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■vol.66【全種別】2022年を数値で振り返る(其之一)

―2022年を数字で振り返ってみましょう!

まずは「種別稼働」から
種別 2020年12月 2021年12月 2022年12月
4パチ 12,818 13,310 13,058
1パチ 16,036 16,990 17,228
20スロ 8,239 8,164 9,134
5スロ 7,612 7,905 8,067

コロナ禍の2020年から2022年にかけて、全種別で稼働上昇となっています。順調に業界が回復しているように見えてしまうかも⁉
 
続いて「台売上」
種別 2020年12月 2021年12月 2022年12月
4パチ 21,453 23,849 24,514
1パチ 5,767 6,433 6,771
20スロ 21,689 20,242 23,297
5スロ 5,688 5,790 6,121

そして「玉単価」
種別 2020年12月 2021年12月 2022年12月
4パチ 1.67 1.79 1.88
1パチ 0.36 0.38 0.39
20スロ 2.63 2.48 2.55
5スロ 0.75 0.73 0.76

玉単価があがっているから台売上が上がっている、という構図ですね。台売上が上がることはホール視点では嬉しいことではありますが、これはどの種別もある意味ではお客様の負担も上がっていると考えることができますね。気をつけないとお客様視点では見返りが大きくなる代わりに投資速度の体感も速くなっているということですから。
なので、次は「勝率」と「利益率」の変化をみてみましょう。

「お客様の勝率」
種別 2020年12月 2021年12月 2022年12月
4パチ 34.1% 34.3% 33.9%
1パチ 36.1% 36.4% 36.7%
20スロ 36.1% 36.4% 37.4%
5スロ 36.0% 36.3% 36.8%

「利益率」
種別 2020年12月 2021年12月 2022年12月
4パチ 15.7% 15.9% 16.1%
1パチ 22.2% 22.2% 21.9%
20スロ 13.8% 14.2% 14.2%
5スロ 20.4% 20.9% 20.5%

このようにみるとお客様の視点で最も”キツい”と感じてしまうのは”玉単価””利益率”が上がり、”勝率”が下がっている「4P」ではないでしょうか。対称的に”玉単価”が5号機時代よりも下がっている「20S」は勝率があがっており、数字上はお客様にとって2年前よりも遊びやすくなったと体感されている方も少なくないと推察されます。

続いて「台数シェア」と「稼働シェア」
「台数シェア」
種別 2020年12月 2021年12月 2022年12月
4パチ 31.9% 33.8% 34.1%
1パチ 27.2% 27.3% 27.4%
20スロ 31.0% 29.5% 29.3%
5スロ 4.7% 4.3% 4.2%

これは2021年の4パチトレンドでパチンコ部門の増台(スロット減台)を選択するホールも多かったことも記憶に新しいですね。そのため2020年から2022年にかけて4パチと1パチは台数シェアが増えています。対称的に絶不調だったスロット部門は減台が進み、台数シェアを大きく落としています。

「稼働シェア」
種別 2020年12月 2021年12月 2022年12月
4パチ 34.2% 36.0% 34.8%
1パチ 36.4% 37.1% 36.9%
20スロ 21.4% 19.3% 20.9%
5スロ 3.0% 2.7% 2.6%

ここで注目しておきたいのは(4パチは台数シェアが増えたが、稼働シェアは現在減少中である)ということです。そして真逆の動きを見せているのが(20スロであり、台数シェアが減ったが、稼働シェアは現在上昇中である)ということです。

本日の最後に「市場台数の推移」をみていきたいと思います。
「市場総台数」
種別 2020年12月 2021年12月 2022年12月
市場総台数 406,215 390,749 380,096
4パチ 129,709 132,060 129,759
1パチ 110,379 106,536 104,271
20スロ 126,066 115,129 111,439
5スロ 19,208 16,711 15,795

お分かりでしょうか?【市場総台数が大きく減少】しています。特に「20スロ」「1パチ」「5スロ」の減少が大きく、「20スロ」はスロット専門店の減少を、「1パチ」と「5スロ」は低貸専門店の減少を示していると考えられます。

ここまでの数字を私なりに解釈してまとめてみます。
―2020年~2022年までの推移まとめ

市場総台数=「スロット専門店」「低貸専門店」の減少

稼働=コロナ禍以降順調に回復しているように見えるが、実は市場総台数が減っているため平均稼働が上がっている(低稼働店が無くなっているため)

台売上=上昇傾向。店側にとってはうれしいが、お客様視点では良い事ばかりではない

玉単価=上昇傾向。店側にとってはうれしいが、お客様視点では良い事ばかりではない

お客様の勝率=4パチ減少、わるい傾向。20スロ、低貸部門はお客様の勝率アップ。良い傾向。

利益率=4パチ上昇、わるい傾向

台数シェア=市場トレンドに大きく左右される。現在は20スロトレンドのため、20スロの台数シェアが上昇傾向に。

稼働シェア=20スロのシェアが上昇中。パチンコ部門は減少中。

これらの事から【20スロはトレンド、また勝率アップにより稼働シェア、台数シェアが伸びる可能性が高い】しかしながら【4パチは玉単価アップ、利益率アップ、勝率ダウンとなり稼働シェア減少、台数シェア減少の可能性が高くなる】そしてそれは【パチンコに粗利を依存し過ぎている店舗は営業が苦しくなる】ことが予想されます。パチンコの営業ケアを行わないと、ダウントレンドでありお客様の負担増の傾向であるため、4パチ遊技層の離反が加速する恐れがあります。ここは2023年の営業で最も注意しておきたいところだと思います。

2023年は20スロが伸びる1年になることはほぼ見えている未来ですが、そこに注力し過ぎて、その他(特に4パチ)を疎かにすると一気に苦しくなると思われます。市場のニーズは様々であることを意識した1年にしていきたいと思います。(※明日はタイプ別で振り返る予定です)


P業界の准教授@Pラボラトリー
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