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徒然なるままに七瀬美雪の魅力を語る回


はじめに

今回はドラマ版の美雪さんが大好きって話なので、本編とは関係ないスピンオフ的な扱いで読んでください。

0.そもそも何者なのか

言わずもがなと言いたいところですが、読者の皆さんに「これくらい常識だよ?」と押し付けるのは嫌いなので、まず最低限の情報だけ。

『金田一少年の事件簿』シリーズを通した主人公・金田一はじめの幼馴染でヒロインである。ちなみに、原作・アニメ版と異なり、はじめとは転校してから10年ぶりに再会し、幼いころ結婚の約束を誓った仲だった。

ここまで。え?短い?ここから長くなるのに、ここで尺稼ぎしたくn……いえ、呼んでもらう労力を割いていただくのは申し訳ないので、ここまでってことです。

1.ドラマ版美雪の魅力について

①どんな人も公平に接する

『学園七不思議殺人事件』から全エピソードで語れる長所ですね。以前、首無し村の時に「人の呼び方でその人の人となりが見える」という話をしたと思うのですが、美雪の場合は特に「誰に対しても分け隔てなく平等に接することができる」ことが彼女の魅力ではないかと思います。
例を出してみましょう。ここでは『学園七不思議殺人事件』の話をします。
みなさんに思い出していただきたいのですが、真壁くんの盗作が終盤あたりで発覚し、鷹島さんはそれ以降真壁くんのことは一切名前で呼ばずに「グズ!」など貶めるような呼び方で呼んでいました。しかし、美雪ちゃんのほうはどうだったかというと、そんなことは一切せずシリーズ全てを通して「真壁くん」は「真壁くん」呼びで統一されていましたよね。(例:『首吊り学園殺人事件』)そこに、相手がたとえどんな屑な行動をとっていても、一人の人間として尊重する「聖母的ヒロイン・美雪」の原作らしい一面が顔を覗かせていたような気がします。

②どんな相手も見捨てない

これははじめに対する態度でもそうですが、鷹島さんに対する態度においても言えることではないかと思います。先ほどの「どんな人も尊重する」姿を素敵だと私は言いましたが、それははじめや鷹島さんにも言えることだなという印象的なエピソードが『オペラ座館殺人事件』ですね。
鷹島さんに至ってはいたずらのつもりが月島先輩に一生モノの怪我を負わせて果ては自殺に追いやっているわけなので、ハッキリ言って人殺しと言っても過言ではありません。(正直、私なら「自業自得」と切り捨てて怪人の前に彼女を突き出しそうですが)美雪ちゃんは鷹島さんがオペラ座の怪人の襲撃を受けた際に身を挺して彼女のことを守ろうとしています。つまり、彼女は鷹島さんが殺されてもおかしくないような大ごとをしでかしていても、彼女のことを助けようとしていたということです。
屑な人間でも決して見捨てようとしないのは、S2の『異人館ホテル殺人事件』でも言えることですよね。犯人に対して怒りをぶつけながらも、それでも罪を償ってほしい、生きてほしいと銃を突きつけられても声を上げるという勇敢な行動をとれたのも、被害者だけでなく犯人に対しても「見捨てたくない」「可能なら助けてあげたい」という優しさなしではとれなかった行動ではないだろうか、と私は素直に思いました。(いずれ感想は出しますが、これ前半もうちょいどうにかできなかったのか……とその分悔しくなる回でした。)

③優等生なのに、凄く素直

優等生と呼ばれるタイプって、自己肯定感と共に万能感から人を頼ることが下手くそなタイプが多いんじゃないかって私は個人的に感じるんですよね。「いや、こんな状況でも自分ならうまくできるはず」とか「まさか自分に限って失敗するなんてことは……」とか慢心しちゃう傾向にあるんじゃないのかっていう。こう思うのは、金田一と双璧を成すあっちの主人公がこういう人物だからっていうのに他ならないのですが。
美雪は実際、『首吊り学園~』の序盤で成績1位を取ることができますし、『秘宝島~』の中盤みたく和歌の現代語訳を自分でできるスーパーウーマンです。(ここをご都合とかいうな)だから、一見すると人を頼るどころか傲慢になりかねない要素のある人物なのですが、事件が起こったり自分が素直に太刀打ちできない状況だと勘ずくと、はじめに「怖い」とか「頼りにしてるんだから」とさらっと言えてしまうんですよね。しかも、甘えているのかといえば、そうではない。だって、S2の『怪盗紳士の殺人』では、はじめにとんだ無茶を頼まれてもやってのけてくれましたから。彼に甘えるどころか頼られたら責任をもって行動してくれるので、ヒロイン通り越して相棒感のあふれる人物だと思うんです。はたまたはじめが犯人として疑われる状況があれば誰よりも最初に彼の無実を確信してくれるという意味でも最高のヒロインでもある。だから、私はこういう美雪の素直なところも彼女の魅力でもあるように感じますね。

④大人に見えて、子供っぽさもある

④の題名が長い!と思ったらごめんなさいね。でも、美雪は先ほど述べた通り人間としての魅力にあふれた成熟した人物に見えるのですが、そうでもないのがはじめに対する態度で分かるんですよね。
例えば、はじめが引越しをすると聞いた際は珍しく確かめもせずに「なんで私に黙ってたのよ?そんな軽いノリで……もう知らない!!」と怒りを露にしています。理路整然とした人間の考え方じゃないですよね。
それだけじゃありません。秘宝島の時には碧にべったりのはじめに対して「バーカ、バーカ!」とクリス君を引きずってやきもちを焼かせようとしていますよね。正直、自分が僻んだり妬いたりしているのに、はじめにこっちを向いてほしい一心で取ったちょっと大人げない行動といえます。(正直、そんな大人げない行動をとりたくなるほど異性に好意を持ったことはないので、私のほうがうらやましく感じましたね。)
原作・アニメの美雪だと「はじめちゃんのバカ!」と怒りながら引くところを、こっちの美雪の場合は怒りながら押していくのが女子高生らしいというか、大人になり切れていない魅力のある美雪だから私は好きです。

⑤演じたともさかりえさんが凄すぎる

どんな人も見捨てない優しい人物である一方で、主人公に対してはついつい大人げない態度をとってしまう相反しかねない要素を持ったヒロイン・美雪。皆さんはこんな人物を、3次元の自分の肉体に召喚することはできますか?しかも、ドラマの後にアニメなうえ、微妙に性格が違うので、このヒロインは周りのキャストと掛け合いをしながら一から作り上げないといけない状況です。
りえさんの場合はどうだったかというと、その難題を退けるだけでなく、美雪が美雪らしく見える距離間の演出もなさっているように感じました。これは何度も話したのですが、「10年ぶりに再会」という状況なので、ハッキリ言って原作を読んでもはじめと美雪の距離感は全くあてになりません。そこをたどたどしく「金田一くん」と呼んだり、「さすが……」のところで少しためらうような、言って大丈夫かな?と目配せするようなトーンで話をしたりするところに工夫を感じました。その一方で、S1に入ったら「はじめちゃん、なんとかしなさいよ!」と強気なトーンではじめの背中を押したり、閉じ込められて死にそうになった時には「私たち、どうなっちゃうの?」と距離感関係なくきちんとパ二クったりしています。つまり、こちらにも危機感や喜怒哀楽の感情がひしひしと伝わる表現を見せてくれているんですよね。
だから、私は彼女もまた剛さん同様天才的な役者だったと考えざるを得ませんし、その考えはおそらく一生変わらないと思います。「りえさんなしには美雪はいなかった」と言っても過言じゃないくらい、私は彼女のことが大好きです。

2.まとめ

長くなっちゃいましたが、自分が美雪に対して「大好き!!」と思えるポイントを語りました。
最初は「コナンと違って実写なのに成功してるな~、なんでなんだろ~」と結構失礼な考え方から始まったのに、いつの間にか(ベル星人が創ったものよりもずっと深そうな)底なし沼にはまって今ここにいます。
脚本家や監督、演出さんや美術さんなど数えきれないスタッフの皆さんやテレビ局の方々に支えられている作品であることは無論存じ上げていますが、それでもこの作品が凄いな、人に薦めたいな、この感想を誰かと分かち合いたいな、と思える大きな原因の中に、この美雪の存在があるような気がします。
最後に、ともさかりえさんへの感謝でこの投稿は締めさせていただきたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

(オチ)蝋人形城の没サムネがなんとなく、めっちゃ合いそうな気がしたから変えました。

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