1room

文章や絵をかいています。26歳、フリーターです。 『その日新聞』バックナンバーPDF(…

1room

文章や絵をかいています。26歳、フリーターです。 『その日新聞』バックナンバーPDF(1枚100円)→ https://orangebook.base.shop Twitter: @oneroom235361 E-mail: orangebookland222@gmail.com

マガジン

  • 文章の性質

    文章を執筆すること、書いた文章を推敲すること、推敲した文章を公開すること、これらの過程全体を通じた、書くことのシステムを考えたい

  • 坂口恭平を走り書く

    坂口恭平さんのテキストを引用しながら、そこに移るイメージを鑑賞しようという試み

  • 短話

  • 聞き取り

    聞き取り

  • その日新聞

    その日にやりたい企画だけを詰め込んだ好みたっぷりの新聞

最近の記事

24/3/31 日記

車に乗る。後ろに座る。 SNS。 運転席に父親。 「こうちゃん、何調べてるの?」 「トレジャーファクトリーかなー。前に売ったのあそこだったじゃん。思ったよりも売れたし。」 「そうやな。」 助手席に母親。 荷物が乗っている。 ガレージが開く。晴れ。 出発。 細い道を曲がる。 知らない曲がかかる。 二人が話す。 リサイクルショップに到着。 荷台をもらい、運んだ。 全部で7点。 査定が終わるのは40分後。 車に乗り、ワークマンに行く。 店頭のものに触れる父

    • 鳥取旅行記

      2024年3月。鳥取に旅行する。 目的はゲストハウス。写真撮影禁止の場所。 大阪からバスで行く。 始発から乗る僕。あと夫婦。 待合室で小話する。 お菓子をくれる。 お礼を言う。「とんでもない」。 道中、ひんやりした。 雪。反対車線。溝にはまった車。 駅から電車に乗る。 発射まで1時間。 最寄駅に到着。温泉街のアーチ。 ゲストハウス。 受付。居心地のいい距離のスタッフ。 ドミトリーに入る。 ちゃぶ台真ん中、二段ベット三台。 畳部屋。 窓を見ると晴れていた。 受

      • 書いて生き残る

        書いて評価されたい。そんな気持ちを持ち過ぎないようになった。 毎日、文章を投稿していた。いいねはいくつ、いいねはいくつ。そればかり気にした。もちろん、思うようにはいかない。ただ、どんな投稿にも、一つはいいねを押してくれる人がいた。励みになった。 でも、ある時、投稿するのを辞めてしまった。やらなくていいと思った。発信し続ける意味が、あまりないように思えた。 当時は一人暮らし。週3日のアルバイトで、月7万で生活していた。それまで会社勤務だったが、自由な時間が欲しいと辞める。

        • 暗路

          ずっとずっと暗くって。そこには誰もいなくって。 それでも誰かを呼んでみて。じっとじっと待ってみて。 じゃあさあ、何が聞こえたかい?きっと何も聞こえない。 いいのさそれで、待ってて待って、どうにか待って。 そうそう、バスがやってきた。光のお目目のバスが来た。 じゃあさあそこに乗っちゃいな。怖くないよ、乗っちゃいな。 それでどこまでいくんだい。きっと遠いところまで? それじゃあボタン押せないじゃん。じゃあなんで? 出発しちゃうよ、うかうかすると。車掌さんがみているよ。

        24/3/31 日記

        マガジン

        • 文章の性質
          3本
        • 坂口恭平を走り書く
          5本
        • 短話
          35本
        • 聞き取り
          1本
        • その日新聞
          5本
        • 昨日の目次
          4本

        記事

          坂口恭平を走り書く_5

          逃げたと思ったら大きくなって吸い込んでくる。空中簡易竜巻。

          坂口恭平を走り書く_5

          坂口恭平を走り書く_4

          生暖かい破片混じりの液体がどろっと、次元の裂け目から垂れてくる。

          坂口恭平を走り書く_4

          推敲できるよう完成させる

          投稿する前の推敲、投稿した後の推敲文章を書いたら、推敲する。 とは言っても、僕の場合は本当に簡単にする。 読み返して、言葉や意味、イメージが重複するのを消すぐらい。あとは、脱線していれば削除する。それを流し目程度にやって、投稿する。 人によっては、投稿する前に何度も見直し、磨きをかける方もいる。 僕もかつては試みていた。けれど、もう一度する気にはなれない。 面倒くさい、ということもあるし、自分の文章を否定してしまいそうになるのがイヤ、ということもあるし、一番の理由は、今日

          推敲できるよう完成させる

          【短話】運び損ね

          それで、どうしたの? ガヤガヤうるさい食堂で僕は問われている。 いやぁ。でも、渡せなかったんです。 えー。先輩はのけぞり返り、わざとらしい声をあげる。 じゃあ、こうしようよ。 バックから取り出した紙一枚と、シャーペン。校内の様子を書いていく。 今、ここにいるのが僕たちね。 はい。 それで、あなたが行きたいところがここだと。 はい。 じゃあ、どういくのがいいと思う?順序的に。 えー、それはまず、ここで冷えかけているカレーを食べることですよね。 いや、食べてからだよ。 じゃあ、持

          【短話】運び損ね

          自分や他人のためだけではないブログの意味

          メモの二種類:物体としてのメモ/消去していいメモ普段から自分でメモを取っている。 そこには、歩いていて思ったことや、家にいるときの悩み事、本を読んだ時に感じたことなどが書かれてある。 それらの言葉は対面を意識していないから、僕に向けられた言葉になっている。しかも、その時の僕に向けられた言葉だから、後になるとよく分からない言葉も多い。 そういうメモ済みの言葉は二種類に分けられる。何かよく分からない物体としての言葉。もう必要がないので消去していい言葉。 前者は先ほど述べた通り、

          自分や他人のためだけではないブログの意味

          【聞き取り】ある火災事件

          ここで何があったんですか。 みりゃわかるだろう。火事だよ火事。 でも私には見えないですし。 わかるでしょ、俺の肌みればさぁ。 ええ、まあ確かに、爛れています。 ったく、本当に痛かったんだから。知ってる?火傷で死ぬって気持ち。 いや、わからないです。 急だったよあれやぁ…。ストーブかな。冬でもねぇのによぉ。火が付きよったんだ。知らないところでね。台所に置いてたかな。きっと、そこのガスとなんか引火したんだろうと思うが、まあわかんねぇ。気づいたら周りが火の海でよ、逃げ場なかったね。

          【聞き取り】ある火災事件

          【短話】手のひらの小箱

          手元に小さな箱がある。 縁には埃がついている。 払ってみてもキレイにならず。 布巾を濡らして拭ってみる。 包むよう全体を触って。 思った小さい感じ方。 内に隠れる大きさ。 強いとそれは潰れてしまう。 へしゃげたって出てこない。 悲しい気持ちだけが残るだろう。 だから私は閉じた手揺らし。 角打つ感触確かめる。 ここは落ち着く気持ちがあって。 心臓は身体の外に出せてしまうほど。 操れてしまう気持ち。 支配したいわけじゃない。 支配されたいわけじゃない。 重力があってこそ、バランス

          【短話】手のひらの小箱

          【短話】透明な船

          船を漕いでいた。波に打たれ、重心を保って、腕を前に運んで引いた。今朝、港で吐いた息の先。視線は月光が差し込んだところに落ちていた。 魚になったかと思う。海にいた。船が転覆したのだ。すくわれてしまった。海がコンクリートだと思った。漕ぎ棒は垂直に突っかかると思った。もたれたさ。船がなくても歩けると思った。けれど到底勘違い。沈んでいった。 泡が身にまとう。呼吸はできない。身体に針が刺さった。一本だけを抜けばよかった。慎重に選び取り、よくよく痛みを観察する。皮膚の下にまで及んだ針

          【短話】透明な船

          坂口恭平を走り書く_3

          歩いていると、空間の切れているところがある。ヒラヒラしていて、奥から風が入ってきていた。

          坂口恭平を走り書く_3

          【ざっ記】 無理に頑張らないで書く感じ

          できれば毎日、何かしら文章を書きたいと思っている。 書くというのは僕にとって生理的な行為で、出さないとお腹の中で詰まってしまう。詰まると便秘になってしんどい。 それでも、書きたくないことがある。便秘になっているのか。きっとその反対。空っぽなのである。 書くことがないから、書きたくない。書くことはしたいはずなのに。 この時僕は、「書かなければいけない気持ち」に陥っている。 別に悪いことじゃない。書きたい気持ちに素直になっている証拠だ。 でも、そうして動機を押さえているのに、

          【ざっ記】 無理に頑張らないで書く感じ

          【短話】穂の黄金

          穂がなびていて。そこに、一匹のてんとう虫を見つけた。夜になっても光らないけど、ちゃんと見えていた。かき分けて、かき分けて探せたから。一本だけ、丈夫なもの。それを掴めればよかったから。  *** 夕陽が昇っていた。私はそう思ったの。顔を逆さまにしてたから。それでも、血は下に降りていくのね。 オレンジ色になったの。穂に絨毯が被さってね、耐え切れると思ったんだけど、やっぱりダメだったみたい。軽すぎたんだ。全部潰れちゃった。 でもね、見つけたの。一つだけ暗いとこ。周りは赤くって

          【短話】穂の黄金

          放ちながら掴む 【坂口恭平を走り書く_2】

          螺旋のように出てきている。頭の中だけでなく、周りと巻き込んでいる。自分と相手の接面が現れて、あちこちで採光している。 うずくまることは、渦くまるということ。チラチラと、弾けるのか吸い込むのか。その間の状態が、丸く丸く小さい円たちで結び、全体として浮動している。

          放ちながら掴む 【坂口恭平を走り書く_2】