の考察パートになります。
コナン前の二人の間には、実は、「壁」があるのです。なぜなら、お互いに「私(俺)はこの人のことが好きだけど、相手はどうなんだろう?分からない」と客観視が全くできない状態がお互いにとって不安になっているから。お互い好きなのに、自分から言い出す勇気を持てない状態です。その関係が進展したのは、新一くんがコナンくんになったことなのです。
この時、二人の間にあるものが「壁」から「マジックミラー」に変化しています。蘭さんには「時折鏡の奥に彼が見える気がするけど、すぐに消えてしまう」、新一くん(コナンくん)の場合は「鏡の奥に蘭ちゃんの本音が常に見えている」(それに、1巻で蘭さんは新一くんへの好意を明かしてしまっている)状態なのです。
だから、「伝えたいことが分からないけど、彼を必要としていた自分に気づく」蘭さんと「伝えたいことがあふれるほどある」新一くんの構図に変わっているのです。87巻みたく、新一くんの半分片思い状態ですね。そして、その関係性に終止符を打ったのが、第286~288話の『工藤新一NYの事件』なのです。そこのラストで、蘭さんは本格的に新一くんへの好意に気づくのです。
だから、それ以降の彼の復活シリーズでは「私だって言いたいことがいっぱいあるの!」と蘭さんも新一くんと同じことを考えるようになっているのです。
つまり、順番的には
「①新一くんも蘭ちゃんもお互いのことが好きだけど、お互いの気持ちが分からないから伝える勇気が出ない
②コナンになったことで、新一くんは蘭ちゃんに思いを伝えたいという気持ちになる。ただし、蘭ちゃんは心配なだけで、好意に関しては微妙に無自覚
③NYの回想後、蘭ちゃん自身も新一くんに思いを伝えたいと思うようになる」
となっているのです。
その結果が、「新一くんが先にロンドンで告白」し、「蘭さんが後から京都で告白」するというハッピーエンドなのです。つまり、新蘭はこのコナンという作品の中で一番丁寧に成長描写を描かれているカップルなのが魅力ということですね。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は『名探偵コナン』の中でも、特に新一くんと蘭さん(新蘭)に焦点を当ててお話しました。この二人は、お互いに深い信頼と愛情で結ばれていることがうかがえ、その絆が物語の中で描かれることが多いです。

そして、新蘭の関係性には、緊張感やドキドキ感、そしてほんのり甘酸っぱさが詰まっています。彼らの掛け合いや、お互いの思いやりの表れなど、読者を引き込む要素がたくさんあります。彼らの成長や進展に期待しながら、物語を楽しんでいただければ幸いです。

というか、新蘭クラスタ増えてくれよー!だから、この二人はレベチなんだよー!

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