Brexitを間近で見守っていた日本人
※これは以前FBに投稿したシリーズ第3弾です。今回は英国大学院留学中に起きたBrexitを問う国民投票について現地民をまじかで見ていた感じたことを記してみました!ついでに付け加えると私のいたシェフィールドは51%離脱に投票したとの結果が出ています。
2016/6/29【民主主義とは?】(※個人的意見です)
6月23日の国民投票を受け、イギリスは超国家機関であるEUを離脱することを決定した。私の周り(日英の友人)には「残留」を支持する人々で溢れかえっていた。だが英国に9ヶ月いて思ったのが、「離脱」の結果は思っているほど想定外のことではないということである。「残留派」を支持する人々も100%支持していたわけではない、総合的に「残留」の方が利点があると考えているだけである。つまり個人の「残留対離脱」は「6:4」かもしれない。少しのきっかけで反転することだってありえた。
CNNが公開した投票データには年齢層や投票地でデータが細分化されているので、参考までに見てみてほしい。投票結果を踏まえて、他の記事では「富裕層は残留を支持し、地方・貧困層は「離脱を支持している(“If you've got money, you vote in ... if you haven't got money, you vote out”)」とか書かれており、日本でも世界でも経済的打撃の話しか報道されていない。「経済が...」とよく言う人がいるが、忘れてはならないのがいかなる投票も「経済的視点」だけで行われるわけではない。日常的な感情が生み出す不満や疑問もある。特に「恐怖」は民主主義を操るツールとしては最も効果的であり、従来の政治が「恐怖」に立ち向かうことなく、「不安」を除去することなくきてしまったツケが回ってきたことの表れだと思う。こうした国民の声を「浅慮」や「不合理」だと決めつけるのはどうなのだろうか。これを否定することは例えば司法制度でいう陪審員を否定するのと同じだ。法律の専門家ではなく、一般市民が日常的な感覚から生まれる判断を善とするはずの制度に対し、専門家の意見を鵜呑みにし、意図を酌んでほしいと言っているのと同じことだ。
民主主義とは、いかに人々がに経済・社会・文化的身分が違っても平等に一票が与えられている制度である。一部の報道では「若者の声(残留派)」の意見を掲載した記事があった。そこでは”A 90 year-old has more of a say in the rest of our lives than we do.”と書かれていたが、年齢も例外ではない。それに若者の「4人に1人 / 25% 」は離脱を支持していた。これを少ないと見るのか、多いと見るのかはこの数字を見る人の支持思想によるだろうが、絶対的な数値の差ではない。「年寄りよりも長生きする若者や日々虐げられている弱者の「票」が強くなければならない」と主張する人も少なからずいるが、資本ではない社会階級を生み出し、経済以外の格差を拡大させることになりかねない。
世論調査で残留が優勢だと判断し、油断していた人々からしてみると離脱という想定外のシナリオに焦りを感じている人が多いと思うが、最終的に投票した過半数はそう思ってないのである。今、再投票や国民投票には法的拘束力がないから残留派がEUに残るための法案を通すべきだ等、都合の悪い決断から逃れようとしている。仮に「後悔」している人がいたとしても、それを理由に覆すことは現行の民主的制度に反する。これは西洋諸国が常に胸を張って主張する「人権」を侵害する行為とも言える。ニュースでEU諸国は英国とは非協力的な姿勢を見せており、交渉を難航させようとしていることが映し出されているが、(わからなくはないが)一国の民主的決断への冒涜であり、EUの根本的な理念に反しているのではないだろうか。勿論「一度決まったから諦めろ」とは言わない。不満や不安があるのであれば政治家を動かすべきである。しかし、その手法は慎重でなければならない。雑に動けば混乱が生まれ、やがて手がつけられなくなる。
http://bbc.in/28SNn3E
http://www.theguardian.com/…/divided-britain-brexit-money-c…
https://www.facebook.com/…/vb.1646650602…/1383964388284821/…
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