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老いるとは(Ⅲ)
食欲
年を取るとたくさん食べなくても生きていける。
食事に追い回されることがなくなった。
「 燃費の良い小型車みたいになった 」というのが私の実感である。
ある時から「 お腹が空くまでは、食べない! 」という方針にしたからかもしれない。
食に追われるような生き方が面倒くさくなってきたせいもあるが、お腹が空いたときに食べた方が、同じものを食べるにしても美味しく食べられるからである。
若い時にはお腹が空くまで待てなかった。待たなかったような気がする。
若い頃は車に例えると、「 災害に備えていつもガソリンを満タンにして置かないと安心できないような気持ち 」だったのかもしれない。
爺さんになって低燃費のコンパクトカーになると、3回きちっと食べなくても、2回位でちょうどよくなってきた。
むしろガソリンを満タンにして置くと、車体が重くなって坂道がつらくなるような印象すらある。
食事の回数が減る分、栄養のバランスには気をつけている。
「 一食は必ずタンパク質をしっかり取る! 」
頭に浮かんだ食べたいものには、体が欲している欠乏成分が含まれていると勝手に考えて、好き嫌いなくバランスの良い食事をするように心がけている。
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